山田洋次監督・倍賞千恵子・大泉洋・広瀬すずらが選んだ“松竹映画”を公開 『100人が選ぶ松竹映画』特設サイトで作品&コメントを発表
左上から、山田洋次監督、倍賞美津子、広瀬すず、大泉洋
松竹映画の特設サイト『松竹映画100年の100選』の企画「私の好きな松竹映画」にて、各界オピニオンによる100作品とそれぞれのコメントが公開された。
1920年2月11日の松竹キネマ合名社設立から100年を経た2020年。これを記念して、同社は『松竹映画100周年』プロジェクトに取り組んでいる。特設サイト『松竹映画100年の100選』と『松竹・映画作品データベース』は、『松竹映画100周年』プロジェクトの一環としてオープン。『松竹映画100年の100選』では、松竹映画約5,000の中から、「今、観たい映画」をテーマに独自に選んだ100作品を紹介しており、作品ページには松竹社員(グループ会社含む)がすすめる“超おススメ・コメント”の中から厳選した紹介文を掲載している。
今回、新たに作品とコメントが公開されたのは、同サイトの「私の好きな松竹映画」企画。こちらは、各界で活躍する人物が“好きな松竹映画”をするもので、2020年6月からすでに参加している米アカデミー賞受賞のポン・ジュノ監督や松坂桃李の他、様々な分野で活躍する人々が選んだ松竹映画とそれぞれの作品に対するコメント発表されている。
山田洋次監督は小津安二郎監督の代表作『東京物語』を選出。また、『男はつらいよ』シリーズなど松竹映画に出演してきた女優・倍賞千恵子は自身の出演作でもある『下町の太陽』、俳優・大泉洋は『蒲田行進曲』、女優・広瀬すずは『舟を編む』を選んでいる。
そのほか、特設サイトでは、竹中直人や毎熊克哉ら俳優陣、上島竜兵(ダチョウ倶楽部)や昴生(ミキ)、木本武宏(TKO)らお笑い芸人、落語家の立川志らく、映画監督では本広克行監督、山崎貴監督、橋口亮輔監督ら、音楽業界から石井竜也、堀込高樹(KIRINJI)、コトリンゴや、映画プロデューサー、映画ライター、映画サイト編集長、脚本家、映画館支配人、国内外映画祭コーディネーターなど映画に関わる様々なジャンルの作品とコメントが公開されている。
山田洋次監督が選ぶ松竹映画
『東京物語』
世界中の映画人が、この作品を映画史の中でのNo.1にあげることについて異論はない筈です。この作品が作られた松竹大船撮影所で修行したことを、そして小津監督の謦咳に接する機会があったことを、ぼくは心から誇りに思っています。
女優・倍賞千恵子が選ぶ松竹映画
『下町の太陽』
当時私が歌ったデビュー曲「下町の太陽」がヒットしたことがきっかけで映画化されたのがこの作品です。
私も下町育ちなので、 町工場や路地など、住んでいた町と映画に出てくる町が似ていて、まるで近所に住んでいそうな人が出てきて、撮影がとても楽しかったのを覚えています。この作品で、私は「庶民派女優」と呼ばれるようになって、そしてこれが山田洋次監督との初めての仕事で、ここから『男はつらいよ』シリーズにつながっていったのだと思うと、自分の俳優人生を決定づけた、大切な記念すべき作品です。(一部抜粋)
女優・広瀬すずが選ぶ松竹映画
『舟を編む』
言葉集め、それは馬締さんにとっては宝探しのようで、あのキュートさがとっても魅力的でした。
言葉を落としていくような感覚で使いたくなくなる気持ちになりました。
言葉を発することで時代を感じるように、私ももう少し歳を重ねたら、この映画に新たな共感が生まれ、より楽しい世界を見られるのかなと思いました。
自分だけに送ってくれる言葉で、どれほど救われていくのか、これからの人生の楽しみが増えました。
高揚を感じながら、モノ作りするということは、深呼吸も大切ですね。とても優しい作品でした。
俳優・大泉洋が選ぶ松竹映画
『蒲田行進曲』
「私の好きな松竹映画は『蒲田行進曲』です。
初めて見たのは、10代半ばくらいだったでしょうか。
今まで見てきた映画やドラマとは役者の芝居が明らか
に違う気がして、とても惹きつけられたのを覚えてい
ます。
今思えば、この映画の役者の演技は映画の演技というより、つかこうへいさんの舞台の熱気をそのまま映像で再現したような演技だったのではないでしょうか。ヤスの階段落ちの後の平田満さんと風間杜夫さんの熱演がめちゃめちゃかっこよかった。スピーディーな物
語の展開、心を鷲掴みにされる役者達の演技。今でも、こんな映画に出られたら良いなぁと憧れる作品です。