Vaundy、フォントのモリサワとコラボ&書き下ろしの新曲「置き手紙」のMV公開 「今回のMVは文句なしに過去イチの密度」
Vaundy
Vaundyが、株式会社モリサワが展開するクラウド型のフォントサービス「Morisawa Fonts」とコラボレーションし、2022年11月28日(月)より、Vaundy公式YouTubeチャンネルにて新曲「置き手紙」のミュージックビデオを公開した。
本楽曲は、Vaundyが同コラボのために特別に書き下ろした楽曲。「魔法の言葉」をキーワードに、思いを伝えたい男女の様子が描かれている。あらゆるフォントが一覧できる「見本帳」を起点に物語が展開され、77種類ものフォントを使用した歌詞がMV を彩る。映像制作は、NHK朝ドラのオープニングや「らくがきAR」を手掛けるWhateverが担当。独創的な作風で知られる映像ディレクターの牧野惇を監督に迎え、”クラフトモーション”を使った演出で、フォントの魅力と疾走感あるメロディーを際立たせる。
そして、MVの公開を記念してVaundyに特別インタビューを実施。楽曲のこだわりや楽曲名に込めた思い、自身の「魔法の言葉」などについて語る。また、楽曲やMVに込められた思いや制作の裏側について語る、Vaundy、Whateverのクリエイティブディレクター・川村真司、MV監督の牧野惇、モリサワ担当者の4者によるスペシャル対談も実施している。
Vaundy 特別インタビュー
――オファーをもらった時の感想を教えてください。
(モリサワと)関われると思ってなかったんですよ、正直。いつもモリサワフォントを“使う側”だったので、今回は“使ってもらった側”に近いと思っていて。使っていたもの、使っていた会社とか企業と一緒に仕事ができるというのは、やっぱりワクワクしますよね。僕の友達も、知り合いでもデザイナーでも、モリサワと言ったら、「あ~あのモリサワ!?」みたいな反応になるので、そういう意味でも「俺、モリサワと仕事したんだ…!」という気持ちです。
――楽曲のこだわりポイントについて教えてください。
もともと「置き手紙」という曲を作っていて。ワンコーラスしかなかったので、今回のお話をもらって最終的に完成させたという感じです。なので最初のイメージとは全然違うものになってるんですよ。もちろんこのお話をいただいてから仕上げたので、「ん~このエンドだと普通過ぎてつまんないな」と思って、最初に考えていたエンドからは全く別のものに変えて、不老不死の二人の話になりました。もともとは、もっと平凡な二人の話で、二人がお互いに言葉にできない様子を思い描いていたのですが、それよりもうちょっと言葉で遊んでみたいなと。やっぱり絵本とか本とか、アンリアルを描くものに文字は必要だと思っていて、説明的になるというか。なので、(この楽曲は)メルヘンである必要があるなと。
(不老不死の設定になったのは)「不死の病」とかパンチラインになる言葉も必要だと思ったのもあります。意外とそういうものがモノづくりには大事だったりするので、ちょっと「ん?」ってなるけど読んでみたら「あぁ~なるほど」ってなるような、第一印象が“良い悪い”じゃなくて、第一印象が“強い”文字が必要だな、というところを意識して、歌詞の中にちょいちょい入れたりしました。
――楽曲名の「置き手紙」に込めた思いについて教えてください。
実は歌詞で、「綴り切れないよ」って言ってるんですよ。思いを置き手紙にしてるんだけど、結局呼吸するたびに君に伝えたいことがある、それほど伝えたい文字が多くて、置き手紙くらいじゃ収まらないわ、という気持ちを「綴り切れない呼吸の数だけ生えた思いが溢れ育ってた」という歌詞でD メロにあたる部分、サビの部分で歌っています。僕の中では、最後は文字がぐちゃぐちゃになって、「あぁ~もうやめてしまおう」と、「もう思いを伝えずにこのまま終わろう」って、文字にもせずに多分終わるんですよね、この二人は。そこが文字で書くことの儚さに繋がってくるかなと思って。「置き手紙」というタイトルは、そこまで意味があるわけではなくて、ツールでしかない。第一印象で「置き手紙の話なんだな」と思わせるためのタイトルという感じです。でも、ちゃんと歌詞を読んでみたら、「あれ、もしかしてこれ置き手紙結局いらなかったってオチじゃない?」みたいな。そう思わせるために多分、当初の僕はそれを書いたんだと思います(笑)。
――歌詞に「魔法の言葉」というフレーズが度々登場しますが、Vaundy さんにとっての「魔法の言葉」は何ですか?
大事にしていることは「バランス」ですかね。よく言う言葉ではあるけど、すべての事柄バランスで出来ていると思っています。自然はバランスを、調和を取ろうとするみたいな。なんかそういうものが僕の中にもあります。ただ、魔法の言葉というものはないかもしれない。言葉自体が魔法なんですよね。そもそもみんな言葉を使わずに生まれてきているわけじゃないですか、人間という生き物は。文字って、一番最初のデザインだと思ってるんです。学校とかでもよく文字デザインって究極のデザインだという話をしていて、英語でも日本語でもアラビア語でも、やっぱり文字デザインというのは、僕にとっては人類を繋ぐ、世界中に繋がる魔法だと思っているので、言葉自体が魔法なのかな、と思います。
――MVをご覧になる皆さんにメッセージをお願い致します。
監督の血と汗と涙の結晶をぜひご堪能ください。MVを見て、「あぁ~すごいかわいい~!」ということだけでなくちゃんと一秒ごとに注意深く見てみればみるほど発見がある、本当に見応えのある作品です。
Vaundy×MV監督×Whatever×モリサワによる対談インタビュー
――MVをご覧になった感想や、制作の裏話を教えてください。
牧野:MV の制作は、“大変”の言葉しかありませんでした。文字を1 文字をいくつかのパーツに切り分けてバラバラに撮影したので、文字部分の撮影だけで丸1日。自分で言い出したものの、実際やってみると修行のようでした。撮影日数は3日間で、文字を一遍ずつ動かす素材撮りなど、ブラックライトの下で永遠と文字の撮影を行っていました。
Vaundy:今回のMVは、一般的なビジュアルのエフェクトより密度が濃く、しかもコンポーズも素晴らしくて、これが1つにまとまっていることが本当にすごい。映像制作の経験が少しでもある人なら、このMV が全部撮影で作られていると聞けば、驚きしかないと思います。僕は、これまでの3年間でMVをいくつも出してきましたが、今回のMVは文句なしに過去イチの密度になってると思います。
――それぞれの場面でフォントの個性を生かしていただけたと思います。フォント選びの進め方や気を遣われた点などお話しいただけますか?
川村:Morisawa Fonts で提供しているすべてのフォントを確認させていただき、モリサワさんとデザイン・チームと監督でキャッチボールをしまくりました。どの歌詞をどのフォントでどのように表現するかや、どれくらいの頻度でフォントを切り替えればいいかといったことを想像しながらデザインの印象と歌詞が紐づきそうなフォントを選んでいきましたね。なるべく歌っている言葉の印象を強められるようにしたいよねと話しながらデザイナーたちと一緒に選定していきました。例えば、星空を見に行く場面のような、印象的で文字が少ないシーンには、インパクトがあり星空を感じるようなデザインのフォントを選んだりしています。
Vaundy:ブラックライトを使ったクラフトモーションのシーンで出てきたフォントが一番印象に残っています。あのフォントをこう動かすことができるんだ、という発見もありました。特に「会いに行くつもりは」の「会」の字がいいと感じました。「今日は」は、たぶんにじみ系のフォントですよね?普段から使っているお気に入りのフォントです。「何も」とかすごくいいな。「モアリア」っていうんですね。遊びがあるのに収まっているので、いろんなシーンで使えそうですね。
リリース情報
https://okitegami.morisawafonts.com/
https://okitegami.morisawafonts.com/interview/
本作「置き手紙」は、Morsawa Fonts とVaundy さんのコラボレーションから誕生しました。
フォントは、伝えたい言葉に込められた想いを強めたり、時には変えてしまうような魔法の力を持っています。
「置き手紙」という歌で繰り返される「魔法の言葉」を巡る物語を、そんなフォントの力を借りて映像化しました。
Vaundy さんのパワフルな歌声と、それを可視化した様々なフォントたちの、書体見本帳を舞台にした共演をお楽しみください。
文字やフォントを使うことの面白さを多くの人と共有したいという思いから企画しました。文字を読むとき、文字の形そのものに気を留めることは少ないかもしれません。しかし、声のトーンや大きさで印象が変わるように、文字のデザイン=「書体」が違えば雰囲気がガラリと変わります。書体は目で見る声なのです。コロナ禍を経て、面と向かうコミュニケーションから、メディアやデバイスを介してのコミュニケーションへの変化が加速してきました。伝えたいメッセージを一番伝えやすいフォントはどれか。フォントの選び方で印象を変えられる、そんなフォントの力を実感していただきたいという思いから、本企画の実現に至りました。
2022年10月に開始したモリサワの新たなクラウド型フォントサービスMorisawa Fontsは、あらゆる創作活動を支え、これからのフォント利用の基盤となることを目指して開発されました。本MVでは、デジタルサービスのプロモーションでありながら、「フォントの見本帳」を使ったアナログな演出や映像表現を随所に用い、多様な演出で楽曲、歌詞の世界観をフォントで表現しています。現役大学生でもある次世代を担うと注目されるマルチアーティストVaundyさんの楽曲に、実写・アートワーク・アニメーションの領域を自在に跨ぐ映像ディレクター牧野惇さん、その名の通りジャンルを超えた創作を得意とするWhateverに制作を担当いただきました。