SPICE注目のOSKスター4名、最終回目前の連載企画に登場ーー『OSK Star Keisho』【特別編】でトップ楊琳と質問バトンも繋ぐ
実花もも(中央右)、壱弥ゆう(中央左)、朔矢しゅう(右)、唯城ありす
2022年に、創立100周年を迎えたOSK日本歌劇団。1月より桐生麻耶(きりゅうあさや)のインタビューから始まった連載企画『OSK Star Keisho』が早くも最終回となる第6回を迎える。その前に、初めて2月に同劇団の舞台を鑑賞してすっかり虜になったSPICE編集担当が『レビュー 春のおどり』で目を奪われた、スター4名による特別編をお届けしよう。登場するのは、これからの活躍が嘱望される実花(みはな)もも、壱弥(いちや)ゆう、朔矢(さくや)しゅう、そして唯城(ゆしろ)ありすの4人だ。OSKの100年のこと、男役トップスターとして劇団を束ねる楊琳(やんりん)のこと、7月より京都の南座にて始まる『OSK日本歌劇団創立100周年記念公演「レビュー in Kyoto」』のことなどをインタビュー。また、楊からそれぞれに向けた質問にも答えてもらった。各インタビューの最後に、それぞれが楊におねだりしたポーズでのツーショットとともに質問バトンを掲載しているのでお見逃しなく。
『OSK Star Keisho』
まずは大阪松竹座、新橋演舞場で行われた『OSK日本歌劇団創立100周年記念公演「レビュー 春のおどり」』の第二部「INFINITY」に出演。「花の馬車に乗って」で穂香(ほのか)めぐみとともにレビューガールAを演じ、ラインダンスのセンターで美声も披露した。さらに『レビュー in Kyoto』では蜜虫役を唯城ありすとダブルキャストを勤めるなど、躍動する実花ももからスタート!
実花もも「全てにおいて自分のベストを尽くしたい」
実花もも
――OSKの100年という時間を、どのように受け止めていらっしゃいますか?
私はちょうど90周年のときに初舞台を踏んだのですが、そのときに歴代のトップさんやOGの方がいらっしゃっていて、OSKの歴史を紡いでくださった方がこんなにもいらっしゃるんだと感動しました。こんな素晴らしい劇団に自分がいるんだ……という気持ちになって。95周年、100周年と、まさか自分がここまでいるとも思っていなかったのですが、こんな節目の年に在籍できることが本当に光栄です。
――では、男役トップスターの楊さんについてお聞きします。実花さんからご覧になって、楊さんはどんな先輩ですか?
私は桜花昇ぼる(おうかのぼる)さん、高世麻央(たかせまお)さん、桐生麻耶さん、楊さんと、男役トップスターさんの4つの時代を経験させていただいています。皆さんそれぞれOSKの守り方も違っていたように思いますが、その中で楊さんは学年も一番近く、ずっとお背中を見ていたので、トップさんになられたときは心から嬉しかったです。下級生の私達にもとてもフレンドリーにコミュニケーションを取ってくださって、いつも気取らず、自分自身に向き合って舞台に立っていらっしゃるお姿を見て、「こんなふうに頑張っていらっしゃるのだから、支えたい」と自然と思うようになりました。
――どう支えたいと思われますか?
私は学年が上がるにつれて場面のまとめ役になることも多く、今までたくさんのことを経験させていただきました。トップさんが輝くためにも周りがどれだけその場面を表現するか、お客様に伝えられるかが大切です。そのうえで自分が下級生をまとめて、良い場面にするということが「支える」ことになるのかなと思います。
――楊さんの背中を見てこられたとのことですが、トップになられた時に何かお話をされましたか?
楊さんがトップさんになられたときに一度、お話したことがありました。そのとき、「何事も覚悟」とおっしゃっていて。下級生の私にお話してくださったこともすごく嬉しかったですし、私には完璧なトップさんに見えても、ひとりの人間として戦っていらっしゃるとわかり、私も頑張らなくてはと思いました。
実花もも
――ほかにも先輩方からいただいた印象的なお言葉はありますか?
私は下級生のときから上級生の方にとてもよく面倒を見ていただきました。こう見えて不器用なので、それもわかったうえで皆さんが指導してくださったり、気にかけてくださったりしました。今でもそうなのですが、ここまで来ることができたのは上級生が引き上げてくださったからだと感じています。なのでたくさんありすぎて……。一緒になって悩んでくださったり、つらいことがあったら一緒に泣いてくださったり、笑ってくださったり、本当に温かい上級生ばかりです。ここまで私がやってこれたのは先輩方のおかげだと思っています。時には厳しいお言葉もいただきますが、それも全部自分のものになっています。
――入団からこれまで、ご自身のターニングポイントはありましたか?
入団して10年になりますが、ターニングポイントは学校生のときでした。私は学年のトップをさせていただいていたので、十何人をまとめなくてはいけなかったのです。実習で初めて舞台に出たときには、当時のトップさんの高世さんから数えきれないくらい、たくさんのことを教えていただきました。本音を言うと、しんどい時もあったのですが、そのしんどさを超えて舞台に立ったとき、大変な思いをするからこそお客様に観ていただき、喜びを感じられる。「これが舞台なんだ」と感じました。
「花の馬車に乗って」 (c)松竹
――100周年の『春のおどり』では、第二部の「INFINITY」で「花の馬車に乗って」という伝統ある楽曲を歌われました。
まず、95周年の節目の年にセンターをさせていただいてから、ラインダンスでの出演自体が5年ぶりでした。95周年のときは、「初めての、しかも歴史あるOSKのラインダンスのセンターを私が任せてもらってもいいのだろうか」と、責任感とともに、もう必死でした。そして今回、100周年で再びラインダンスをさせていただけると知り、5年ぶりで不安も大きかったのですが、お稽古をする中で、学校生時代にトップさんから教えていただいた言葉を今の下級生たちに言っていて。そのことに気づいたとき「これが歴史を紡ぐということなんだ」と実感しました。まだまだ力不足ですが、自分が持っているものをできるだけ下級生に渡したいですし、これからの100年も「やっぱりOSKはラインダンスだよね」と言っていただけるようになればいいなと思います。
――では、7月の南座での「INFINITY」の意気込みを教えてください。
南座では初舞台生も参加するので、さらに一致団結して、その時の「花の馬車に乗って」をお見せできたらいいなと思っています。「花の馬車に乗って」からのラインダンスはOSKの歴史を感じられる場面ですので、歴々のOGの方の思いも背負っているという気持ちで、もう一度、腹を括って向き合いたいと思います。
楊琳(左)と実花もも
●楊と実花の質問バトン●
――実花さんへ、楊さんからご質問をいただいております。楊さんからは「舞台に立つ上でのこだわりは?」とのご質問です。
まず、娘役としてはどんなときもキラキラと輝いていたいです。また、お客様はその時のOSKをご覧になっているので、ベストな状態を見ていただきたいといつも思っています。毎日、毎日、コンディションがいいというわけではなく、場面にたくさん出れば出るほどコントロールも難しくなると思いますが、全てにおいて自分のベストを尽くしたいと思います。
――最後に楊さんへのご質問をお願いします。
そうですね……それこそ楊さんが一番気にかけられていることが知りたいです。いつもどんな思いで舞台に立っていらっしゃるんだろうと純粋に気になります。
楊琳より
「お客様に何がなんでも楽しんでいただく!!」と決めて立ってます。そして、先生方、スタッフの皆様含めて「皆」で力を合わせて大切に作り上げた作品を「観て欲しい!」とも思ってます! あとは「集中!!!!!!!」です(笑)。
2ページ目には中性的な声が魅力の男役スター、壱弥ゆうが登場。
壱弥ゆう
●『OSK Star Keisho』
2022年に創立100周年を迎えるOSK日本歌劇団(以下、OSK)。大きな節目を記念した、スター達に質問の「バトン」を用意してもらい、次のスターへと繋ぐリレー形式のインタビュー連載企画。