【映画レビュー】『リトル・グローリー 〜小さな栄光〜』『変態男』の監督が贈る、怠惰な青年の成長物語

動画
特集
アニメ/ゲーム
2015.12.13
『リトル・グローリー 〜小さな栄光〜』 (C) The Little Film Company

『リトル・グローリー 〜小さな栄光〜』 (C) The Little Film Company

画像を全て表示(13件)

SPICE×ぷれシネ特集 第十一回

SPICEをご覧のみなさま、いかがお過ごしでしょうか?この特集では毎回、日本初の映画試写アプリ「ぷれシネ」配信作品を紹介していきます。

同アプリでは、最新作やDVDの本編を新旧問わず丸々1本を無料で楽しめます。アプリ内の作品一覧から選んで応募すれば、その場で抽選結果も分かり、当選すればそのまま鑑賞可能です。この企画では、SPICE編集部の映画好きライター・フジモトが同アプリを体験し、ネタバレなしの作品レビューで皆さまにその魅力をお伝えしていきます。

○過去の記事はこちらから

第十一回に取り上げる作品は『リトル・グローリー 〜小さな栄光〜』です。
 

■あらすじ
ミシガン州の小さな街で、19歳のショーン(キャメロン・ブライト)は幼い妹ジュリー(イザベラ・ブレイク=トーマス)と父親の3人で暮らしていた。母親は早くに亡くなり、荒れる父親は無職のショーンに辛くあたる。それでもショーンは、悪友とテレビゲームをしてばかりの怠惰な生活を送るばかりだった。そんなある日、父親が仕事中に事故死してしまう。莫大な保険金がジュリーに支払われることを知り、ショーンは妹の養育権をめぐって叔母と裁判で争うことに。ショーンは裁定が下るまで一時的に彼女を引き取ることになったが、恋人と夜遊びに出かけたり、盗みを働き、相変わらず荒んだ生活を続けるのだった。やがて、ショーンに決断の時が訪れる。

■「悲劇の主人公」に未来はない… 

『リトル・グローリー 〜小さな栄光〜』妹がめっちゃ可愛いです (C) The Little Film Company

『リトル・グローリー 〜小さな栄光〜』妹がめっちゃ可愛いです (C) The Little Film Company



本作の主人公は若くして母親を亡くし、父親に蔑まれ、職もありません。一見、悲劇的な青年なんですが…物語が進むにつれて、単なる「悲劇の主人公」きどりなクソ野郎だということがわかります。前回に引き続きクソ野郎を取り上げて恐縮ですが、今回は19歳のクソ野郎なんで許してください。妹への愛情はあるものの、自分の恵まれない境遇が父親や環境のせいで、自分の怠惰のせいだとは露ほども思わない主人公なんです。

ありがちな人間ドラマなら、何かのきっかけで自分の考え方を変えようと決心するんですが……本作では劇的な出来事はほとんど起こらず、ひたすら主人公がドツボにハマっていきます。その展開から「ただ流されるだけの人間に未来は無い」という、わりと厳しいメッセージを受け取る方も多いはずです。

とはいえ、ショーンはまったく成長しないわけではありません。本当に怠惰でどうしようもない青年が選ぶ最後の決断は、「リトル・グローリー」というタイトルに相応しいものでした。ぜひ、確かめてほしいですね。

■『変態男』の監督が仕掛ける「ごく普通の人」の物語

『リトル・グローリー 〜小さな栄光〜』すごいドヤ顔のポスターですけど、かなり優柔不断な主人公 (C) The Little Film Company

『リトル・グローリー 〜小さな栄光〜』すごいドヤ顔のポスターですけど、かなり優柔不断な主人公 (C) The Little Film Company



とはいえ、淡々とした展開にちょっと退屈する方もいるかもしれません。劇中には物語をドラマチックにしそうな暴力的で刺激的なイベントが何度か登場するんですが、主人公のショーンはなかなか決断を下さない。彼はクソ野郎というより、映画的ではない「ごく普通の人間」だから選択できなかったんだと思います。

本作の監督、ヴィンセント・ラノーは『変態男』という、とんでもないタイトルの作品をリリースしています。ただこれ、原題は『Ordinary Man 』(普通の男)というタイトルなんですね。こちらは、優柔不断な普通の中年サラリーマンがとんでもない凶行に及ぶサスペンス。どうやらラノー監督は、「ごく普通の人」の心理に興味があるようです。『変態男』は『リトル・グローリー』とは違う不思議な展開の作品なので、あわせて観てみると面白いかもしれません。

さて、本作に興味を持った方はぷれシネで試写会に応募して見てください。応募の方法は簡単。

①itunesまたはApp storeでアプリをダウンロード

 

②会員登録(メールアドレスと希望するパスワードを入力)

 

 

③ログイン

 

③観たい作品を選んで「受付中」の部分をタップ!

これだけで応募が完了し、その場で当選の結果もわかります。当選決定から24時間の間は、いつでも同じ作品を観ることができるので、通勤や通学、ちょっとした待ち時間をつぶしながら気軽に鑑賞するのもいいですね。

現在公開されている作品の定員は50~100名。ただし、抽選ではなく先着で当選が確定するものも多いので、人気作は早めに応募したほうが良さそうです。

また、鑑賞後は「シェア」ボタンをタップして、TwitterやFacebookに感想を投稿することもできます。感想を投稿すると、次回からの試写会の当選確率が上がるそうです。フジモトも投稿してみました。


なお、ぷれシネでの『リトル・グローリー 〜小さな栄光〜』配信は2016年1月6日まで。期間中でも、先着50名に達すると申し込めなくなるのでご注意を。

現在配信中の作品と応募期間はこちら。

作品情報

リトル・グローリー 〜小さな栄光〜
(2012年/ベルギー・アメリカ/90分)
監督:
ヴィンセント・ラノー
脚本:フランソワ・ヴェリアン
出演:キャメロン・ブライト、イザベラ・ブレイク=トーマス、ハンナ・マリー、アストリッド・ホウェットノール、マーティン・スワビー

 

配信情報

チェンジング・ハーツ〜家族の絆〜​

『チェンジング・ハーツ ~家族の絆~』  (C) 2013 SunWorld Pictures.

『チェンジング・ハーツ ~家族の絆~』 (C) 2013 SunWorld Pictures.

(2012年/米/88分)
監督:
ブライアン・ブラフ
脚本:ブリタニー・ウィスカム
出演: ブラッド・ジョンソン、ダフネ・ズニーガ、ブライアン・マクナマラ

試写期間:12月16日まで
募集定員:先着50名

ルーシーズ ニューヨーク・ラブストーリー​

『ルーシーズ ニューヨーク・ラブストーリー』  (C) MMXI LOOSIES, LLC

『ルーシーズ ニューヨーク・ラブストーリー』 (C) MMXI LOOSIES, LLC


(2011年/米/88分)
監督:
マイケル・コレント
脚本:ピーター・ファシネリ
出演: ピーター・ファシネリ、ジェイミー・アレクサンダー、ヴィンセント・ギャロ、マイケル・マドセン、ウィリアム・フォーサイス、ジョー・パントリアーノ
 
試写期間:12月23日まで
募集定員:先着50名

○レビューはこちら

大阪最後の日

『大阪最後の日』 (C) 2013AMI Entertainment. All Rights Reserved.

『大阪最後の日』 (C) 2013AMI Entertainment. All Rights Reserved.

(2013年/日/73分)
監督・
脚本:大木ミノル
出演: みぶ真也、夏守陽平、若林奈緒子、沖一文字、浅尾典彦

試写期間:12月30日まで
募集定員:先着100名


Androidアプリへの対応は現在調整中。SPICEは毎週オススメの作品とともに進捗をお伝えしていくので、お待ちください。

アプリ情報
ぷれシネ​


価格:無料
カテゴリ: 写真/ビデオ
言語: 日本語、英語
販売元: HIROFUMI SOYAMA
 (C) simpleplus / (C) precine

App store: https://appsto.re/jp/d4uL6.i ※iPhoneからアクセス可能
iTunes: https://itunes.apple.com/jp/app/pureshine/id982863363?mt=8

Facebook: https://www.facebook.com/precinema

シェア / 保存先を選択