心温まる物語を通して傷を癒す大切さを伝えたい 岡本圭人、森川葵、瀬戸さおり、高畑淳子による『4000マイルズ〜旅立ちの時〜』開幕へ

レポート
舞台
2022.12.12

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2011年にオフ・ブロードウェイで上演されたエイミー・ハーツォグ作のヒューマンドラマ『4000マイルズ〜旅立ちの時〜』が2022年12月12日(月)、日比谷・シアタークリエにて初日を迎える。2012年にオビー賞のベスト・ニュー・アメリカンプレイを受賞、2013年にピューリッツァー賞の最終候補にも選ばれ、その後世界各地で上演されてきた本作。日本初演に挑むのは、岡本圭人、森川葵、瀬戸さおり、高畑淳子。演出を上村聡史が手掛ける。初日に先駆けて行われた会見・フォトコールとゲネプロの様子をお届けしよう。

――まずは初日に向けて、今の思いを教えてください。

岡本:この物語で僕が演じる主人公・レオは傷を負っています。他のみんなもそれぞれ傷を負っているんですが、物語が進むにつれて癒されていく。この物語を通して、傷を癒す大切さがお客さまに届いたらいいなと思っています。素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんと一丸となって稽古して来たので、初日が楽しみです。

高畑:私は怖いです。ものすごく喋るから。ただ、この間戸田恵梨香さんがおっしゃっていた「芝居はドキュメンタリーだと思う」というのは名言だと思っていて。今回はそういうテイストがあってもいい劇。観ていても「なんのこっちゃ」なシーンがあるんです。でもそれでいい。どう芝居をするかを考えるより、孫と向き合うことだけを頑張ろうと思っています。ボケボケな役を演じているとセリフも飛んで、一回もまともにできたことがないんですけど(笑)、稽古を信じてありのままで頑張りたいです。

森川:演出の上村さんのもとで稽古を頑張ってきました。素敵なキャストの皆さんと積み重ねてきたものを、気負いすぎずにしっかりお見せできたらと思っています。

――フォトコールでは披露されませんでしたが、岡本さん演じるレオのガールフレンド役ですね。

岡本:僕らはけっこう言い争う会話が多いんです。稽古の後に森川さんがうめきながら「あんな彼氏嫌だ!」って。

森川:疲れるんですよね。私の気持ちではなく役の気持ちとして、稽古を進める度に目を合わせるのも嫌になっています(笑)。

瀬戸:稽古中からどんどん進化しているので、本番中もさらに進化していくだろうなと楽しみに思っています。私も客席で見ましたが、衣装やセットの力もあって高畑さんと岡本さんが本当のおばあちゃんと孫に見えて。新鮮で楽しかったです。

――ご本人たちとしてはいかがでしょう。

高畑:(岡本は)ものすごく頑張り屋さんです。ただ、最初の頃はハグされるとドキドキしてセリフが飛んでしまっていて、ようやく慣れてきたところ(笑)。ヴェラも旦那さんを亡くして何年も経っていますから、久しぶりに人の温もりに触れた反応としては正しいのかもしれませんけど(笑)。

岡本:僕自身は覚えていませんが、3歳の頃に高畑さんと会ったことがあるそうなんです。自分が覚えていない時から知ってくれている方ということで、安心感がありますし、本当のおばあちゃんのように接しています。

高畑:当時は本当に暴れん坊でした。人生イチ暴れていた時期らしいです。人は変わるんだなあと思いますね。

岡本:大きくなりました(笑)。

――高畑さんは91歳の役ですが、役作りのために何かされましたか?

高畑:内緒ですよ。実は薄いのを背中に入れているんです。稽古中は自分で猫背になっていたんですけど、本番は入れました。ただ、まだ折り合いがついていなくて。おばあさんごっこにならないように、精神的におばあさんになるのを目指しています。

――岡本さんは少し痩せたように感じます。

高畑:豆腐生活してたもんね。自転車を漕いでいたし、いろんなことがあった人なので。

岡本:そうですね。4000マイルを自転車で横断した役なので、ちょっと痩せたり朝にランニングしたりはしていました。

――最後に、ご来場くださる皆さんへのメッセージをお願いします。

岡本:心温まる物語であり、コミュニケーションの大切さを分かってもらえる舞台でもあります。レオは傷を負った役ですが、僕は傷っていうものを感じるよりも癒していく・修復していくことが大切だと思っていて。この物語は、レオがヴェラおばあちゃんやベック、アマンダと出会ってコミュニケーションを取ることで次の旅への道筋が見えていく。レオが少しずつ大人になっていく姿を表現した舞台になっています。たくさんのスタッフの皆さんとキャスト一丸となって稽古してきたので、一人でも多くの方に届けられるのを楽しみにしています。皆さんぜひ劇場へお越しください。

 
>(NET)フォトコール&ゲネプロレポート
 
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