大貫勇輔×三浦涼介 互いに信頼を寄せる二人が生み出すケンシロウとレイの関係性とは〜ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』インタビュー
――激しいアクションシーンが多いこの作品に臨むにあたって、体作りはどう取り組んでいますか?
三浦:僕は特別なことは何もせず、いつも通りです。むしろ稽古中や本番中って食べなくなっちゃうんですよ。午前中からお稽古があると気付いたら夜まで食べないこともあるので、なるべくそうならないように気を付けてはいますね。おうちに帰ったら夜ご飯はちゃんと食べるようにして、これ以上痩せないようにということは意識しています。筋トレとかは特にしていないですね。
大貫:レイはフライングのためにハーネスをつけている時間が長いから、きっとそれが大変だよね。
三浦:そうなんですよ。思った以上にハーネスが太いので動きを制限されちゃうんです。フライング自体は戦隊モノや映画で経験はあるんですけど、舞台のアクションでフライングをするってなかなかないですよね。スピード感ある芝居をしている流れの中でフライングするときに、どれだけスムーズにお客様の心が途切れないようにやれるかというところがポイントになると思います。
――大貫さんは、体作りで初演時との違いはありますか?
大貫:前回は脚がものすごくしんどかったんです。身体を重くし過ぎたなという反省があったので、トレーニングは加重ではなく自重のものに変えました。食事についても、前回は頭が回らなくなったり風邪を引いたりするのが怖くてしっかり食べていたんです。でも今は1日5食にしてちょっとずつ食べています。
三浦:1日5食……!? 叶姉妹さんくらい食べてますね。
大貫:(笑)。夜になったら炭水化物を抜いています。稽古が始まってから3kgくらい落としていて、できればもう2〜3kg落とせたらいいなという感じです。軽くなればなるほど脚が楽になって動きやすい実感があるので、このまま本番を迎えられたらなあと。
――今回の再演では、新たにケンシロウとレイの生き様を対比させるシーンも追加されたそうですが、どんなシーンに仕上がってきていますか?
大貫:物語の舞台が荒廃した世界なので、水というものがとてもありがたいものなんです。その貴重な水を人から奪って飲むレイと、人から乞うて感謝しながら飲むケンシロウ。同じ愛のために生きた二人だけれど、レイは復讐者となりケンシロウは違う生き方を選ぶ。そんな正反対のレイという人間から、ケンシロウはある一つの真実を告げられて覚醒するんです。ここのストーリーがしっかり描かれることによって、ケンシロウの覚醒やレイの生き様がはっきりして感情移入しやすくなったと思います。僕自身も演じやすくなりましたし、プラスに働いている部分がいっぱいありますね。
三浦:(前回)自分が観客として観たとき、正直なところ、展開が早過ぎて気持ちが追いついていかない部分がありました。原作のストーリーを限られた上演時間に詰め込まないといけないですから。その点が、初演から出演されている方たちも「すごくわかりやすくなった」とおっしゃっているので、大きくバージョンアップされているのだと思います。あとは、僕と大貫さんというプライベートの関係もある二人が芝居をするという強みもあると思うんです。そこは思う存分に使って、気持ちを繋げられるように芝居していきたいですね。
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