spiが語る『シュレック・ザ・ミュージカル』~役への共感ポイントや作品の見どころとは?
シュレックは“世間に馴染めない人”の代表格
――改めて、シュレックとはどんなキャラクターだと思いますか?
世間一般とは美的感覚や好きなものが違う。例えばコンビニで気に入って買っていた食べ物、自販機で好きだった飲み物がそのうちなくなっちゃうみたいな小さな絶望は、ありがちだと思っているんです。シュレックはその究極で、自分が好きなもの・美しいと思うものが世間では汚いと言われていたり、嫌がられていたりする。そのせいで普通の社会とは別のところで住まないといけなくなる。良いと思うものが世間に受け入れてもらえない代表みたいなキャラクターなのかなと思います。
――人と違うことや多様性をすごく肯定している作品です。spiさんが考える自分と他者の違い、自分の強みはどこでしょう。
多様性が大事とか個性を持つべきという世の中だとは分かっていますが、僕は究極みんな一緒だと思っているんです。みんなバラバラでみんないいっていうのは、結局みんな一つだからというか。僕が持っているものを実はみんなも持っていて、ただそれが色濃く出ているかどうか。自分の強みは、単純に答えると歌声とか声かな。歌やスピーチ能力、声という楽器から特殊な音がするんじゃないかと思います。
――作中でシュレックがドンキーに「なりたいもの」を聞かれるシーンがありますが、spiさんがなりたいもの、役者としてのビジョンはありますか?
なりたい自分にはなれているので、そこの葛藤や歪みはあまりないですね。みんなに勇気や希望、笑顔を与えられる存在であり続けたいと思っています。もっと単純な答えだと、海賊とか屋台の焼きそば屋のおっちゃん(笑)。なんか格好良いから。でも花屋さんとかパティシエとかも良いな。
>(NEXT)大人にも子供にも響く作品だと思う