「俺の音楽」から「俺たちの音楽」へ  全国6都市をめぐるツアーを開催のサックス奏者、千野哲太インタビュー

インタビュー
クラシック
2023.2.6
ホールツアー2023『サクソフォーンと俺たちの音楽』

ホールツアー2023『サクソフォーンと俺たちの音楽』

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サックス奏者の千野哲太が2023年2月20日(月)、福岡県・黒崎ひびしんホール 中ホールを皮切りに、ホールツアー2023『サクソフォーンと俺たちの音楽』を行う。オフィシャルインタビューが届いたので紹介する。
 

ーー千野さんは今年デビュー7年目を迎えますが、昨年はどのような年でしたか?

昨年は、リサイタルの中では、特に杉並公会堂大ホールで開催されたリサイタル(2022年8月26日開催)に向けて、YouTubeやSNSでの活動も活発化させてきました。
またこのリサイタルに向けて、「作品作り」に精を出して取り組み、クラシックの名曲からオリジナル作品まで、CDを6枚リリースしました。
昨年は私の作品を知らない方に「こんな作品があるんだ!」ということを知っていただきたいと思っていた1年でした。

ーー今年(2023年)1年間はどんな1年間にしたいですか?

昨年は、自分の作品を多く制作しましたが、今年はその作品たちをどうやって多くのお客様に聴いていただくのか、という観点からも活動をしたいと思っています。
そして今年は、千野哲太が「どんな音楽家なのか」ということを知ってもらえる、そんな年にしていきたいと思っています。
普段私は、どんな音楽・作品を作りたいのかを見直し、どうやってより多くのお客様に聴いていただくのかということを常に考えています。例えば、音楽には「どんな作品か」という視点もありますが、「どんな演奏スタイルか」、「どんなパフォーマンスをするか」ということもしっかり考えて音楽を奏でるように心がけています。
千野哲太の音楽を聴いていただいたお客様が、抽象的に「音楽っていいな」という感想を持つだけでなく、具体的にどういう音楽が好きなのか、を見つけられるような、そんな音楽家になりたいと強く思っています。

千野哲太

千野哲太

ーーそんな千野さんの今年最初のツアーはどのようなツアーでしょうか?

今回のツアーのテーマは「俺たちの音楽」です。
昨年までが、自分が作れる音楽を見せるための「俺の音楽」を演奏するリサイタルだったとすると、今回のツアーは「俺たちの音楽」を創るツアーだと思っています。

今回のツアーでは6都市を巡りますが、演奏するほとんどが新曲のオリジナル作品です。
いつも私のサックスを聴いてもらっている方から、SNSでテーマを募集して作ったものです。1曲1曲にストーリーがあって、そのテーマには「風景」だったり、「物語」だったり、「さまざまな気持ち」だったり、様々なものがバックグラウンドにあります。

音楽はそのものだけで出来上がるのではなく、取り巻くものがあって、それが「たち」に込められていて、それが音楽の魅力だと思っています。音を聴くだけではなく、音楽を通して、色々な場所・時間・出会いをもとに、信頼できる仲間たちと、そして、聴いてくださるお客様と一緒に音楽を「創る」。そうやってできあがるものが、「俺たち」の音楽なのです。

作品を作るのはアーティストの仕事ですが、アーティストを作るのは目の前のお客様でもあると思っています。今回のツアーでは、この日を逃すと二度とできない音楽を、さまざまな場所でさまざまなお客様と一緒に作り上げていきたい、と思っています。

ーーツアーで披露される新曲の中身を少しだけ教えてくださいますか?

聴いている人に「考える時間」を提供できる曲だと思っています。普通のコンサートでは、演奏をただ聴いて感じることがメインになっていると思いますが、今回の新曲では、音楽に集中するだけではない要素を用意しています。
1曲、「幸せの落とし物」という曲があります。旦那さんが亡くなった方からいただいたテーマなのですが、その方は、旦那さんと一緒に行った場所、匂い、天気、空気、そんな全てを思い出すと幸せなのだそうです。幸せに100の要素があるなら、旦那さんがお亡くなりになったことで不幸な要素が1増えてしまう。でも、それも一歩引いて見たときに、99幸せな思いがあると思っていて。一個ずつ振り返ってみられる、そんな思い出を持っていること自体が幸せなんだ、という瞬間を、音楽を通して作っていければと思っています。今回の曲では、音楽を聴いてくださる皆様の中にある「想い」と一緒に音楽を作ってきたいです。

千野哲太

千野哲太

ーー3月12日はファイナル公演となっていますが、こちらはどんな公演になりますか?

まずこの公演では、公演特別編成のオーケストラが入り、特別な内容をお聞きいただけます。
それも勿論なのですが、それに加えて、私は生まれも育ちも神奈川なので、東京ではなく25年間を過ごしてきた「神奈川」でファイナルを迎えることがとても嬉しく、かつ特別な気持ちがファイナルにはあります。
千野哲太という音楽家が育った地で、千野哲太の特別な音楽が聴いてもらえると思います(笑)。

ーー最後に一言

作品の内容やバックグラウンドはプログラムに書きますので、そちらをみていただければ大丈夫です。なので、まずはサックスのいろんな音に耳を澄ませて欲しいです。
同じコンサートは2度とないから、私にとっても皆さんにとっても毎回がチャンス。その一つひとつを大切に、皆さんと一緒にかけがえのない時間を作っていけたら嬉しいです。

公演情報

ホールツアー2023『サクソフォーンと俺たちの音楽』
 
出演:
千野哲太(サクソフォーン)
 
松田龍(ピアノ)
ジュン ヨシハラ(Bass)、ちゃんだい(Guitar)(宮城・特別公演のみ)
 
曲目・演目:
全て千野哲太オリジナル作品、旅する音が目に見える様な曲たち 
(詳しくはYouTubeやSNSにて随時発表)
※予告なく曲目は変更となる場合がございます。

■福岡公演
日程:2023年2月20日(月)
会場:黒崎ひびしんホール 中ホール
 
■大阪公演
日程:2023年2月21日(火)
会場:東大阪市文化創造館ジャトーハーモニー小ホール 
 
■名古屋公演
日程:2023年2月22日(水)
会場:電気文化会館 ザ コンサートホール
 
■山形公演
日程:2023年2月24日(金)
会場:酒田市民会館(希望ホール)小ホール
 
■宮城・特別公演
日程:2023年3月5日(日)
会場:拓 ヒラケル コミュニティホール 
 
■神奈川公演・ファイナル
日程:2023年3月12日(日)
会場:神奈川県立音楽堂 
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