わかぎゑふ&流山児祥からコメント到着、流山児★事務所『黒塚~一ッ家の闇~』好評上演中

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2022.5.18
流山児★事務所公演『黒塚~一ツ家の闇』より (撮影:横田敦史)

流山児★事務所公演『黒塚~一ツ家の闇』より (撮影:横田敦史)

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流山児★事務所公演『黒塚~一ツ家の闇』より (撮影:横田敦史)

流山児★事務所公演『黒塚~一ツ家の闇』より (撮影:横田敦史)


流山児祥の率いる演劇カンパニー、流山児★事務所による『黒塚~一ッ家の闇~』(脚本・演出・衣装:わかぎゑふ)が2022年5月13日(金)からスタート、22日(日)まで下北沢ザ・スズナリで上演中だ。本作で流山児★事務所と初タッグを組むわかぎゑふは、関西小劇場界を代表する劇団のひとつ、リリパットアーミーⅡを主宰する傍ら、劇作家・演出家・エッセイスト等として縦横無尽の活躍を続けている。

流山児★事務所公演『黒塚~一ツ家の闇』より (撮影:横田敦史)

流山児★事務所公演『黒塚~一ツ家の闇』より (撮影:横田敦史)

流山児★事務所公演『黒塚~一ツ家の闇』より (撮影:横田敦史)

流山児★事務所公演『黒塚~一ツ家の闇』より (撮影:横田敦史)

新作『黒塚~一ッ家の闇~』のベースとなるのは、『拾遺和歌集』で「みちのくの安達が原の黒塚に鬼こもれりといふはまことか」と詠われる鬼婆伝説だ。能では『黒塚』、歌舞伎・浄瑠璃では『奥州安達原』として有名な母子の因縁物。この、日本各地で古来より語り継がれる鬼婆伝説が新たな戦国時代劇となり、いまなお戦禍から脱することのできない現代の私たちに鋭く問いかける。

流山児★事務所公演『黒塚~一ツ家の闇』より (撮影:横田敦史)

流山児★事務所公演『黒塚~一ツ家の闇』より (撮影:横田敦史)

わかぎゑふ、そして、流山児祥から寄せられたコメントを、以下紹介する。

■わかぎゑふコメント

ごあいさつ 【鬼の気持ち】

「黒塚」は大好きな演目のひとつです。最初は歌舞伎、それから能を見てますますハマりました。高校生くらいの頃なので何十年も前のことですが。十代の私がまず思ったのは「鬼側の気持ちってどんなんやろ」という事でした。人として生きていた者が「鬼」と呼ばれるまでになる時、そこにどんな恨みや、悲しみが、渦巻いているのか。或いは純粋に無邪気ゆえの仕業なのか。

今回の脚本を書くにあたり、そんなことを考えつつ、ある日スベトラーナ・アレクシェービッチの「戦争は女の顔をしていない」を読みました。第二次世界大戦中のロシアでは100万人の女性兵士がいたこと。中でも私の目を引いたのは、ナチスに自分の子供を一人ずつ殺されて、最後に赤ん坊を出せと言われた母親が、自ら地面に叩きつけて殺したという壮絶なエピソードです。

戦争によって領土を争うこと。人の命が一番大切か、それより大切な守るものがあるのか? 何のためにそれを守るか? これを今回の本のベースに、鬼となった女の因縁の物語を書こうと思った次第です。ところが書いてひと月ほどしたら、ロシアがウクライナに侵攻したというニュースが飛び込んできて、本当に驚きました。人は歴史から何を学んだのでしょうか。今もボーッと考え中です。おそらく答えは出ませんが。

現実の世界で人が鬼になる時、誰が止められるのか? 私たちは物語の空間より怖い世界に生きているのかもしれません。

2022年 初夏 わかぎゑふ (脚本・演出)

流山児祥、わかぎゑふ

流山児祥、わかぎゑふ

■流山児祥コメント

ゑふさんとの付き合いは、リリパット・アーミー初代座長・中島らもさんとの交流からだから35年以上である。港々に〇〇ありの豪快な御父上の武勇伝を聞き、終戦直後の台湾モノでと事は進んでいましたが、このご時世。ひとつ風通しを良くするために怪談物で浄化しましょう、と転じ、そこはゑふさんの得意分野。ならば、能・歌舞伎の「鬼婆伝説」を下敷きにした『黒塚』を、と相成りました。そして稽古直前、2.24の侵略戦争勃発。『黒塚』の劇世界と、奇妙に符合する哀しい世界の《現実》に対し、わたしたちは宮沢賢治よろしく「ツマラナイカラヤメロ」と「非戦」を叫び、会話を希求するしかありません。叫び続けるしかないのではないでしょうか。これが私たちの演劇、ここが劇場です。茂山逸平氏の狂言指導、山村若静紀さんの所作指導、殺陣師高倉良文さんなどの新しい出会いを得て創りあげたゑふ+流山児の『黒塚』。役者・スタッフ一同、誠心誠意、相努めます。ご来場お待ちします。2022年5月 流山児祥

流山児★事務所 (撮影:横田敦史)

流山児★事務所 (撮影:横田敦史)

公演情報

流山児★事務所公演
『黒塚~一ツ家の闇』(くろづか ひとつやのやみ)

 
■会場:下北沢ザ・スズナリ
■日程:2022年5月13日(金)~5月22日(日)
※5月17日(火)14時、20日(金)14時は=アフタートーク有。トーク・ゲスト:17日14時は両川船遊(江戸糸あやつり人形 結城座)、わかぎゑふ、山村若静紀(日本舞踊家)、高倉良文(殺陣師)、流山児祥。20日14時は山像かおり(西瓜糖)、わかぎゑふ、流山児祥。

 
■出演:
塩野谷正幸 伊藤弘子 上田和弘 甲津拓平 小林七緒 里美和彦 平野直美 木暮拓矢
山下直哉 山丸莉菜 うえだひろし(リリパットアーミーⅡ) 流山児祥

 
■スタッフ:
脚本・演出・衣装:わかぎゑふ
音楽:諏訪 創
所作指導:山村若静紀
殺陣:高倉良文
美術:池田ともゆき
照明:松本大介
音響:島 猛
舞台監督:岩戸堅一
宣伝美術:東 學
芸術監督:流山児祥

 
取り扱い・問い合わせ
流山児★事務所 https://www.ryuzanji.com/
TEL 03-5272-1785(平日13:00~17:00)
E-MAIL mail@ryuzanji.com
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