[Alexandros]川上洋平、イーサン・ホーク主演の以心電信サイコスリラー『ブラック・フォン』について語る【映画連載:ポップコーン、バター多めで PART2】

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2022.7.22
『ブラック・フォン』より

『ブラック・フォン』より

■観てみたら意外と面白かったっていう流れを自ら作る方がいい

――冒険を通しての子供の成長物語みたいな要素も強いですよね。
 
そうそう。あ、あと主人公の男の子がイケメンでしたね。
 
――そうですね。美少年でした。
 
『ベニスに死す』のあの子を彷彿とさせる。
 
――ああ、『ミッドサマー』の老人として話題になった。
 
そう。あの飛び降りちゃうおじいちゃん役の。あと、『ターミネーター2』のエドワード・ファーロングとか。
 
――そういう儚い雰囲気がありますよね。
 
ね。それと対照的に妹がちょっとおてんばで腕っぷしが強くて、兄を守る勇敢さがあって。
 
――果敢にいじめっ子と対決したりしますからね。
 
そう。でもお父さんには虐待されていたりするんだよな。
 
――そのお父さんは、奥さんが亡くなってしまった喪失感を紛らわせたくてアルコールに溺れてて。でも頑張って子供ふたりを育てようとしているという。
 
そこに共感しないわけではないんですけどね。ちょっとホラー映画の要素が薄れる瞬間でもあるかも。だから凄まじいまでの怖さを期待してた人は拍子抜けするかもしれないけど、僕はゆるくしか期待してなかった分、楽しめました(笑)。こういう映画って期待し過ぎしないほうがいい。「60~70点くらいかな?」って思って観てみたら意外と面白かったっていう流れを自ら作る方がいい。私ぐらいになると、予告を観れば大体そこのさじ加減がわかります(笑)。
 
――(笑)『ブラック・フォン』は予告では何点の予想だったんですか?
 
まさに60……70点いったらいいなくらいに思ってたんだけど、実際観たら全然超えてました。
 
――80点ぐらいとか?
 
80はいかない。ギリギリ80くらいかな。
 
――なるほど(笑)。
 
でもだから雰囲気づくりはすごく上手い。さすがブラムハウス。チープに感じるところもあったけど、全体のクオリティが低い作品ではないから、この連載でおすすめして、「川上、金返せ」って言われるレベルではないはずです。
 
――そうだと思います(笑)。
 
久々にちょっとピリッとする映画でした。美味しいうな重に付いてくる山椒みたいな。褒め言葉ですからね! 最良の暇つぶし映画だと思います。

『ブラック・フォン』より

『ブラック・フォン』より

■ぽつんと上映されてる映画が心に残ることが多い 

――イーサン・ホークっていうと、2020年のカワカミー賞のベストアクターを『ハイウェイの彼方に』で受賞しています。
 
『ハイウェイの彼方に』は日本では劇場では公開されずに配信だけなんだよな。カワカミー賞は、あまり人が賞賛しなさそうな映画を選びがちで(笑)。映画館でバーッて人が集まってる映画をかいくぐって、ぽつんと上映されてるような映画が僕は心に残ることも多くて。そういう戦い方をしてきた映画っていうところも素敵だなって思う。
 
――次回、8月22日公開回は2022年上半期カワカミ―賞ですので。
 
そうか! 僕は最近だと『X エックス』を観ましたね。
 
――あの映画、すごくないですか?(笑)。
 
結構痛快でした(笑)。痛快といえば、『炎のデス・ポリス』っていうタランティーノぽい映画あるじゃないですか。あれも楽しみですね。やっぱり、ああいうちょっと今の時代をかいくぐるような映画が好きなんですよね。

 

取材・文=小松香里

※本連載や取り上げている作品についての感想等を是非spice_info@eplus.co.jp へお送りください。川上洋平さん共々お待ちしています! 

上映情報

『ブラック・フォン』
製作:ジェイソン・ブラム/監督:スコット・デリクソン/原作:ジョー・ヒル「黒電話」/出演:イーサン・ホーク、メイソン・テムズ、マデリーン・マックグロウ
あらすじ:コロラド州デンバー北部のとある町では、子供の行方不明事件が頻発していた。気が小さく独り立ちできない少年フィニーは、ある日の学校の帰り道、マジシャンだという風船を持った男に出くわす。「マジックを見たいだろ?」の一言を発したかと思うと、フィニーは黒いバンに無理やり押し込まれ、気が付くと、地下室のような密室に閉じ込められていた。壁に囲まれたその部屋には鍵のかかった扉と鉄格子の窓、そして「断線している黒電話」があった。すると突如、断線しているはずの電話のベルが鳴り響く。フィニーは恐る恐るその受話器を取るが、それは死者からのメッセージだった。一方、行方不明のフィニーを探している妹のグウェンは兄の失踪に関する不思議な予知夢をみたというが──。
配給:東宝東和
大ヒット上映中
©2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

アーティストプロフィール

川上洋平(Yoohei Kawakami)
ロックバンド[Alexandros]のボーカル・ギター担当。ほぼすべての楽曲の作詞・作曲を手がける。毎年映画を約130本以上鑑賞している。「My Blueberry Morning」や「Sleepless in Brooklyn」と、曲タイトル等に映画愛がちりばめられているのはファンの間では有名な話。

リリース情報

[Alexandros] 8thアルバム『But wait. Cats?』
絶賛発売中
[Alexandros]『But wait. cats?』

[Alexandros]『But wait. cats?』

・通常盤
UPCH-2243 ¥3,000(+税) CD 収録曲全13曲予定

・初回限定DVD付盤
UPCH-7628 ¥6,000(+税) CD+DVD

 
・初回限定 Blu-ray 付盤
UPCH-7627 ¥7,000(+税) CD+Blu-ray
 
<共通収録内容>
DVD / Blu-ray 
「12/26 直前の年末パーティー」~1 部・2 部制~ 2021.12.18 Zepp Tokyo
「THIS SUMMER FESTIVAL 2022」2022.4.28 東京国際フォーラム ホール A 他
 
・完全生産限定盤
UPCH-7626 ¥12,500(+税) 2CD+2Blu-ray
 
<収録内容>
CD Disc2
Rare Tracks & Demo CD
 
Blu-ray Disc1
「12/26 直前の年末パーティー」~1 部・2 部制~ 2021.12.18 Zepp Tokyo
「THIS SUMMER FESTIVAL 2022」2022.4.28 東京国際フォーラム ホール A 
 
Blu-ray Disc2
「Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA」2021.12.25 他

ツアー情報

[Alexandros]アルバムリリースツアー
 
■日程 / 会場 / 時間
「But wait. Tour? 2022」
・7月16日(土) 北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
OPEN 17:30 / START 18:30
・7月18日(月祝) 北海道 北斗市総合文化センター かなで~る
OPEN 17:00 / START 18:00
・7月22日(金) 宮城県 仙台サンプラザホール
OPEN 17:30 / START 18:30
・7月24日(日) 岩手県 盛岡市民文化ホール 大ホール
OPEN 17:00 / START 18:00
・7月30日(土) 岡山県 倉敷市民会館
OPEN 17:00 / START 18:00
・8月8日(月) 京都府 ロームシアター京都 メインホール
OPEN 17:30 / START 18:30
・8月10日(水) 兵庫県 神戸国際会館こくさいホール
OPEN 17:30 / START 18:30
・8月12日(金) 熊本県 市民会館シアーズホーム夢ホール (熊本市民会館)
OPEN 17:30 / START 18:30
・8月14日(日) 広島県 広島文化学園HBGホール
OPEN 17:00 / START 18:00
・8月19日(金) 石川県 本多の森ホール
OPEN 17:30 / START 18:30
・8月21日(日) 新潟県 新潟テルサ
OPEN 17:00 / START 18:00
・8月30日(火) 神奈川県 相模女子大学グリーンホール (グリーンホール相模大野)
OPEN 17:30 / START 18:30
・8月31日(水) 神奈川県 相模女子大学グリーンホール (グリーンホール相模大野)
OPEN 17:30 / START 18:30
・9月7日(水) 静岡県 アクトシティ浜松 大ホール
OPEN 17:30 / START 18:30
・9月9日(金) 福岡県 福岡市民会館
OPEN 17:30 / START 18:30
・9月11日(日) 愛媛県 松山市総合コミュニティセンター
OPEN 17:00 / START 18:00
・9月17日(土) 沖縄県 沖縄コンベンションセンター劇場棟
OPEN 17:30 / START 18:30
 
「But wait. Arena? 2022 supported by Panasonic」
・10月15日(土) 愛知県 ポートメッセなごや 新第1展示館
OPEN 17:00 / START 18:00
・10月16日(日) 愛知県 ポートメッセなごや 新第1展示館
OPEN 16:00 / START 17:00
・11月16日(水) 大阪府 大阪城ホール
OPEN 17:30 / START 18:30
・11月17日(木) 大阪府 大阪城ホール
OPEN 17:30 / START 18:30
・12月7日(水) 東京都 国立代々木競技場第一体育館
OPEN 17:30 / START 18:30
・12月8日(木) 東京都 国立代々木競技場第一体育館
OPEN 17:30 / START 18:30
 
料金
全公演: ¥8,800(全席指定)
※未就学児童のご入場はできません / 小学生以上はが必要になります
※枚数制限: お1人様1会場につき2枚まで(申込者様+同行者様)エントリー可
※特定・電子のみ   
 
TOTAL INFO.
Livemasters Inc.
03-6379-4744(平日12:00~17:00)
 
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