味方良介、石田明(NON STYLE)らが出演 つかこうへい十三回忌追悼公演『つかこうへいLonely 13 Blues』公演決定
『つかこうへいLonely 13 Blues』
演出家・つかこうへいの命日にあたる7月10日、今年は十三回忌となるが、最後の追悼公演として『つかこうへいLonely 13 Blues』と銘打ち、紀伊國屋ホールにて『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』『初級革命講座 飛龍伝』の2作品が連続上演される。
『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』は、2020 年にコロナ対策における緊急事態宣言の影響により上演中止となった。直後に朗読劇へと変更されたが、今年は『蒲田行進曲』の完結編にして完全版の上演を目指す。また『初級革命講座、飛龍伝』は、90 年以降上演され続けている『飛龍伝』の原作にあたる。今回はその復刻上演とともにOB、OG 等によるトークショーを重ね合わせて開催する。
『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』の主演・銀ちゃんこと倉岡銀四郎には、紀伊國屋ホールの春の恒例公演『熱海殺人事件』では5年連続木村伝兵衛を演じ、近年はドラマでも活躍の幅を広げ注目される味方良介。
銀ちゃんのために命をかける大部屋俳優ヤスには、NON STYLE 石田明、ヒロイン小夏には、今春乃木坂46 を卒業、女優として今回の公演が卒業第一弾となる北野日奈子、また、銀ちゃんの最大のライバルであり、共に映画を支える歌舞伎界のプリンス、中村屋喜三郎に細貝 圭、銀四郎の出生の秘密のカギを握る義理の弟、ケンに、『PRODUCE 101 JAPAN』出身の元練
習生9 名により発足されたパフォーマンスユニット『円神』の中心メンバー、中本大賀、この映画を完成に導くため奔走する映画監督に久保田創、そして高橋龍輝 佐久本宝という実力派が顔をそろえた。
味方良介
石田明
北野日奈子
細貝 圭
中本太賀
久保田創
高橋龍輝
「新撰組」の撮影が進む東映京都撮影所。初の主演映画に意気込むスター俳優銀ちゃんが、子分の大部屋俳優ヤスに 自分の恋人小夏を押しつけることから物語は始まる。小夏は妊娠しているのだ……。ヤスは銀ちゃんに見せ場を作り、小夏のお産の費用を稼ぐために、 危険な「階段落ち」に挑戦する。しかし、ヤスが命をかけて生まれた娘のルリ子は、不治の病に冒されていた。そして小夏も、心の底からヤスを愛することはできなかった。銀ちゃんは、自分の貧しく卑しい生まれの血のせいでルリ子が病気になってしまったのではないかと苦悩する……。
そして、新たな「新撰組」の撮影が始まる。銀ちゃんは「俺の命と引き換えに娘の命を助けてくれないか」と祈る様な気持ちで一世一代の「函館五稜郭の石階段落ち」に挑む。果たして銀ちゃんの祈りは、娘の病に打ち勝てるのだろうか?
『初級革命講座、飛龍伝』では、機動隊員山崎に『新・熱海殺人事件』ラストスプリングで鮮烈な印象を残し、いまや、つかこうへい演劇の中心人物となった高橋龍輝、ヒロイン小夜子に幾多の候補の中から選ばれた期待の新人・佐々木ありさ、そして、元革命家の闘志、熊田に元北区つかこうへい劇団2期の重鎮・吉田智則そして、12期のエース久保田創が追悼公演の最後を飾る。
高橋龍輝
佐々木ありさ
吉田智則
久保田創
激動の70年、機動隊のジュラルミンの盾を打ち破った伝説の石「飛龍」の投げ手、元全学連の闘士・熊田留吉は、今は挫折し、国が作った挫折公団アパートに住んでいる。そして、石売り娘をする嫁が拾ってくる石を磨く毎日である。その熊田のもとに、今日もかつての敵、元機動隊の山崎監査員が訪れて来る。山崎は、熊田が今も革命の志を捨てず、国家権力に対する憎しみを鬱積しているのではないかと、何かにつけてカマをかけてみるのだが、熊田の生活ぶりからは革命どころか、挫折しざるを得なかった人間としての悲壮感さえも感じられない。「熊田、お前は優秀な活動家だった。忘れたとは言わさんぞ。佐世保での、波を包み込まんばかりのシュプレヒコールを。もう見られないなんて、俺たちは思いたくないからね。フロントの右端は、今でも、おまえのものなんだよ」山崎の叫びにも、今の熊田には虚しく響くだけである。熊田には、「飛龍」を継がせると決めた一人息子がいた。しかしその姿も、今はない。健気に支えていこうとする嫁がいるだけである。熊田が前線に復帰する日は、果たして来るのだろうか…。
公演情報
■日程:2022 年7 月8 日(金)~7 月18 日(月祝)