4年振りに浅草に帰ってくる「平成中村座」 『平成中村座十月大歌舞伎』本チラシ・ビジュアルが公開

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2022.9.7
『平成中村座十月大歌舞伎』

『平成中村座十月大歌舞伎』

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2022年10~11月、東京・浅草にて行われる「平成中村座」公演。この度、『平成中村座十月大歌舞伎』本チラシ・ビジュアルが公開された。

今回、コロナ禍を超えて、実に4年ぶりに浅草の地へ「平成中村座」が帰ってくる。また、本公演は、「猿若町発祥 180 年記念」として行われる。江戸時代、天保13(1842)年に浅草へ移転した中村座。天保の改革により、中村座を筆頭とする「江戸三座」は、浅草寺北側の聖天町に移されると、江戸歌舞伎の源流である初世猿若勘三郎にちなみ、町名を“猿若町”と改め、長年にわたり、浅草の土地は一大芝居町として繁栄を極めた。二代目より「中村」の姓を名乗った「勘三郎」は、代々中村座の座元として隆盛を誇ると、時を超えて――平成12(2000)年、十八世中村勘三郎により浅草の地に「平成中村座」が誕生。さながら“江戸の芝居小屋”にタイムトリップしたかのようなその魅惑の劇場空間は大評判となり、浅草から大阪、名古屋、さらには北九州・小倉まで日本各地で人気を誇り、日本を飛び出しては、ニューヨークやヨーロッパ各地でも「平成中村座」公演が行われ、世界中で人々を魅了してきた。

そして、4年ぶりとなる浅草での本公演は、二か月連続で行われる。古典の名作から、平成中村座初の新作歌舞伎となる宮藤官九郎作・演出の話題作『唐茄子屋~不思議国之若旦那』まで多彩なラインナップで上演される。

公開された『平成中村座 十月大歌舞伎』本チラシのビジュアルは、「江戸三座」が立ち並ぶ当時の“猿若町”の芝居町の賑わいが描かれた浮世絵が用いられ、過去から現在へと時空を超えて繋がる「中村座」の活気が描かれている。中村座は、画面左手前で、「平成中村座」でもおなじみ、中村屋の定紋である「角切銀杏」の染め抜かれた櫓が掲げられている。そもそも「江戸三座」とは、幕府から櫓を掲げることが許された特別な三つの芝居小屋(江戸歌舞伎の源流である初世猿若勘三郎を祖とする中村座を筆頭に、市村座、森田座の三座)のこと。明るい太陽が昇り、過去から未来へと続く期待感、高揚感が描かれ、まもなく始まる公演への期待が膨らむ。

『平成中村座 十月大歌舞伎』は、中村勘九郎、中村七之助、勘九郎の長男・勘太郎に次男・長三郎の中村屋が勢揃いし、中村獅童が出演。中村扇雀、坂東彌十郎、片岡亀蔵をはじめとした平成中村座おなじみの顔ぶれに、荒川良々が初出演。

第一部の幕開きは、『双蝶々曲輪日記』より「角力場」を上演。貫禄たっぷりの人気力士・濡髪長五郎と素人角力で名を上げた放駒長吉、対照的な二人の力士の義理と意地がぶつかり合う名場面だ。中村勘九郎の濡髪長五郎に対するのは、進境著しい中村虎之介の放駒長吉。初の顔合せとなる。

続いては、浅草花川戸に生きる江戸随一の俠客・幡随院長兵衛を描いた河竹黙阿弥の傑作『極付幡随長兵衛』。長兵衛と水野が対峙するスリリングな展開、長兵衛の覚悟とその生き様、女房お時と倅長松との別れが色濃く描かれる。中村獅童の幡随院長兵衛と、小川陽喜の倅長松という親子共演に、中村勘九郎の水野十郎左衛門、中村七之助の長兵衛女房お時の魅力的な配役が実現した。冒頭の劇中劇「公平法問諍(きんぴらほうもんあらそい)」の場面は、まるで江戸の芝居小屋にタイムスリップしたかのような臨場感が味わえる。

第二部には、35年ぶりの上演となる、有吉佐和子作の舞踊劇『綾の鼓』で開幕。恋い慕う華姫に翻弄される三郎次と、彼を見守る秋篠の人間模様がドラマチックに描き出される。父・坂田藤十郎も演じたゆかりの演目に挑む中村扇雀が秋篠、扇雀の長男・中村虎之介が三郎次、中村鶴松が華姫の配役。

そして、浅草を舞台にした落語「唐茄子屋政談」をモチーフに、宮藤官九郎が作・演出を手がける新作歌舞伎『唐茄子屋~不思議国之若旦那』がお披露目。吉原遊びが過ぎて勘当された若旦那の徳三郎は、吾妻橋から身を投げようとしたところ……。落語の小粋な人情噺に、なんと「不思議の国のアリス」の要素が散りばめられるという“かつてない人情喜劇”が誕生する。中村勘九郎が若旦那徳三郎を演じ、情に篤すぎる大工の熊を中村獅童、傾城桜坂と女房お仲の二役を中村七之助を配し、達磨町の八百八と吉原田んぼのあめんぼの二役に荒川良々、番頭小辰と吉原田んぼの蛙ゲゲコの二役に片岡亀蔵、大家源六に坂東彌十郎、そして、八百八女房よしと吉原田んぼの蛙ゲコミの二役に中村扇雀。さらには勘九郎の長男・中村勘太郎が若旦那(小)、次男・中村長三郎がお仲倅イチを勤める。

「猿若町発祥 180年記念」の公演初日は、180年前に猿若町にやってきた江戸・中村座の初日と同じ10月5日。中村勘九郎は「180年前と全く同じ10月5日、これはね、すごいご縁を感じますね!」とコメント。江戸の芝居小屋にタイムトリップするだけではなく、180年前とちょうど同じ日に開幕する「平成中村座」で、今しかない舞台を見逃さないでいこう。

公演情報

猿若町発祥180年記念
『平成中村座十月大歌舞伎』
 
日程:2022年10月5日(水)~27日(木) 【休演】11日(火)、20日(木)
会場:平成中村座
 
第一部 午前11時~
 
一、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
角力場
 
濡髪長五郎:中村勘九郎
放駒長吉:中村虎之介
山崎屋与五郎:坂東新悟
藤屋吾妻:中村七之助
 
河竹黙阿弥 作
二、極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)
「公平法問諍」
 
幡随院長兵衛:中村獅童
水野十郎左衛門:中村勘九郎
長兵衛女房お時:中村七之助
伊予守源頼義:坂東新悟
出尻清兵衛:中村虎之介
倅長松:小川陽喜
御台柏の前:中村鶴松
坂田公平/近藤登之助:片岡亀蔵
唐犬権兵衛:中村扇雀
 
第二部 午後3時45分~
 
有吉佐和子 作
一、綾の鼓(あやのつづみ)
 
秋篠:中村扇雀
華姫:中村鶴松
三郎次:中村虎之介
 
宮藤官九郎 作・演出
二、唐茄子屋(とうなすや)
不思議国之若旦那
 
若旦那徳三郎:中村勘九郎
大工の熊:中村獅童
傾城桜坂/お仲:中村七之助
第二太夫/源六倅源助:坂東新悟

眠 善治郎:中村虎之介
若旦那(小):中村勘太郎
お仲倅イチ:中村長三郎
海苔屋のおたね:中村鶴松
半公:澤村國矢
山崎屋おりき:中村歌女之丞
達磨町の八百八/吉原田んぼのあめんぼ:荒川良々
番頭小辰/吉原田んぼの蛙ゲゲコ:片岡亀蔵
大家源六:坂東彌十郎
八百八女房よし/吉原田んぼの蛙ゲコミ:中村扇雀
 
■主催:松竹株式会社/フジテレビジョン
■製 作:松竹株式会社

公演情報

猿若町発祥180年記念
『平成中村座十一月大歌舞伎』
 
日程:2022年11月3日(木・祝)~27日(日) 【休演】8日(火)、21日(月)
会場:平成中村座
 
:10月7日(金)発売予定
 
第一部 午前11時~
 
一、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
 
工藤祐経:中村 橋之助
曽我五郎:中村 福之助
曽我十郎:中村 歌之助
小林朝比奈:中村 虎之介
大磯の虎:坂東 新悟
鬼王新左衛門:中村 勘九郎
 
二、舞妓の花宴(しらびょうしのはなのえん)
白拍子和歌妙:中村七之助
 
 
河竹黙阿弥 作
新皿屋舗月雨暈
三、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)
 
魚屋宗五郎:中村 勘九郎
召使おなぎ:坂東 新悟
磯部主計之助:中村 橋之助
小奴三吉:中村 歌之助
菊茶屋娘おしげ:中村 鶴松
菊茶屋女房おみつ:中村 歌女之丞
父太兵衛:片岡 亀蔵
女房おはま:中村 扇雀
 
第二部 午後3時45分~
 
宮藤官九郎 作・演出
一、唐茄子屋(とうなすや)
不思議国之若旦那
 
若旦那徳三郎:中村勘九郎
傾城桜坂/お仲:中村七之助
第二太夫/源六倅源助:坂東新悟

大工の熊:中村橋之助
半公:中村福之助
眠 善治郎:中村虎之介
若旦那(小):中村勘太郎
お仲倅イチ:中村長三郎
海苔屋のおたね:中村鶴松
山崎屋おりき:中村歌女之丞
達磨町の八百八/吉原田んぼのあめんぼ:荒川良々
番頭小辰/吉原田んぼの蛙ゲゲコ:片岡亀蔵
大家源六:坂東彌十郎
八百八女房よし/吉原田んぼの蛙ゲコミ:中村扇雀
 
二、乗合船恵方萬歳(のりあいぶねえほうまんざい)
 
萬歳:中村扇雀
才造:中村勘九郎
白酒売:中村七之助
大工:中村橋之助
若旦那:中村虎之介
芸者:中村鶴松
角兵衛獅子:中村歌之助
角兵衛獅子:中村福之助
女船頭:坂東新悟
田舎侍:片岡亀蔵
通人:坂東彌十郎
 
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