博多華丸インタビュー~タップと和太鼓に初挑戦した舞台『羽世保スウィングボーイズ』を明治座で上演
昨年コロナ禍の中で全公演やれたことが明治座に繋がっていく
――今作は作・演出がG2さんです。
G2さんにはこれまで何度もお世話になっていて、本当に心から信頼して胸に飛び込んでいっている感じですね。
――華丸さん演じる五代剛はどんな人物でしょうか。
造船所の溶接のおじさんです。わかりやすくいえば九州男児という感じですけど、武骨で非常に熱くて、ちょっと怒りっぽいけど心はピュアなおじさんって感じですかね。
――共演者の方々が非常にバラエティーに富んでいらっしゃいます。大空ゆうひさんは『めんたいぴりり~未来永劫編~』に続いての共演ですね。しかも今回はジャズを歌うシーンもあるということで非常に楽しみです。
やっぱり大空さんの歌うシーンは今作の見どころの一つですし、タップダンスのダンサーの皆さんとのセッションもありますから、正面から舞台を見たいなといつも思います。大空さんは『めんたいぴりり~未来永劫編~』のときの学校の先生の役とはまた雰囲気の違う役どころで、更に今回は大空さんの歌声がしっかり楽しんでいただける展開になってます。「さすが!」という感じなのでぜひ楽しみにしていただきたいですね。それと、吉本を代表する歌姫・椿鬼奴との対決も見どころですよ。大いに比較してください(笑)。鬼奴も頑張ってジャズを歌っています。
――斉藤優さん(パラシュート部隊)の存在はもはや華丸さんの出演舞台には欠かせない存在となっていますね。
全部の舞台作品に一緒に出てもらっているので、付き人みたいになってます。本当に欠かせない存在で、助かっています。花いちもんめだったら最初に「斉藤くんが欲しい!」って言って取りに行きますね(笑)。
――南沢奈央さんとは今作が初共演ということですが、どういった印象をお持ちになりましたか。
方言で苦労されていたと思いますよ。方言については、東京の役者の皆様には苦労をかけちゃってるなとは思います。でも結局のところ、オンもオフもトータルで一番楽しんでいたのは南沢さんだったような印象です(笑)。違うジャンルの職業の人たちとの交流とかもあって、一番満喫していらしたんじゃないですかね。
――ジャズミュージシャンや和太鼓奏者、タップダンサーと様々な方が出演されています。
そうですね、だから30人余りが出演していて役者さんが11人しか出ていないという、そういう舞台も珍しいと思います。
――昨年の公演のときに何か心に残っているエピソードはありますか。
千穐楽のカーテンコールで鬼奴が号泣したことですね。もう本番中から泣いてましたから。裏でスタンバイしていたら泣きながらはけてきたから何事かと思いましたよ。
――それは舞台が終わってしまうことに感極まって泣かれていたということでしょうか。
多分そうじゃないですかね。思いもひとしおみたいで、こらえきれなかったんでしょうね。まあでも、やっぱりコロナ禍での公演ということで、いろいろきつかったですからね。天津木村くんは袖からマスクしたまま舞台に出てしまったことがありました。「風邪をひいている」っていうアドリブを入れてみんなで隠し通……せたのかはわからないですけれども(笑)。新歌舞伎座では濃厚接触者が出てしまって代役を立てたりとか、いろいろありながらも無事に全公演やれたので、これが明治座に繋がるんじゃないかなと思います。
――昨年の公演は博多大吉さんはご覧になったのでしょうか。
来ていないです。やっぱりそれぞれの劇場の地元のお客さんがほとんどでしたね。
――明治座の公演には来ていただけそうでしょうか。
どうなんでしょうね? 本人次第ですからわからないですけど、「来ていただける」って言うほど偉くないですし、来ていただかなくても結構ですけど(笑)。
>(NEXT)見始めたら時間が経つのがあっという間のポップな舞台