野田秀樹 作・演出『赤鬼』の映像を世界同時無料配信

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2020.10.22
『赤鬼』Aチーム(作・演出 野田秀樹 2020年 東京芸術劇場シアターイースト *Aチーム公演日程:2020年7月24日~7月28日)撮影:篠山紀信

『赤鬼』Aチーム(作・演出 野田秀樹 2020年 東京芸術劇場シアターイースト *Aチーム公演日程:2020年7月24日~7月28日)撮影:篠山紀信

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東京芸術劇場は、同劇場の芸術監督を務める野田秀樹が作・演出を手掛けた『赤鬼』(A team) の舞台映像を、2020年11月に、期間限定で無料配信する。なお、映像には全世界に向けて、英語字幕を付ける。

野田秀樹

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『赤鬼』は、1996年の初演以来、その物語の普遍性から国内外で繰り返し上演されてきた。今回、配信するのは2020年夏、コロナ禍による休館から劇場を再開させて間もない時期に、客席を半数に減らし、客席と舞台の間に飛沫防止の透明の仕切りを垂らすなど感染症対策を周到に行いながら上演した舞台の映像だ(7月24日~8月16日、東京芸術劇場シアターイースト)。

『赤鬼』Aチーム(作・演出 野田秀樹 2020年 東京芸術劇場シアターイースト *Aチーム公演日程:2020年7月24日~7月28日)撮影:篠山紀信

『赤鬼』Aチーム(作・演出 野田秀樹 2020年 東京芸術劇場シアターイースト *Aチーム公演日程:2020年7月24日~7月28日)撮影:篠山紀信

奇しくも今の我々が直面している「未知の存在」に対する差別や偏見をテーマにした本作において、ビニール幕の中で熱演を繰り広げたのは、日ごろ野田とワークショップを重ね、薫陶を受けてきた「東京演劇道場」の役者たちだった。4組のキャストによるリレー上演は、いずれ劣らぬ個性的な演技となり、各組を見比べるためにリピート観劇する観客もいた。今回はその中の一組、A teamの舞台映像が、東京芸術劇場WEBサイト内の芸劇CH(芸劇チャンネル)にて配信されることとなった(YouTube<芸劇チャンネル>でも視聴可)。

『赤鬼』Aチーム(作・演出 野田秀樹 2020年 東京芸術劇場シアターイースト *Aチーム公演日程:2020年7月24日~7月28日)撮影:篠山紀信

『赤鬼』Aチーム(作・演出 野田秀樹 2020年 東京芸術劇場シアターイースト *Aチーム公演日程:2020年7月24日~7月28日)撮影:篠山紀信

【“東京演劇道場”について】
野田秀樹芸術監督および、国内外から野田氏が招いた講師によるワークショップを日ごろ主な活動とする。2018年に参加者の公募が行われ、下は8歳から上は70代後半まで、また沖縄から北海道までの約1,700名の応募があった。商業演劇で活躍している俳優や現役のアイドル、アナウンサー、主婦などもいたが、厳選なる書類選考を経て、300名がオーディションに参加。5日間に及んだオーディションには野田氏のほかにノゾエ征爾、柴幸男、熊林弘高などの演出家のみならず、黒田育世、井手茂太、近藤良平などフィジカルなパフォーマンスの名手らも立ち合い、最終的には60名あまりの若手演劇人が選出された。ワークショップはほぼ毎月行われ、若き演劇人たちの新たな出会いと創作の場になっている。

『赤鬼』Aチーム(作・演出 野田秀樹 2020年 東京芸術劇場シアターイースト *Aチーム公演日程:2020年7月24日~7月28日)撮影:篠山紀信

『赤鬼』Aチーム(作・演出 野田秀樹 2020年 東京芸術劇場シアターイースト *Aチーム公演日程:2020年7月24日~7月28日)撮影:篠山紀信

配信情報

『赤鬼』(英語字幕付き)


 
■配信期間:2020年11月13日(金)17時 ~ 11月30日(月)17時
■視聴URL:東京芸術劇場 WEB サイト内芸劇 CH(芸劇チャンネル)
https://www.geigeki.jp/ch/ch1/akaoni_streaming.html
※YouTube<芸劇チャンネル>でも視聴可。
https://www.youtube.com/channel/UCGxQAmHjbB6RBBbKfD6GEbQ
■視聴料:無料

 
■映像収録日 2020年7月27日(月)
■収録会場:東京芸術劇場 シアターイースト
■作・演出:野田秀樹
■出演者(50 音順):
A team:
池田遼 織田圭祐 金子岳憲 木山廉彬 河内大和
佐々木富貴子 末冨真由 扇田拓也
夏子
八条院蔵人 花島令 広澤草 深井順子 藤井咲有里 間瀬奈都美 三嶋健太 森田真和

 
■あらすじ:「あの女」と白痴の兄とんび、あの女を狙う嘘つきのミズカネの 3 人が、離島の浜に打ち上げられる。「あの女」はフカヒレのスープを与えられるが、それは船上で呑んだものと味が違うと言い、後日自殺する。とんびが、その死んだ妹について回想をする形で芝居が語られていく。ある日浜に赤鬼が現れる。村八分にされている「あの女」が呼び寄せたという偽りの噂が広まる。その日、ミズカネは、「あの女」の家で「あの女」に言い寄っている。と、その家に潜んでいた赤鬼を発見する。喰われると恐れるが、人間ではなく花を食べることを知る。ある晩、赤鬼は赤ん坊を悪気なく連れ去る。村人はパニックに陥り、花を使って赤鬼を洞窟におびき寄せる。長老とミズカネ、「あの女」が話し合い、7 日間赤鬼に手を出さないという条件で、赤ん坊を返させることにする。ところが、赤ん坊が救出されると、村人は洞窟を襲撃する。そして赤鬼が壁に描いた楽園の絵を見て驚く。「あの女」は、これは「海の向こう」を描いたものであり、赤鬼は神なのだと言う。村人は約束を守ることにする。その猶予期間中、「あの女」は赤鬼に自分のことばを教える。程なくして赤鬼は村人に受け入れられるようになり、見物の対象となる。「あの女」は赤鬼が人間ではなく、見世物として扱われていることに憤る。「あの女」は赤鬼が書いた文字から、鬼たちが理想の土地を求めて航海を続けており、赤鬼は浜がその理想の地であるのかを確認しに来たということを知る。 ミズカネ、とんび、あの女の三人は赤鬼を元の国に戻すために船出をする。食べ物が底をつき、飢餓が進む中、彼らは狂乱状態で陽気になっていき、最初に赤鬼が死ぬ。物語は最初の場面へ。命を救われた「あの女」は、飢餓で朦朧とした中、ミズカネが船上で呑ませたスープのフカヒレは赤鬼の肉であったことに気づき、絶望の後に自殺する。
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