二宮和也主演映画『TANG タング』の三木孝浩監督×劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』の演出 小山ゆうなが特別対談
タングは「何もできないから愛おしい」
映画版のタング(左)と舞台版のタング
――映画版と舞台版それぞれビジュアルから異なるタングが生まれましたが、工夫したポイントなどを教えて下さい。
三木:タングの大きさに悩みましたね。舞台版を見た時、客席ではちょうどいいサイズ感だったのですが、実際に近寄ってみると、リアルは結構デカいですよね。舞台版ではタングのサイズはどうやって決めたんですか?
小山:デザイナーさんがいくつかパターンを出してくれて、小道具さんがそれを簡単に切り抜いたものを作ってくれたので、実際の劇場で人と並べるという検証を何回かやりましたね。程よいサイズ感はどれぐらいなのか、そして実際どこまで見えるのか。目の動きがキャッチできるのかまで検証しました。
三木:なるほど、映画だとそこはクローズアップできるけども。
小山:映画のタングは、もっとずっと小さいですよね。
――目の表現や色など、雰囲気の違うタングが出来上がりましたよね。
三木:タングの感情をどこまで見せるのかも悩みました。こういうキャラクターって、能の面というか、観客が想像する楽しみもあるなと思って。人ならざるものなので、観客が「どう思っているんだろう?」とか「何をするんだろう?」とか想像する方が楽しいなと思っていたので、あんまり感情を出しすぎても……でも出さなさすぎても可愛くないし。だから、特に目の色の変化など、タングの感情が動いたときに、何がどう動くのかみたいな設定はすごく苦労しましたね。
小山:分かります。いろいろなアイディアがあったんですが、何をどこまで動かすかという調整は必須でしたね。
――映画版のとてとて歩く感じ、とても可愛かったです。
三木:そうですね。ふたりで並んで歩くシーンでも、どれぐらいのスピードで歩くのか考えました。最終的にタングの身長や歩き方のたどたどしさは、6、7歳ぐらいの男の子をイメージしました。
小山:舞台版では3歳か4歳ぐらい。大きさはその年齢の子どもよりも大きいんですけど、イメージとしては。
>(NEXT)それぞれにインスピレーションをうけたところは?