矢崎広にインタビュー「ETERNAL CHIKAMATSU」

インタビュー
舞台
2015.12.28
 矢崎広 ETERNAL CHIKAMATSU

矢崎広 ETERNAL CHIKAMATSU

一目惚れはあると思っています。僕は信じています。

デヴィッド・ルヴォー演出×深津絵里、中村七之助出演! 2016年の日本に近松がよみがえる!遊女・小春と、治兵衛、その妻・おさんの三角関係を見事に描いた近松門左衛門の代表作「心中天網島」をベースに“究極の愛”を描く舞台『ETERNAL CHIKAMATSU -近松門左衛門「心中天網島」より-』が2016年2月29日から梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、そして3月10日(木)からBunkamura シアターコクーンにて上演される。

本作の演出を務めるのは、『日陰者に照る月』でウエストエンド演劇賞を受賞、その後、様々な作品でトニー賞を受賞・ノミネートされ、世界の演劇界に衝撃を与え続けている演出家・デヴィッド・ルヴォー。彼のオリジナルアイデアに基づき、作家・谷 賢一が書き下ろす最新戯曲となる。主演を務めるのは、女優・深津絵里とこれからの歌舞伎界を担う中村七之助。このほかTEAN NACSの音尾琢真はじめそうそうたる顔ぶれが共演する。

本作に矢崎広が出演する。2015年はストレートプレイにミュージカル、現代劇からコスチュームプレイが求められる作品まで、ほぼ月1ペースで舞台に出演している矢崎。この日もミュージカル「ドッグファイト」の東京公演が始まる前日に話を聞かせていただいた。

――本作の出演の前に、演出のデヴィッド・ルヴォーさんのワークショップを受けられたとか。どんな印象でしたか?

矢崎広 ETERNAL CHIKAMATSU

矢崎広 ETERNAL CHIKAMATSU

矢崎:ルヴォーさんの持つパワーというかオーラというか…お会いした時に大きい方だなあって思いました。圧倒されるような演出家さんでした。きっとご自身もパワフルなんだろうな、魅力的な方だなと感じましたね。

――そんなルヴォーさんが演出する作品に出演してみたいと思った矢崎さんのお気持ちは?

矢崎:オーディション…面接があったんですが、そのときに演出家がルヴォーさんだと聞きまして、少し背筋が伸びる気持ちでした。でも最終的に出演が決まったとき、緊張もありますが、嬉しさや楽しみのほうが大きかったです。

――ルヴォーさん自身は面接のときにどんなことをおっしゃっていたんですか?

矢崎:「今、どんな作品をやっているの?」という言葉を皮切りに、緊張している僕を解きほぐしてくれて(笑)「ワークショップ、一緒にやったよね。どうだった?」と聞かれたので「すごく緊張していたけど楽しかったです」「人を楽しませることが好きなんだと気が付いた」と話すと「楽しむことが大事なんだ」とおっしゃっていらっしゃいました。

――ご自身で近松作品を観たことはありますか?

矢崎:以前、歌舞伎のDVDか何かを観たときに、「曽根崎心中」が一緒に入っていた記憶があります…が、その時は別の作品が見たくて。近松そのものには「心中もの」というイメージが強いですね。

――この作品では、「一目惚れ」からの騒動が描かれていますが、矢崎さん、一目惚れはするほうですか?

矢崎:ありますね!「これは自分に必要だ!」って思って買う瞬間とか「これは運命だ」と思って猫を拾ってしまったり(笑)最近の話なんですけどね…って今回のいろいろな取材で俺、猫のことばかり語ってる!!(笑)

一目惚れはあると思うので、僕は信じているほうです。それが結果的によかったのかどうかはその後次第ですが。

――となると、ハル(深津)に言い寄ってくる男の気持ちもわからなくもない?

矢崎:そうですよね…フィーリングというものはあると思います。なぜか知らないけど緑色が好き、とか。別に俺が緑色が好きって言い聞かせたわけではないのになぜか好き。自分の中でバチッってハマる瞬間があるんだと思います。それが男女の関係だと余計にあるんだろうなあ。

矢崎広 ETERNAL CHIKAMATSU

矢崎広 ETERNAL CHIKAMATSU

――このお話、現代と江戸時代を行ったり来たりしながら進むようですが、矢崎さんが演じる役も現代だけでなく江戸時代にも出てきてくれたらいいですね。

矢崎:そのあたりもホン次第ですよね。そうなるなら嬉しいです。僕の役は果たしてどこまでいろいろな人に関わるのかって役どころですが、もし他の場面にも出ることになったら、みゆくん(入野自由)や、宮(菜穂子)さんとは何度もお仕事をご一緒しているので、芝居を作りやすいでしょうね。

…僕、深津さんのファンと言っていいくらい深津さんのお芝居が好きです。本当に共演できるのが嬉しいです。また七之助さんも憧れの人。自分の知らない世界を知っている方ですし、得るものがとてもある方なんじゃないかな。共演が本当に楽しみなんです。

――今年は幅広い作品に出演されてきた矢崎さん。ファンの方も相当なふり幅で舞台をご覧になっていたと思います。そんな方々に今回の作品をどうおすすめされますか?

矢崎:今やっている作品とはまた違う作品になります。現代劇をベースに進んでいくので「近松門左衛門って、難しい?」と思っている方でも入りやすい物語。「心中天網島」の話とか、近松の作品を知るいい機会になってます。面白い作品になると思いますよ。

このメンツでデヴィッド・ルヴォーの演出で、谷賢一さんのホンで…おもしろくないわけがないじゃないですか!?本当に何が出てくるかわからない。自分としても挑戦する作品です。このカンパニーの中に入れるということは本当に大きなことなので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。

矢崎広 ETERNAL CHIKAMATSU

矢崎広 ETERNAL CHIKAMATSU

 
衣装協力:SHELLAC(SHELLAC PRESS ROOM TEL 03-5724-5687
 
 
公演情報
舞台『ETERNAL CHIKAMATSU -近松門左衛門「心中天網島」より-』

■日時・会場:
2016/2/29(月)~2016/3/6(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

2016/3/10(木)~2016/3/27(日) Bunkamura シアターコクーン

■作:谷賢一
■演出:デヴィッド・ルヴォー
■出演:
深津絵里、中村七之助

伊藤歩
中島歩、入野自由、矢崎広、澤村國久、山岡弘征、朝山知彦、宮菜穂子、森川由樹
中嶋しゅう、音尾琢真 他

■公式サイト:http://www.umegei.com/schedule/514/

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