曲目も公演数もパワーアップ! 二度目の『ピアノの森』ピアノコンサートに向け髙木竜馬にインタビュー「文字通り"熱い夏” を皆さんと」

2022.6.27
インタビュー
クラシック

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一色まこと原作の漫画『ピアノの森』。ショパン・コンクールに挑む若者たちの青春群像を描き出した感動の物語だ。その世界観と名シーンの数々がよみがえるリアルなピアノコンサートシリーズの第二弾が今年も、8月5日(金)から9月25日(日)にわたって全18会場(19公演)で開催される。実際のTVアニメ版で雨宮修平役のピアノ演奏を担当したピアニストの髙木竜馬が昨年に引き続き、その名シーンの数々をピアノ演奏とトークで振り返る。ツアーを前にして髙木本人に意気込みを聞いた。

イープラス presents 『ピアノの森』ピアノコンサート

――昨年の『ピアノの森』コンサートツアーを振り返っての思いを聞かせてください。

ツアーの醍醐味は長い期間で何度も何度も繰り返し同じプログラムで演奏を積み重ねてゆけることにあります。同じ曲目の演奏でも段々と感情が移入されてゆき、また新たな発見や気づきもあり、ツアー最初の演奏と最後の演奏ではまったく違うものになっていくこともあります。一つの作品が弾き込まれ、進化してゆく様を自分自身でも感じ、楽しむことができるのは大きな喜びです。

――テーマ性のあるコンサートということで、普段のコンサートより緊張はしませんでしたか?

やはり緊張はします。むしろ、『ピアノの森』というものを傷つけてはいけないという責任感のようなものも感じていました。ですが、どの会場に伺っても原作ファンの皆さんが数多く来場して下さっていて、行く先々で会場空間がアットホームな空気に包まれていたのは大変嬉しかったです。私自身も同じようにあたたかい気持ちで演奏することができました。

こちらとしても「皆さん、一生懸命聞いてください!」というよりも「一緒に『ピアノの森』の世界を楽しみましょう」というのがあって、「観衆の皆さんと一緒に『ピアノの森』を背景にした物語を進めていく」という特別な楽しみや空気感のようなものも感じられました。

2021年開催の様子(撮影=ジョニー寺坂)

――今回は二回目となりますが、新たに意気込みを聞かせてください

今回は昨年の演奏した数曲に加え、新たに演奏する曲が5曲続きます。ショパンの「華麗なる大円舞曲」からリストの「ラ・カンパネラ」までの連続する5曲です。後半で新曲ばかりが続く構成になったのは偶然なのですが、お恥ずかしいことに、本当に今まで一度もさらったことのない曲ばかりなんです。今回もこのプログラムで事前にレコーディングしたのですが……

――あ、今年も事前に演奏プログラムでレコーディングが行われたんですね。ではツアー中、会場でCDが販売されるわけですね。今回のレコーディングはいかがでしたか。

いや、新しい曲が多かったので結構大変でしたね。去年演奏した曲は長期にわたって弾きこんだ分、さらにいいものが取れたと思いますが、新しい5曲に関してはさすがに一筋縄ではいかないものを感じました。

――大曲ばかりで……特に「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」は、三作品分くらいの規模ですね。

そうなんです。「ラ・カンパネラ」なんて、今の時代、小学生でも完璧に弾きこなす子もいるので、なぜか僕の中で「すぐ弾けるよね~」と思っていたんです。そうしたら、メチャクチャ難しくて……(笑)。

「ワルツ」も「アンダンテ・スピアナート」も「プレリュード第24番」もエネルギーに満ちていますし、そこに「ラ・カンパネラ」と続くのでレコーディングは大変でしたが、演奏会は自分自身でもすごくエキサイティングなものになる予感がしています。

>(NEXT)新たなプログラム。構成の背景は?

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