日本人ピアニストとして初、藤田真央がソニークラシカルとワールドワイド契約 2022年秋にモーツァルトのピアノ・ソナタ全集をリリース

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クラシック
2021.11.24
藤田真央

藤田真央

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ベルリンに本拠を置くソニークラシカルが、チャイコフスキー国際コンクールで第2位を受賞し、世界的に活躍する日本の若手ピアニスト、藤田真央との専属レコーディングのワールドワイド契約を締結したことを発表した。この契約により、藤田はソニークラシカルから数年にわたって複数のアルバムを世界に向けて発表する。 

藤田真央は1998年東京生まれの22歳。3歳でピアノを始めた。東京音楽大学在学中の2017年に、スイスのクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝、同時に「聴衆賞」「現代曲賞」「青年批評家賞」を受賞して、世界中の音楽関係者から注目を浴びた。また、2019年には、ショパン国際ピアノ・コンクール、エリザベート王妃国際音楽コンクールと並ぶクラシックの世界3大コンクールの一角、チャイコフスキー国際コンクールで第2位を受賞し、その特別な音楽の才能が審査員から熱狂的に支持され、日本でもテレビの報道番組等で大きな話題となった。また、2019年公開の映画『蜜蜂と遠雷』では登場人物のピアニスト 風間塵の演奏を担当した。

藤田真央(C)EIICHI IKEDA

藤田真央(C)EIICHI IKEDA

クラシックの名門レーベル、ソニークラシカルとの専属ワールドワイド契約を結んだ日本人ピアニストは藤田真央が初めて。同レーベルと専属ワールドワイド契約を結んだ日本人アーティストでは、過去に、ヴァイオリニストの五嶋みどり、また現在ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団第1コンサートマスターを務めるヴァイオリニスト 樫本大進らがいるが、藤田真央の契約は日本人演奏家としても樫本以来22年ぶりとなる快挙。今後藤田真央は、その多彩なレパートリーをアルバムという作品にして世界に向けて発表していくことになる。

その1弾となるのが、今年のヴェルビエ音楽祭(スイス)でも絶賛され、録音が待ち望まれていたモーツァルトのピアノ・ソナタ全集で、本年までにベルリンでレコーディングが完了し、2022年秋にワールドワイドでリリースされる。モーツァルトのピアノ・ソナタ全集を日本人ピアニストがワールドワイド契約でリリースするのは、内田光子以来2人目。モーツァルトのピアノ・ソナタは全部で18作。確かな演奏技術が必用なのは勿論、ピアノの音そのものの美しさ、音楽の様式美や想像力が極限まで要求される作品群であり、アルバムの世界デビュー作がモーツァルトのピアノ・ソナタ全集ということ自体が、藤田真央が卓越した演奏力をもち、若くして既に芸術家として極めて高い境地にあることを証明している。 

左:藤田真央 右:ソニークラシカル プレジデント ペア・ハウバー

左:藤田真央 右:ソニークラシカル プレジデント ペア・ハウバー

イギリスの『タイムズ』紙は、「藤田真央は、途方もなく幅広い音楽性、詩的なセンスのあるリズム感を兼ね備え、そして、音楽に、雄弁かつ内面的で、大胆なアーティキュレーションを施すことも厭わない音楽家だ」と評している。また、ソニークラシカルのプレジデント、ペア・ハウバーは、「藤田真央は素晴らしい才能に恵まれた演奏家であり、その類まれな音楽性によって、どんな聴き手をも一瞬にして魅了してしまう。真央とのレコーディングは非常に楽しみで、世界中と彼の演奏を分かち合いたい」と語っている。 

藤田真央は、ソニークラシカルとのワールドワイドのレコーディング契約について、「ソニークラシカルのチームと仕事ができるこの素晴らしいチャンスにわくわくしています。彼らと共にいくつものレコーディング・プロジェクトを実現するのが楽しみです」とコメントしている。 

関連情報

ソニークラシカル ワールドワイド・デビューアルバム 
藤田真央 モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集 
2022年秋発売予定 
 
藤田真央オフィシャル・サイト https://maofujita.com/ 
ジャパン・アーツ 藤田真央オフィシャル・サイト https://www.japanarts.co.jp/artist/maofujita/ 
 
【今後の国内公演予定】 
2021年 
12月11日 MAO trio サントリーホール ブルーローズ
12月15日 トッパンホール 藤田真央 ピアノ・トリオwith 辻彩奈(Vn.)& 佐藤晴真(Vc.)
12月16日 北九州国際音楽祭2021 藤田真央ピアノ・トリオwith 辻彩奈(Vn.)& 佐藤晴真(Vc.)
12月18日 第27回リクルートスカラシップコンサート 紀尾井ホール
12月19日 佐倉市民音楽ホール リサイタル
2022年 
1月8日 ミューザ川崎ホリデーアフタヌーンコンサート2021 リサイタル
1月9日 霧島国際音楽祭ニューイヤー・コンサート リサイタル
1月10日 霧島国際音楽祭ニューイヤー・コンサート 室内楽
1月12日 名曲リサイタル・サロン 東京芸術劇場
1月15日 ニューイヤー・コンサート2022「モーツァルト饗宴」フィリアホール
1月16日 住友生命いずみホール リサイタル
1月19日 東京オペラシティ リサイタル
1月22日 米原市民交流プラザ リサイタル
1月23日 鳥栖市民文化会館 リサイタル 
 
【藤田真央 プロフィール】 
2019年6月チャイコフスキー国際コンクールで第2位を受賞。審査員や聴衆から熱狂的に支持され、世界中に注目された。2017年には18歳で、第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール優勝。併せて「青年批評家賞」「聴衆賞」「現代曲賞」の特別賞を受賞。2016年には浜松国際ピアノアカデミーコンクールで第1位に輝くなど、国内外での受賞を重ねている。
 2019年10月に、ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団と共演しロンドン・デビュー。その時の演奏は、『タイムズ』紙で「藤田は素晴らしい表現力と趣味の良い感性を持っており、躍動的で雄弁な詩情と、深みのある解釈を持ちつつ、恐れを知らない大胆な表現ができる」と大絶賛された他、ミュンヘン、ニューヨーク、モスクワ、サンクトペテルブルグ、ソウルなどでもデビュー。
 2019年12月ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団日本公演で、急な代役としてチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番を演奏。この協奏曲を演奏するのは初めてであったにもかかわらず、瑞々しい音色、豊かな抒情性、類まれな音楽センスで、多くの聴衆を魅了。指揮者やオーケストラからも讃辞を受けた。
 これまでにヴェルビエ音楽祭(スイス)、ルール・ピアノ音楽祭(ドイツ)、ナントのラ・フォル・ジュルネ(フランス)、ツィナンダリ音楽祭(ジョージア)、ユールマラ音楽祭(ラトビア)などに参加。今夏のヴェルビエ音楽祭での《モーツァルト:ピアノ・ソナタ全曲演奏会(5回)》はmedici.tvを通じて世界中に放映され、大きな注目を集めた。またユールマラ音楽祭では、マリア・ジョアン・ピリスの代役として急遽クロージング・コンサートに出演し、ラトビア国立歌劇場の満員の聴衆からスタンディングオベーションで迎えられた。
 2021/2022シーズンは、ミュンヘンでゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィル、エルサレムでクリストフ・エッシェンバッハ指揮イスラエル・フィル、ロンドンでワシリー・ペトレンコ指揮ロイヤル・フィルなどと共演、国内でも大野和士指揮東京都交響楽団と共演するほか、3年5回にわたり行う《モーツァルト:ピアノ・ソナタ全曲演奏会》を日本各地で継続している。また2022年3月、ゲルギエフ指揮スカラ・フィルハーモニー管弦楽団との共演でミラノ・スカラ座にデビューする。
 1998年東京生まれ。東京音楽大学卒業。ロームミュージックファンデーション奨学生。江副記念リクルート財団第 49回奨学生。2020年、有望な若手に贈られる「第21回ホテルオークラ音楽賞」「第30回出光音楽賞」を受賞した。 (2021年10月現在) 
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