特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』アンバサダー・カズレーザーが語る、宝石の魅力とは

インタビュー
アート
2022.2.11
特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』アンバサダー・カズレーザー(メイプル超合金)

特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』アンバサダー・カズレーザー(メイプル超合金)

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特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』が、2022年2月19日(土)から6月19日(日)まで、国立科学博物館にて開催される。古代から現在に至るまで、眩い輝きで人々を惹きつけてやまない「宝石」。原石から加工後のジュエリー、馴染み深い石からレアストーンまで、さまざまな宝石を一堂に集めて展示し、科学的な切り口と文化的な切り口の両面から宝石の魅力を切り出すのが、この特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』だ。
本展のアンバサダーとして音声ガイドのナビゲーターを務めるのは、自身も “美しいものが大好き” だというメイプル超合金のカズレーザー。音声ガイド収録直後の彼に、展覧会の見どころや宝石の魅力について、オンライン上で話を聞いた。

特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』

特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』

科学的に楽しみ、感覚的にも興奮する

ーー音声ガイドの収録、お疲れ様でした。収録を終えた感想はいかがですか?

本当に、楽しくやらせていただきました! スムーズに収録できたのでホッとしてます。

ーー収録に際して、特に意識されたことはありますか?

えーと、我を出しすぎないように。なるべく監督の指示に従うということを心がけました。というのも、こういうときに工夫すると、「おっ、いいんですけどもう一回もらえますか?」となることが多いので(笑)。第1章では、宝石や鉱物ができる仕組みを説明するので、わりと学術的な解説とかがあるんです。だから、もしかしたらちょっと難しいというか、とっつきにくい部分もあるかもしれない。そういうところも、実際の展示物と音声ガイドを併せてだったら分かりやすいかと思うんで、理解を深める助けにしてほしいですね。

ーー本展は、第1章から第3章で宝石の成り立ちや特徴に迫り、第4章ではジュエリーの仕立てや技巧、第5章では華やかなジュエリーを展示すると聞きました。

原石の段階と、カッティングされてジュエリーになったものの違いが比べられるのがいいですよね。一度来ていただいて、「あ、この原石がこうやってきれいな宝石になるんだ」と知ったうえで、今度はジュエリーの状態を思い浮かべながら原石の展示を見に来るというように、何度でも楽しめる展覧会だと思います。

ーー貴重な鉱物や豪華なジュエリーが多数展示されるそうですが、カズレーザーさんご自身が気になっている展示作品を、ぜひ教えてください。

中盤でなんかでっかい指輪が出てくるんですけど……。まず、それが僕的にはイイなって思いますね。

パル・リング 15世紀 国立西洋美術館 橋本コレクション 撮影:中村淳

パル・リング 15世紀 国立西洋美術館 橋本コレクション 撮影:中村淳

ーーでっかい指輪(笑)! 会場で実感するのが楽しみです。

あ! あと、ルビーでできたヴァン クリーフ&アーペルの葡萄の葉の作品! アレはめっちゃくちゃ、かっこいいです。

葡萄の葉のクリップ 1951年 ヴァン クリーフ&アーペル所蔵

葡萄の葉のクリップ 1951年 ヴァン クリーフ&アーペル所蔵

自明であることの潔さ

ーーカズレーザーさんが思う、石や宝石の持つ魅力とは?

余計な説明が要らないところだと思います。なんかシンプルに、きれいだしかっこいいじゃないですか。言語や文化を超えて、同じ感情になるのはすごいなって思いますね。今の世の中って、「これはかっこいいです、なぜなら〜〜」とか、「これはキレイです、なぜなら〜〜」というように、説明をしてどれだけ人を納得させられるか、みたいなところがあると思うんです。説明しなきゃいけないし、説明したもん勝ちというか。だけど宝石には、そういうのが一切無いですよね。ものを言わないのに納得させる力があるのはやっぱりすごいなと思いますね。

ーーなるほど。

それから、鉱物とか宝石は、構造がはっきりわかるじゃないですか。同じ構造がどんどん大きくなってできたものであるとか、そういうところも面白いなと思いますね。

ーーご自身がお好きな宝石はありますか?

誕生石なのでやっぱりルビーが好きですね。と言っても、買う機会がなかなかないですし、手に入れる機会もないので、所有はしていないですけど(笑)。

美術館・博物館には「気になる」が溢れている

ーー美術館や博物館巡りがお好きだとお伺いしました。どんなところに興味をひかれるのでしょうか?

これはいわゆる普通の美術館・博物館の楽しみ方とは違うのかもしれないんですけど……。地方とかに行って、〇〇博物館とか〇〇記念館みたいな建物を見ると、たまに「なんでこれ作ったのかな?」とか、「本当に、この〇〇のこと伝えたくて建てたのかな?」っていう……。引っ掛かるというか、深読みしたくなるような建物とかがあるんですよ。「これを建てるのにはどんな理由があったのだろうか……」とか想像するだけでも、すごい面白いんです(笑)。

ーーなるほど、そういう視点もあるんですね(笑)。ちなみに本展の会場である国立科学博物館も、お気に入りの場所だとお聞きしました。

はい。これまで何度も足を運んでます。国立科学博物館に行くと、1日中ずっと見てまわっちゃいますよね。とにかく情報量がめちゃくちゃ多いので、時間を忘れていつまでも居られる場所です。

ーー最後に、読者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

宝石ってなかなか手に入れる機会がないと思うので、まずそれが見られるだけでも楽しいと思います。それに宝石には、美術の美しさとはまた違う美しさがあるというか。絵画や彫刻などは、作者の背景や歴史的な事情なんかが、美しさを理解したり価値を語るうえでは重要になってくると思うんです。でも宝石は、そういうことは関係なく「ただ、すごい」っていうのが直感的でわかりやすいものですよね。だからこの展覧会は、アートファンはもちろん、実はすごく美術初心者にも優しい企画なんじゃないかなと思います。みなさん、時間が許す限り何度でも、何度でも足を運んでください。家族、一族を引き連れて。

特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』は、2022年2月19日(土)から6月19日(日)まで、国立科学博物館にて開催。宝石について深く学び、その魅力の根源に迫る貴重な機会をお見逃しなく。


取材・文=小杉 美香

展覧会情報

特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』
会期:2022年2月19日(土)~6月19日(日)
会場:国立科学博物館 地球館地下1階 特別展示室
開館時間:9時~17時(入場は16時30分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日休館)※ただし3月28日、5月2日、6月13日は開館
入館料:2,000円(一般・大学生)、600円(小・中・高校生)
※未就学児は無料。
※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料。
※ご入場されるお客様はオンラインでの日時指定予約が必要です。
公式サイト: https://hoseki-ten.jp
お問い合わせ:ハローダイヤル050-5541-8600 FAX 03-5814-9898
※会期・開館時間・休館日は変更になる場合がございます。
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