ダサいのがらしくて良い!?D4DJ Happy Around!の新シングル「SHUFFLE HEART BEAT」作曲者、俊龍×genインタビュー

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2021.3.17
Happy Around!

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『DJ』をテーマにアニメやスマートフォン向けリズムゲーム『D4DJ Groovy Mix(以下:グルミク)』など、多方面に広がりを見せる音楽メディアミックスプロジェクト『D4DJ』。TVアニメは2021年1月29日に最終回を迎えたばかりだが、その勢いは止まることを知らず、3月17日を皮切りに全6ユニットが各2ndシングルを毎月リリースする予定となっている。今回、SPICEではそんなD4DJのニューシングルに込められた想いや、その誕生秘話を探る作曲家インタビューを半年間に渡ってお届け!初回となる今回は『Happy Around!(以下:ハピアラ)』の新曲「SHUFFLE HEART BEAT」とカップリング曲「はぁ〜い☆FORTUNE!」を手がけた作曲家の俊龍とgenの両名にお話を伺った。これまで数多くの楽曲を手がけてきたアニソン界の売れっ子トラックメイカーである俊龍だが、実は今回の楽曲で作家人生で初めての経験をしたのだとか……?


■「ロボアニメからクラシック音楽まで、足し算の音楽」

――本日は「SUFFLE HEART BEAT」の作曲を手がけられた俊龍さんと、カップリングの「はぁ〜い☆FORTUNE!」を俊龍さんと共同で作曲されたgenさんにお越し頂いてお話を伺いたいと思います。早速ですが、今回の楽曲について軽くご紹介頂けますでしょうか?

俊龍:まず最初に「SHUFFLE HEART BEAT」の制作のお話を頂いた際に、まだハピアラのオリジナル曲がまだそんなに多くないので、とにかく面白いことがしたい!というオーダーというか、相談を音楽プロデューサーのハートカンパニーの斎藤滋さんから受けました。それを元に色々とアイデアを膨らませていった結果、とにかく全部盛りな感じでゴチャゴチャしつつも、ワイワイとした楽しい楽曲になったのかなと思います(笑)。具体的な話をしますと、Aメロ、Bメロ、サビ……のようにセクションごとで全く違ったキャラクターを持たせていて、例えば冒頭だと懐かしのロボアニメを意識したフレーズを入れていますし、サビ前なんかはクラシックを意識して作りました。

俊龍

俊龍

――なるほど。個人的に聞いてて「なんか、ミュージカルみたいな曲だな」というのが素直な第一印象だったんですけど、それを聞いて腑に落ちました!構成としてはお話の通りだと思うんですけど、要素として節々にワブルベースっぽい音が挟み込まれたりしていて、その辺りでDJっぽさも出しているのかな〜?なんて印象を受けました。

俊龍:そうですね。ハピアラってユニットとしてまだ新米というか、手練れのユニットというわけではないので、だからこその荒削り感と言いますか、向こう見ずな感じで要素を色々と足していきましたね。初心者というのに掛けてRPGゲームとかのレベルアップの「♪タララ〜ン」みたいな音も差し込んだりしましたし(笑)。とにかく引き算というよりも足し算な感じで曲作りをしました。

■「真冬×常夏の意外な組み合わせに納得!」

――では続いてgenさんですが「はぁ〜い☆FORTUNE!」についてお願いします。

gen「はぁ〜い☆FORTUNE!」なんですけど、自分が作曲/編曲を担当して、俊龍さんにサビとDメロをお手伝い頂いた曲になってます。こちらはグルミクのお正月イベントと連動した曲ということで、和の要素を取り入れつつもDJらしいデジタルなカッコよさを打ち出した曲になっています。

――こちらも個人的な感想になってしまうんですが、確かにエッセンスとして和っぽい所がありつつも、音としてはちゃんとマッシヴで、クラブで大音量で聞いたら楽しそうですよね。ハッピーハードコアみたいな底抜けた明るさを感じました(笑)。一応DJがモチーフの作品だと思うので、何かサウンド面で意識した点があればお聞かせください!

genお話を頂いた時は和っぽい音で正月感を出したい、というオーダーを受けたんですけど、その"音作り"……ですかね。DTMソフト付属の楽器のプラグインをそのまま使うのではなくて、serum(というシンセサイザーソフト)で琴っぽい音とか、尺八っぽい音をイチから作ったのがこだわりポイントでしょうか(笑)。生楽器の音にはないハイとかローがしっかりギュッと詰まった音が作れたので、音色は和っぽいけど、それこそマッシヴな感じというか、ダンサブルなクラブサウンドに仕上がったと思います。あとはリズムの方の話なんですけど、ビートはソカをベースにしているんですよ。正月のお祭り感と南国の陽気な人たちが踊ってるリズムが合うんじゃないかなと思ったんですけど、うまくハマってくれました(笑)。

gen

gen

――そう言われてみれば、確かに!琴や尺八をスティールパンに置き換えたら、完全に速めのソカですね。そこが組み合わさるのは、意外だけど納得しました(笑)。俊龍さんはご自身の楽曲での「ここに注目してほしい!」みたいなお気に入りポイントはありますか?

俊龍:そうですね、「SHUFFLE HEART BEAT」の場合はサウンドというよりもやっぱり全体の曲構成の部分でしょうか。本当にセクションごとでコロコロ変わる楽しさがあるから飽きないと思うので、例えばD4DJの他ユニットの曲を楽しんでもらった後にまた聞いてもらうとか、一回聴いただけではメロディ含め消化しきれないくらいカロリーが高めだと思うので、何回も聴いて見えてくる部分もあるのかな……と思います(笑)。

■「俊龍さんの別次元のセンスに脱帽……!」

――それでは続いての質問に移りたいのですが、今度は逆に、お互いの楽曲についての所感などを伺いたいです!

俊龍:「はぁ〜い☆FORTUNE!」は、先ほどお話があったようにただ単純に和で4つ打ちっていうのじゃなくて、ソカをビートに持ってくることで浮かれた感じが出てきたのがスゴイ素敵だな〜と思いました(笑)。ビートの部分以外でも、しっかり和っぽい音階を使いつつも踊れる感じが、新しい正月ソングへのアプローチみたいな感じがしましたよね。

――確かに、正月とクラブって日本ではなかなか結びつかない組み合わせですよね。海外だとニューイヤーパーティーみたいな感じでクラブでカウントダウンを過ごす人もいるでしょうけど、日本の伝統的な"お正月"とクラブサウンドが結びついたのはD4DJならではなのかもしれません(笑)。

gen「SHUFFULE HEART BEAT」ですけど、いやぁ……俊龍さんスゴイですよね(笑)。メロディもそうなんですけど、展開のセンスが本当にスゴくて。俊龍さんの手がけた曲って他でも色々と聞かせて頂いてるんですけど、アサルトリリィプロジェクトの「Edel Lilie」とかめっちゃ好きで。……普通にファンみたいな感じで申し訳ないんですが(苦笑)

俊龍:いや、あっ、ありがとうございます(笑)。恐縮です……。

gen「はぁ〜い☆FORTUNE!」も俊龍さんにお手伝い頂いたサビの部分とか、もらった時の衝撃がスゴくて、別次元のセンスをお持ちだな……という感じで感動しっぱなしでした。

俊龍:実はボク、今回のように誰かが作ったメロディに自分のメロディを繋げて、1曲にするっていう共作曲は初めてやったので、非常に新鮮でした!初めからほぼほぼサウンドが出来上がっている状態で、ドラムトラックとかを聴きながらサビを作れたんですが、自分のいつもの曲の作り方とは逆のアプローチだったので余計そう思ったのかもしれません。普段よりもノリノリな感じで作れたので譜面がすごく細かくなっちゃって、ハピアラの皆さんにはご迷惑をおかけしたかもしれないんですけど……(笑)。

――ボーカルが曲に乗っかった際の印象とかっていかがでしたか?

俊龍:今回のレコーディングはコロナ禍ってこともあって、サウンドエンジニアさんとか最小限の体制で行われていたので自分は現場には行かなかったんです。でも、思惑通りと言いますか、プロデューサーさんともキッチリ相談しながら曲を作っていったというのもあるので、もう皆さん思いっきりはっちゃけて歌ってくださっていてバッチリでした。曲からそういう雰囲気をキャッチしてくれて、自分なりに昇華してのびのび歌ってくれてる感じがしましたね。

genそうですね、さっき俊龍さんからもチラッとありましたけど「これ歌えるんだ」みたいな驚きはありましたね(笑)。本当は、1番最初にデモを提出した時ってもっとBPMが低かったんです。ただ途中でBPMは上げたほうが良いねってなったので、想定してたよりも速くなった分歌いにくいかな、と思っていたんですがもうバッチリだったので「さすがプロだな……」と(笑)。

――今回は作曲を担当されたお二人にお話を聞いている訳なのですが、作詞だったり編曲だったりと、ご自身が担当された以外の部分で曲に関する印象的な部分などは、何かありましたか?

俊龍:何回も話に出ちゃいますけど、いろんなジャンルのサウンドに様変わりしていく曲なので、これにどうやって歌詞を当てていくのか?というのがありましたね。全体の仕上がりとかも、ワクワク……というよりソワソワしてましたかね〜。どうなっちゃうんだろう?って(笑)。D4DJのキャラクターたちって女子高生なワケなんですけれども、その年代特有のわちゃわちゃした感じと楽曲のごった煮感を作詞の高瀬愛虹さんが上手いこと取り持ってくれました。個人的には「夢に向かってダッシュだ!」みたいな暑苦しさを出さず、「毎日がずっと楽しい」みたいな何気ない日常感でまとめてくれていたのが良かったかなと思ってます。あとはTDと呼ばれるトラックダウンの段階で、今回みたいな曲は特にゴチャゴチャしているのでエンジニアさんが大変だと思うんですけど、聞き応えがあると言いますか、新米ユニットらしいガッツのあるサウンドになっていて、面白く仕上げて頂いたなと感じましたね。

gen自分はやっぱり俊龍さんに書いていただいた部分ですね(笑)。サビもすごくインパクトがあるんですけど、個人的にはDメロ部分を注目して聞いていただきたくて。複雑というかカオスな感じのコード進行とかで、ちょっとずつ上がっていく構成になっているんですけどDメロ部分を頂いた際に「ハピアラのメンバーがおみくじを引いて、何が出るのか?……大吉だ〜!みたいなドキドキとワクワクが入り混じった感じをイメージして作りました」みたいなメモが添えられていて、そこまで考えて作ってらっしゃるんだな、と感動したのと、更にそこに「♪大大大吉〜」ってめっちゃキレイに歌詞が加わって、完璧に整ったんですよ(笑)。そこのコンビ技というか、連携がスゴイなって感動しました。

俊龍:そういえば、そんなメモを書いたような気がしますね(笑)。でも確かに、頂いた資料とかHPのキャラ紹介とかを見て、この子だったら初詣に行ってこういう行動を起こすだろうな……とか、そういう想像をしながら作ったのは間違いないです。

genいや、流石です……!

■「リミックス文化がもっと広まってくれたら嬉しい!」

――うーん、流石ですね……(笑)。続いて、今回携わって頂いたD4DJってコンテンツについてなんですが、公式でオリジナル曲のREMIXなど二次創作OKとしている点について伺いたいと思っています。

俊龍:なんというか、遊びの幅が広がると言いますか、権利者側からしたら難しい問題なのかもしれませんが、作る側の人間からしたらとっても良い事ではありますよね。

――実を言うと、続いてお訊ねしようかと思っていた質問に関係する前フリみたいな質問だったのですが、REMIXを作るという事は、俊龍さんやgenさんのように、将来的に作曲家などを目指している方の習作だったり、それを公式で公開OKとして頂けることで、評価を得たり、ステップアップの場とかにもなるんじゃないかと考えているんですよね。そういう方へのメッセージとかアドバイスなどを頂けたら嬉しいな……と思っています!

俊龍:なるほど、急に責任重大な感じではありますが……(笑)。そうですね、まぁ先ずは自由に楽しく!というのが1番だと思います。機材数の多寡であったりは関係ないと思っていて、活動の軸足も「自分が聞いて楽しい!」でも「聞いてくれる誰かを楽しませたい!」でも構わないと思っています。それを発表して反応をもらうことで、作曲者の幅の広さって広がっていくと思っているので、だからこそ自分も他の方が作った曲を聞くようにもしています。聞くときは分析とかしようとせずに、力を抜いて、純粋にただ楽しむように心がけています(笑)。

gen実はボク自身、めちゃめちゃアニソンREMIXが大好きで、以前に『秋葉原MOGRA』というアニソンクラブイベントを開催しているクラブさんでアニソンREMIXのDJとして出演した経験もあるくらいなんですけど…。二次創作って音楽だけではなくマンガだったりとかでも同じ問題だとは思うんですが著作権的にグレーな領域でもあったりする中で、公式が大々的にOKとしてくれるとコチラとしても胸を張って制作できますし、ありがたいですよね。やりやすいです。実際に自分の周りでも、D4DJ関連の曲をREMIXしている動きがあったりもして、非常に良い流れだなと思っています。

■「全部はなかなか追いきれないからこそ、D4DJは面白い」

――D4DJのようなアニメ/ゲーム…etcのようなメディアミックスコンテンツの印象について教えていただけますか?

俊龍:ちょっと話はズレるんですけど、自分がよくお世話になっているバーのオーナーさんで50過ぎの、音楽好きではあるんですけど、DJとかが好きというよりはソウルミュージックとかに詳しい方がいるんです。DJをやられているとかいう方でも全然ないんですが、たまたまD4DJのアニメ(アニメ「D4DJ First Mix」)を正月に見たらしく「すごい面白いね」っておっしゃってたんですよ(笑)。スゴく驚いたんですけど、やっぱり嬉しかったですよね。それとなく音ゲーのグルミクもオススメしておいたんですけど「いやぁ〜……」って言ってました(笑)。ただ、今Photon MaidenさんがやってるTV番組(D4DJ Photon Maiden TV)の方もちょいちょい見ているらしいんですけど。ボク個人としては仕事として内側から見ていても「そことコラボするんだ」みたいな動きがあって面白いですし、こんな感じで幅広くやっているからこそ、自分の思いがけない部分で驚きがあったりするので外から見てても面白いなって思っています。

gen自分的にはDJ経験があるからこそ、DJってコンテンツとのミックスのさせ方が上手だなって思っています。アニメを見ていてキャラクターがDJとして成長していく姿もそうですし、ミキサーの使い方の描写とかも細かくて驚きました。あとEDを見てて「モーションアクター:DJ WILDPARTY」ってクレジットされていて、自分も何度も拝見させて頂いたことあるDJさんのよく見る動きをキャラクターがしていたのはめっちゃ笑っちゃいました(笑)。ゲームの方でもやっぱりDJは音ゲーとは相性バッチリですしね。

――最後に、今回のシングルを含め、ファンの方へメッセージをお願いします。

俊龍:D4DJはアニメを見る人、音楽を聞くのが好きな人だけでなく、音楽を作ってる人とか、これから音楽を始めたいなって人も楽しめるコンテンツだと思いますので、自分なりの楽しみ方を見つけて頂けたらなと思います!

genD4DJというからにはやっぱりDJがテーマのコンテンツになっているので、実際のDJってどんな感じなの?みたいな事も含めてDJ文化にもっともっと興味を持って頂けたら嬉しいですし、今はなかなか難しいかもしれないですけど、クラブへ遊びにいくキッカケになってくれたらと思っています。あと自分は今回の曲だけでなく、グルミクの方にREMIXも提供していて、クラブで鳴らしても映えるような楽曲を作っていますので、DJの方にはガンガン使っていただけたらいいなと思っています。アニメとかゲームを楽しんでいる方々も、ぜひD4DJのライブへ足を運んで頂いて、デッカイ音で思いっきり曲を楽しんでいただけたら嬉しいです!

インタビュー・文:前田勇介

リリース情報

Happy Around! 2nd Single「SHUFFLE HEART BEAT」

2021.3.17 Wed. ON SALE!!

「SHUFFLE HEART BEAT」
作詞:高瀬愛虹 作曲:俊龍 編曲:中⻄亮輔

 
「はぁ~い☆FORTUNE!」
作詞:安藤紗々 作曲:gen、俊龍 編曲:gen

 
【音楽プロデューサー】
Happy Around!:斎藤 滋
 
【収録内容】
[CD]
01.SHUFFLE HEART BEAT
02.はぁ~い☆FORTUNE!
03.SHUFFLE HEART BEAT -instrumental-
04.はぁ~い☆FORTUNE! -instrumental-

[Blu-ray Disc]※Blu-ray付生産限定盤のみ
・アニメ「D4DJ First Mix」第1話~3話
・グルミク Presents D4DJ D4 FES. ~LOVE!HUG!GROOVY!!~ ライブ映像 -Happy Around!-

 
【初回生産分限定封入特典】
・D4DJライブイベント先行抽選申込券
※2021年6月~2022年6月に開催予定の公演に申込可能

・D4DJ Groovy Mix ディスクスキンシリアルコード
有効期限:2022年3月16日(水) 23:59まで

・D4DJ Groovy Mix アイテムシリアルコード(EXP(プラチナ)×5)
有効期限:2022年3月16日(水) 23:59まで"

 
【早期予約特典】
特製A3オリジナルクリアポスター
※ジャケットイラストを使用したデザインです。
※Blu-ray付生産限定盤・通常盤どちらも対象となります。
※特典はなくなり次第終了となります。お早目のご予約をおすすめいたします。

 
【連動購入キャンペーン】
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