神戸から継承していく、ライブハウスとロックンロール文化ーー開催直前『ロックンロールサーカス 2023』全ラインナップを主催者が紹介
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アームテックパブリシャーズの代表・南出 渉氏
2023年1月8日(日)に、神戸・VARIT.、チキンジョージ、Starting Overの3会場にて総勢22組が出演するサーキット型イベント『KOBE Goodies Collection -ロックンロールサーカス 2023-』が開催される。2019年1月の開催から数えて、今年で5回目の節目を迎える『ロックンロールサーカス』。同イベントの開催を目前に、イベントの発起で、神戸VARIT.などを手がけるアームテックパブリシャーズの代表・南出 渉氏にインタビュー。コロナ渦でも歩みを止めることなく開催を続けてきた想い、そして一筋縄ではいかない強者ぞろいのラインナップについて話を訊いた。
ーーまずは改めて、「ロックンロールサーカス」がスタートしたキッカケからお聞かせください。
そもそもは、神戸市がイギリスのリバプール市との交流を深めようと、行政と民間が一体となって盛り上がってイベントを開催していた時期があったんですね。リバプールといえば、僕も大好きなビートルズが生まれた街で、神戸も同じ港町ですから神戸にもロックンロールが根付いてほしいなとずっと思っていました。そういう経緯があって、なにかできないかなと思っていた時に、大好きで仲良くしてもらっているTHE NEATBEATSのManabeさん(MR.PAN/Vo.Gt)と話す機会があって。僕が「THE NEATBEATSの神輿担ぐんで、なにか一緒にやりませんか」と持ちかけたのが、「ロックンロールサーカス」の始まりです。今は離れていますが、当時はTHE TOMBOYSのマネージメントをしていたり、ロックンロールバンドと関わりが多かったこともあって、神戸でロックンロールバンドを集めたイベントができないかなと。
ーーTHE NEATBEATSを筆頭に、ここまで生粋のロックンロールバンドが集結しているイベントはなかなかないですよね。
THE NEATBEATSに、ザ 50回転ズ、KING BROTHERSといった、関西が生んだ「天然記念物級」のロックンロール・バンド。それから若手となると、ギターロック寄りのシーンが来たりするんですけども、忘れてモーテルズとかKiNGONSみたいな世代もいて、さらにTHE TOMBOYSみたいな若手も出てきたので、世代を超えてミックスしつつ、さらにもっと若手にもチャンスがあるようなイベントを目指していますね。
ーーラインナップは全て南出さんが決めているのですか?
そうですね。5年目にもなると、ありがたいことにお客様からもバンドからも「今年もやるんですか?」と聞かれるようになりまして。知ってもいただけるようになり、ブッキングではそこまで苦労しなくなりましたね。バンドも「ロックンロールサーカス」に合わせて、前後に京都や大阪での予定を入れてたり、関西に来てもらうひとつのキッカケにもなっているのかなと思いますね。
ーーせっかくなので、南出さんから1組ずつ出演バンドのご紹介をお願いいたします!
■THE NEATBEATS
【MV】SHAKE! TWIST! GRAVY! - THE NEATBEATS
もう18年ぐらいの付き合いになりますね。ちょうど2000年ぐらいの時に、騒音寺が京都のライブハウスの拾得でTHE NEATBEATSと対バンしているんですけど。たまたま実家に帰ったついでに、近くだから観に行ったら衝撃を受けて。ビートルズが好きで、そのデビュー前のドイツのハンブルグ時代を彷彿とさせる正当なロックロールがカッコよくて……。拾得の机の上に飛び乗ったり、当時の僕にとっては考えられないステージに圧倒されて大好きになりました。それから、当時は僕もバンドをやっていて対バンしたり。VARIT.で働き始めてブッキングする立場になってからも出てもらったり、Manabeさんも社長的なスタンスなので楽屋で「なんかおもろいことないかな」みたいな話をするようになって仲良くなりました。「ロックンロールサーカス」はTHE NEATBEATSがいてこそのイベントなので、もし「ちょっと出れない」と言われたら、開催できないなと思ってるぐらい、イベントにとっても欠かせない存在です。なので、彼らにはいつもチキンジョージのトリで出てもらっています。
■JOHNNY PANDORA
Johnny Pandora - Crying for the Moon
ここ最近知り合ったんですけど、THE NEATBEATSと一緒にスペインツアーを回ったりと、師弟関係のような感じなんですね。VARIT.でも昨年の11月にツーマンライブを開催したんですけど、お客さんもオシャレな人が多くて。オシャレして、本当にカッコいいロックンロールをする文化が、若い世代にも伝わってるんだなと感じさせてくれたバンドだったので、出てほしいなと声をかけました!
■THE TOMBOYS
THE TOMBOYS【MV】-RUN full ver-
出会った頃は高校2年生とかで、隠さずに言えば親心もあります。彼女たちが上京することになり、今はマネージメントは離れていますが、初年度からずっと出てもらっているのでこれからも応援していきたいバンドですね。ヨーロッパツアーに一緒に行った時の爆発力は衝撃的でした。これからも同世代の中で、ぶっ飛ばしていってほしいなと思っています!
■THE 雷楽
38度線を越えて/THE 雷楽 MUSIC VIDEO
大阪・堺のバンドで、THE PERRYの後輩バンドになります。イベントに参加したいバンドを募集した時に、応募してきてくれたガッツのあるバンドで。二十歳前後ですごく若いんですけど、 去年は全国ツアーも回ったりと精力的に活動していて、ウルフルズなんかを彷彿とさせる、いわゆる「大阪のロックンロールバンド」。12月にVARIT.でツアーファイナルシリーズのイベントをしたんですけど、全国を回ってライブの目線も変わっていて、めちゃくちゃカッコよくなってるので今年がすごく楽しみです。
■騒音寺
騒音寺『Long line』MV 映画 『かば』 主題歌
僕が10代の頃から、拾得でライブを観ていました。当時は、お酒を飲んで怖そうなおじさんに瓶投げられるんちゃうかとか、恐る恐る観に行っていた頃は殺気立ったバンドだったんですけど、2000年頃からはバンドブームもあり、THE NEATBEATSもそうですけどポップになって。今では普通に話せる人やと思えますけど、当時は怖くて。その京都のロックのどろっとした部分を、今もヒリヒリと感じるバンドでぜひとも毎年出てほしいなと。そしてぜひ神戸でぜひ体験してほしいバンドです。
■忘れてモーテルズ
【MV】忘れてモーテルズ / いっそこのまま殺してくれ
気づいたら、めちゃくちゃ仲良くなっちゃったんですよね。「ちょっと出してくださいよ!」と言われて、ライブを観てみたらめちゃくちゃ熱くて。トリオバンドという、僕が一番好きな形態で、歌がすごくいい。BIG CATでのワンマンをやったり、ファンが増え続けてる印象ですね。30代のバンドで、若手も出てきて、上にはTHE NEATBEATSもザ50回転ズもキングもいる、そこをどう超えていくのかを本気で考えていたりする。この年代に入って独特の輝きを放つ人たちっていると思うんですね。彼らの熱いライブを観てると、「うわ、なんかすごく応援したい」と思わせられるんですよ。
■イヌガヨ
イヌガヨ - スローモーション [MV]
モーテルズのBIGCATの打ち上げで、 イヌガヨのじゃっく(Vo.Gt)が来ていて。で、「あの新年のイベント面白そうですよね。なんで僕ら出てないんですかね」みたいな話になって、その場で「出る?」と話がまとまって去年に出ることになったという。なので、今年で2回目ですね。これまでなぜか接点がなくて、その時が初対面やったんですけど、ライブを観たらめっちゃカッコよくて。打ち上げで言われて、僕も「出てよ」と言って正解やったなと。
■ザ・サイクロンズ
【PV】I WANNA BE SUPERMAN /THE PSYCRONS
ベース&ボーカルのホーリーは同い年で、それこそ京都のバンドという感じ。グループ・サウンズといったアプローチのバンドは、15年前はたくさんいたんですけど今はあんまり目立たなくなってしまってるんですけど、彼らはほんとに最高なんです。ベースボーカル、そのベースのフレーズから何から何まで、めちゃくちゃ好きなバンドで毎年出てくれていますね。普段のVARIT.のブッキングにも出てほしいんですけど、なかなか機会が作れず年に1回だけになっていますけど、今年は絶対に出てほしいなと思っています。
■KiNGONS
KiNGONS / SPECIUM SOMMER【Official Video】
KING BROTHERS 、KiNGONS、忘れてモーテルズで『Rock 'n' Roll INVASION(ロックンロールの侵略)』というツアーに回ったりしていて。そこに、THE TOMBOYSも混ぜてもらったりしていたんですね。で、THE TOMBOYSはKiNGONSがめちゃくちゃ好きで、登場SEがKiNGONSということで僕も知って、めちゃくちゃカッコいいバンドやなと。「ロックンロールサーカス」を立ち上げてようやく出てもらえるようになり、関係性もできてVARIT.でワンマンもやってくれたり、より親密になってきました。
■メメタァ
メメタァ - ソリチュード【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
メメタァもTHE TOMBOYSキッカケで知ったバンドです。ベースのGGワカナがめちゃくちゃ好きで、東京まで遠征して観に行ったりしていたんですね。機材車でもよくかかるから聴いていたんですけど、これがめちゃくちゃよくて。歌詞が突き刺さりすぎて、運転しながら泣いちゃうぐらい。 歌物のバンドではあるけど、すごくロックンロールを感じるのでこのイベントには出てほしいなと。そういう話をしたら、メメタァも出たいと言ってくれて、相思相愛だなと思ってます。
■セックスマシーン‼︎
セックスマシーン!!「何にもない日々」MV
神戸のバンドといえばセクマシ。コロナ禍で彼らの持ち味でもある合唱ができなくなって、それでも自分達なりのスタイルでライブを続けていて。 彼らがこのコロナ渦でもどこやったら実現できるかと探していた時に、僕が京丹後につくった野外で音楽とキャンプを同時に楽しめるアウトドア施設「BEAT CAMP」で声出しOKライブをしたいと。もうそのために作ったような場所ですから、そこでお客さんと合掌している光景が感動的で。その日からセクマシがすごくカッコよく見えて、ライブもいっぱい誘ってる中で、「ロックンロールサーカス」にも初出場してもらうことに。
■THE PERRY
[MV] がらんどう / THE PERRY
ここ最近のバンドの中でも、特にカッコいいなと思うバンドですね。ザ・ローリング・ストーンズ的なけだるさも持ってるし、今どきなかなかそういうバンドは少ないから。毎年大トリは「これから期待しているよ」という想いを込めて選んでるんですけど、今年は彼らに大トリを任せました。去年の「ロックンロールサーカス」を観た時点で、もう決めてましたね。「来年も空けといてな。大トリやで」とメンバーには伝えて「やります。2022年、我武者羅にやって2023年出ます!」と約束してくれたので、最後はみんなでVARIT.に集合してTHE PERRYを見届けたいなと思っています。
■ムステインズ
ムステインズ / かあちゃんオレのバンドTシャツ着るなよ
まだ2年ぐらいの付き合いで、いまどんどんお客さんが増えてるバンドです。個人的には、Starting Overみたいな小さいところでぎゅっと詰め込んだライブか、大きい箱でやってもらうか悩んだんですけどね。メンバーにどっちがいいか聞いたら、「小さい方ですかね」と最初は言ってたんですけどすぐに訂正メールが来て、「やっぱりでかいとこですよね」と。それなら、チキンジョージでやってもらおうかなと、期待してタイムテーブルを組みました。
■ザ 50回転ズ
ザ50回転ズ-新世界ブルースMV(Digest Ver.〜Album「ザ50回転ズ」告知MOVIE)
去年はスケジュール合わなくてどうしても出てもらえずだったので、今年出てもらえてうれしいですね。なんといいますか、ザ 50回転ズはバンドの鏡やと思っています。リハーサルからピリピリした空気感があって、ビシッと動いている姿とか若い世代のバンドマンにも見てほしいなと思っていて。ライブはいうまでもなく完璧やし、THE NEATBEATSとの関係性も面白かったり。
■オータムス
オータムス/淀川
オータムスは、この2年ぐらいの付き合いなんですけど。ドラムボーカルで、どうやらVARIT.のことがめちゃくちゃ好きらしんです。これ、僕は直接はまだ1回も聞いたことないんですけど、周りからめっちゃ聞くんですよ。そういうのってちょっと嬉しかったりするじゃないですか(笑)。ライブはいつも熱くていいライブをするんですけど、まだお客さんもこれから増えていくところで。だけど、今回SNSでひと組ずつバンド紹介して発表していったら、見られた数が圧倒的に多くて! メンバーにも伝えたんですけど、思い切ってチキンジョージに出てもらうことにして、今年の活動に繋げていってほしいなと。今年、たくさんの人に観てほしいバンドのうちのひとつです。
■the Tiger
2022年、僕が一番衝撃を受けたバンドです。去年出会ったんですけど、歌がすごいんですよ。騒音寺のマネージャーさんに教えてもらって、ソウルフルな歌にギターもベースもカッコよくてドラムも的確で、すごいバンドやと思います。チキンジョージでもいいかなと思ったんですけど、最初ですしまずはStarting Overで。僕もバンドマンみんなに観に行ってくれと言ってるぐらい気になっていて、KING BROTHERSのケイゾウくんも「観たかったのにタイムテーブル被ってるんですけど」と言われたり。それぐらい、みんな噂を聞いて注目しているバンドです。
■The Dilong
The Dilong -野良犬-(music video)
ドラムの雄大がずっと神戸で。高校生の時からVARIT.に出てたこともあって、「ロックンロールサーカス」にも出てみようかと、最初はそんな感じでしたが、今年に入ってから皆んなの目の色が変わってきてるんですよね。THE BLUE HEARTの流れを汲んだバンドであることは間違いないと思うんです。僕らが中学校ぐらいにハマった、あのブルーハーツをどう昇華して今みせてくれるのか、気になるバンドですね。個人的には、もっと政治的な歌詞とか、背景に秘められた想いや反体制のようなメッセージを、ロックがロックな部分を彼らが歌えば、すごく説得力が出るような気がしています。
■The howlin’ dogs
The howlin' dogs - ハイウェイ・ナイト
彼らのレコーディング作品をプロデュースさせてもらったぐらい、抜群にカッコいいバンドですね。10代の頃から知っていますが、ライブの堂々とした姿と歌がすごくいい。まだ学業のこともあって全国ツアーに行けてなかったんですけど、「もっと行った方がいいで」とケツを叩いてるとこです。モーテルズとかとVARIT.でイベントをブッキングして、大トリを任せたりしているんですけどね。「しょうもないライブしてんな!」と言ったら、泣いてて、モーテルズがそれを見て慰めたり。でもThe howlin’ dogsには、悔しいからやってやる、みたいな負けん気がしっかりとあるんです。
■ザ・リラクシンズ
【MV】止まらない何か / ザ・リラクシンズ
上京したんですけど、西宮のバンドですね。マッチョになりすぎていない、ビートとリズムギターのロックンロールが珍しいなと。THE TOMBOYSと同世代で、一緒にライブすることも多かったからよく観てたんですけど、東京から久々に帰ってきてくれるので楽しみです。「このイベントには出たいな」と思ってくれるのは嬉しいですし、「これだけじゃなくて、もっと帰ってこいよ」と思っています。
■COWCITY CLUB BAND
COWCITY CLUB BAND「バンド」Music Video
ザ50回転ズのオープニングアクトとして、VARIT.に初めて出たのがキッカケで知ったバンドです。滋賀の田舎生まれなんですけど、まぁカッコいいんです。THE BAWDIESやgo!go!vanillasを輩出した「SEEZ RECORDS」からリリースして、より注目されていますね。田舎出身だからこそのフォーキーな感じがすごくいい感じです。
■SULLIVAN’s FUN CLUB
SULLIVAN's FUN CLUB - 失踪マンのテーマ(MV)
北海道のバンドで、今回で3回目の出演ですね。KiNGONSとかが北海道にいくとよく一緒にやっていて。今年は北海道の遠征費用とかも考えて、やめとこかなと思ってたら「なんで俺ら声かかってへんねやろ」みたいな、Twitterで絡みがありまして。マネージャーさんとも話して、「メンバーが行きたがってんすよ」と。今年は補助金も出ないしとか話しても、出たいというのでそれなら僕がなんとかしますと。出てもらえるのは最高なので、あとは僕が頑張らないとなと。
■KING BROTHERS
KING BROTHERS / 何も欲しくない [No Want]【PV】
西宮のKING BROTHERSには、出てもらわないと困りますよね。Starting Overのぎゅうぎゅうな感じで観たかったなと、タイムテーブルを発表してから思ったんですけど、やっぱり「ロックンロールサーカス」はチキンジョージでやってもらうのがいいなと。過去もキングは配信なしだったり、特に生で感じてほしいバンドです。
ーー全バンド振り返ってみても、関西を中心に全国からなかなか濃いメンツが集まっていますね。ちなみに、今年で5回目の開催となるからこそ、これまでとは少し違った想いもあったりしますか?
特にこれまでとは変わらないんですが、今年はTHE NEATBEATSが、東京の荻窪で新しく「TOP BEAT CLUB」というカフェとライブスペースとレコード・ショップが一体になった場所をつくるためにクラウドファンディングをしていて。数年前から始まったプロジェクトで、僕も手伝ってるんですけど無事目標金額を達成しました。「TOP BEAT CLUB」のように、関西ではVARIT.をロックンロール文化を若い世代に残していく場所にしたいと、そういう話をしていたりするんです。それはやっぱりコロナ渦で、ライブハウスという文化を作ってきた立場として、残していかないといけないなと強く思うようになったからだと思います。なので今年のイベントには、その想いはこれまでより強く乗っかっていると思いますね。
ーー「ロックンロールサーカス」がスタートした頃と違って、この3年の間に、コロナ渦でライブハウスに行けなかった人もいれば、学祭がなくなってバンドを組むキッカケがなくなったり、ライブに触れる機会が減りましたよね。だからこそ、改めてロックンロールを、ライブハウスを継承していかねばという想いが。
そうなんですよね。ライブハウスに限らず、フェスとかでライブを観て「こんな人たちになりたい!」と思う若い世代がごっそり3年間ぐらい減ったと思うと、そりゃなんとかせなと思いますよね。だから
ーー「ロックンロールサーカス」で初めてライブに触れる人もライブハウスデビューする人がいるかもしれないですね。
そういう人が増えるとうれしいですね。新しいバンドを発見してもらったり、そういうライブハウスならではの楽しみを復活させていきたいなと思っています。
ーーまた、開催5回目にもなりバンドから「出たい!」と手を挙がるエピソードも印象的でした。それだけイベントとしても認知されてきているんだなと。
そうですね。特に今年は、Twitterでも盛り上がってくれてて、お客さんが10代の子たちに「このバンドもいいよ!」とおすすめし合っていたり、一緒に盛り上げてくれている感じがうれしくて。それからDMでお客さんからブッキングのリクエストが届いたりもするんですね。あと休憩タイムをつくらないとなと思っていたところで、お客さんから今村モータースでベースを弾いてるかっきーのカレーがおいしいと教えてもらって。それでオファーして出店してもらうことになったり。これからは、主催者が全部決めていくんじゃなくて、バンドのメンバーもお客さんもみんなと一緒に決めてつくっていけたらいいなと思っています。全員の意見を聞くのは難しいけれど、そうやってみんなでイベントを作っていけたら、ライブイベントの形も変わっていくんじゃないかなと。
ーーだからこそ、メンバーも「来年も出たい」と連絡があったり、お客さん同士でもおすすめし合ったり、イベントを自分ごととして熱を持って参加されているのですね。
どんどんみんなが自分ごととして捉えてもらえたら嬉しいですね。今回はドリンク
ーーまさにサーカスじゃないですけど、いろいろな人が集まって作り上げるお祭りのようでもありますね。
本当に、サーカス小屋に行くようなワクワク感に似ていますよね。いろんな人が主役で、いろんな出し物が出て、観客のひとりひとりも主役で。与えられたお祭りじゃなくて、「みんなで作り上げてるんだ」と感じていただけるようなイベントを、今年は特に目指したので。これからも楽しいアイデアとか、カッコいいバンドとかぜひ教えてほしいなと思っています。
ーーそうしてみんなとつくりあげながら、規模が大きくなるのか。サーカスのように場所を移したりなど、可能性も広がっていきますね。
いつか、神戸のメリケンパークでやりたいなという夢もありますね。野外で本当にサーカステントを立ててみたり。そのためにも、これからもライブハウスの人間とバンドと、そしてお客さんも一緒に作って、どんどん熱を帯びて広がって、多くの人に知ってもらいたいですね。まずは「ロックンロールサーカス」というイベントで、何が起きているのかぜひ見届けてほしいと思います。
取材・文・撮影=SPICE編集部(大西健斗)
イベント情報
-ロックンロールサーカス 2023-』
日程:2023年1月8日(日)
会場:VARIT./チキンジョージ/Starting Over
※info@varit.jpにて事前予約してください。途中で予約受付を締め切ることがあります。ご了承ください。