そのライブは流れ星がもたらした一夜の夢……『BanG Dream! 11th☆LIVE』 DAY2 : Roselia×Morfonica「星空の夜想曲」レポート
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2023.02.05(Sun)『BanG Dream! 11th☆LIVE』 DAY2「星空の夜想曲」@有明アリーナ
※本ライブレポートは後日ライブフォトが更新されます。こちらもお楽しみに。
新型コロナ禍に伴うイベント規制が1月末に緩和され、多くのファンが待ち望んでいた声出し声援が感染対策を講じた上で解禁。その幕開けを飾るように2月4日~5日に東京・有明アリーナで開催された「BanG Dream! 11th☆LIVE」は、ファンの熱い声援が会場内に響き渡り、コロナ禍前の賑わいが甦ったような盛り上がりを見せた。二日間に渡って開催された同ライブから、RoseliaとMorfonicaという独自の世界観でファンを魅了する二大バンドが「一夜の夢」をモチーフに競演したDAY2の様子をレポートしよう。
■夜空を駆ける流れ星からのプレゼント…それはRoseliaとMorfonicaが並び立つステージ
多くのライブファンが待ち望んでいた、アーティストへの声援を「自分の声」で送れる日々が戻ってきた。そんな絶妙のタイミングで開催された「BanG Dream! 11th☆LIVE」の会場内は、3年ぶりの声出しライブを思いきり楽しもうというファンの熱気が充満していた。
そんなアリーナのステージに、『BanG Dream!(バンドリ!)』から誕生した新たなガールズバンド・MyGO!!!!!が登場すると、早くも大きな声援が会場を揺るがすように沸き上がる。
彼女達をイメージしたブルーのコンサートライトで場内が輝く中、最新シングルに収録予定の「影色舞」を皮切りに、「名無声」「迷星叫」の三曲を感情で叫んでいるようなボーカルと演奏で披露。DAY1でもオープニングアクトを務めたことから「昨日よりも大きな反応ありがとうございます」と声援に応えながら、見事にステージをやりきって場内の熱量をさらに上げてみせた。
開演時間が近づくにつれて、場内には自然と手拍子が鳴り響くなど、ライブのスタートに向けての期待が高まっていく。そしてスクリーンには、Roseliaの熱い演奏とパフォーマンス、Morfonicaのバイオリンの旋律を軸にした華麗で激しいステージを描いたアニメPVが流れ、場内はすでに本番が始まったかのように盛り上がる。そしていよいよライブの幕が上がった。
fly with the night ~ BLACK SHOUT (Morfonica ~ Roselia×Morfonica)
Morfonoca 八潮瑠唯役・Ayasaによるバイオリンの独奏を皮切りに、ステージにはライブのキービジュアルを再現した衣装をまとったMorfonicaの5人が登場。オープニングを飾るのは、彼女達の繋がる思いを切なく歌い上げた「fly with the night」だ。スクリーンにMorfonicaを象徴する蒼い蝶が月夜を舞う姿が映し出される中、華麗で力強いパフォーマンスと共に曲を終えると、突然の雷光と共にステージが闇に包まれた。
そして暗闇の中からRoselia5人の歌声が響き渡り、光が再びステージを照らし出すと、そこにはMorfonicaと同じくキービジュアル衣装をまとったRoseliaが並び立ち、総勢10名がステージに勢ぞろい。歌で自分の道を切り開く力強い思いを唄った「BLACK SHOUT」を共に唄い上げるスペシャルセッションに、極彩色のコンサートライトの輝きに包まれた場内も大きなコールと共に盛り上がった。
曲を終えるとスクリーンには星空が映し出され、RoseliaとMorfonicaの面々によるサウンドストーリーが始まった。夜空を駆ける流れ星に願ったのは「これからも仲間と唄いたい」という思い。それに流れ星が応えてくれたのか、彼女達はその夜、何処かもわからない場所で一夜だけの奇跡のようなライブを繰り広げることになる……それをリアルで描くのが、今回のライブ「星空の夜想曲」なのだ。
金色へのプレリュード
One step at a time
群青 (with 湊友希那)
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ステージにはMorfonicaが登場して、夢のライブが再び始まる。彼女達がバンドを結成する時に感じたトキメキを唄った「金色へのプレリュード」から始まり、新たな世界へ進む希望が込められた「One step at a time」とMorfonicaの歩みを感じさせるナンバーが続き、場内のファンもメロディに合わせたクラップで盛り上がる。
そして幻想的なイントロと共に始まったのは、今年のお正月にスマートフォン向けゲーム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」に追加されて話題となった、YOASOBIのナンバーをカバーした「群青」。夜明けの渋谷の街を染める青色の世界に思いを馳せた名曲を、ゲームと同様に
Morfonica 倉田ましろ役・進藤あまねとRoselia湊 友希那役・相羽あいなのツインボーカルで披露。二人はステージ中央で向かい合い、さらに左右に分かれて場内のファンに語りかけるように唄いながらハーモニーを重ねて、情感あふれるボーカルでファンの心を魅了してみせた。
再び幕間のサウンドストーリーが始まり、流れ星に導かれるように不思議なステージに辿り着いた面々が、それぞれのバンドや歌う事への思いを語り合う。そして続くライブステージはRoseliaの舞台へと変わっていく。
FIRE BIRD
Re:birth day
THE HISTORIC... (with 桐ヶ谷透子)
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「羽撃こう…頂点の夢へと」
友希那からファンへの力のこもったメッセージに、ファンが自分の声をあげての大声援で応える……そんな久々の熱気と共に始まったRoseliaのステージは、場内が炎に包まれたようなオレンジの光に包まれて始まった定番ナンバー「FIRE BIRD」に、もがきながらも未来へと進む決意を唄った「Re:birth day」、そしてさらなる高みを目指す思いが込められた「THE HISTORIC...」では、Morfonica桐ヶ谷透子役・直田姫奈が加わり、ストーリー内ではギターの手ほどきを受けたことがあるRoselia 氷川紗夜役・工藤晴香とギターセッションを繰り広げて場内を盛り上げた。
「群青」でのMorfonica&友希那や「THE HISTORIC...」でのRoselia&透子など、これまでの合同ライブとは違うスタイルが用いられていたのが BanG Dream! 11th☆LIVEの注目ポイントだ。ストーリーに合わせて何曲かごとにバンドが入れ替わったり、アニメやゲームなどで描かれたキャラクター同士の関係性に合わせたメンバーが参加するコラボレーションなど、ファンの心をくすぐる試みに、場内はその都度喜びの声援に包まれていった。
Nameless Story
Nevereverland
Daylight -デイライト- (with 白金燐子)
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前曲を受けての透子と紗夜の掛け合いがメインのサウンドストーリーを経て、ステージは再びMorfonicaのターンへ。
瑠唯のバイオリンと透子のギターの迫力のセッションと共に、テレビアニメ『転生したらスライムだった件』オープニング主題歌「Nameless Story」のカバーでは、クライマックスでましろ・透子・瑠唯がステージ前方の演台に立ちながら繰り広げた迫力のボーカル&演奏に場内が大きく沸き上がる。続く「Nevereverland」はスポットライトに照らし出された瑠唯のバイオリン独奏から、それに乗せてましろの独唱が重なり、一転して叩きつけるようなロックへと繋がっていく激しい緩急でファンをMorfonicaの世界へと引き込んでいった。
そしてギターとバイオリンの迫力のセッションから始まる「Daylight -デイライト- 」では、瑠唯の幼なじみでもあるRoselia白金燐子役・志崎樺音が登場。華麗なバイオリンとキーボードのセッションも繰り広げられ、今までと違う「Daylight -デイライト- 」にファンの声援がテンションアップ。最後は声出し解禁ならではのステージと客席での歌の掛け合いも盛り上がり、最高の形でコラボレーションを締めくくった。
■いつかくる未来に音を繋ごう…そんな思いと共にライブもクライマックスへ
幕間のサウンドストーリーでは、燐子のキーボードが加わったことで盛り上がるMorfonicaの面々の「かっこいいライブがしたい」という未来への思いが語られる。それを聞きながら、ましろは友希那の「歌は消えない」という言葉を思いだし、いつかくる未来に繋ぐように音を重ねようと誓う……。
Swear ~Night & Day~
熱色スターマイン
Ringing Bloom(with 八潮瑠唯)
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ましろ達の思いに応える様にステージに現れたRoseliaは、友希那の圧倒的なボーカルで音楽を武器に未来を切り開く思いを綴るロックバラード「Swear ~Night & Day~ 」をギターの紗夜やベースの今井リサ役・中島由貴とも絡みながら熱唱。そして、続いての定番ナンバー「熱色スターマイン」では、場内が炎のようなコンサートライトの赤い輝きに染まる中で、5人全員がパワフルな熱唱で歌声を繋いでいく。そして友希那の「頂点へ、狂い咲け」のゲキに場内は爆発するような歓声に包まれた。
そして奏でる音色や歌が自分の大切な居場所になるという思いを唄った「Ringing Bloom」では、燐子とMorfonicaのコラボへのアンサーかのように瑠唯がバイオリンを携えて登場。燐子のキーボードとの力強く華麗なアンサンブルや、友希那と向かい合いながらの演奏でステージを盛り上げる。その音にRoseliaの面々の演奏が重なり合い、さらにボーカルのアカベラとファンの激しいクラップの競演も加わって、場内すべてが一体となって熱いステージを作り上げていった。
曲を終えてからのサウンドストーリーでは、瑠唯とRoseliaのアフタートークが繰り広げられ、バイオリンの音を加える事で感じられた音を重ねる喜びが語られた。そしてライブもいよいよクライマックスへとなだれ込んでいく。
flame of hope
unravel
誓いのWingbeat
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「みなさんの声、聴かせて下さい!」
そんなましろのメッセージと、演台に乗った透子のギターと瑠唯のバイオリンのパワフルなアンサンブルと共に始まったのは、自分達の明日を切り開いていく強い気持ちを唄った「flame of hope」。そして激しいビートから一変して、TK from 凛として時雨のカバー曲「unravel」ではましろの語りかけるような切ないアカペラから瑠唯のバイオリンソロ、そして激しいビートへと繋がっていく緩急の妙で場内を盛り上げていく。
そしてMorfonicaのステージのラストを飾るのは、3月15日に発売が決定した1st Albumに収録予定の新曲「誓いのWingbeat」。現実の辛さにどんなに傷付いても、失ったものを取り戻すために羽ばたくという力強い少女の思いを、Morfonicaらしさ全開の演奏と共に檄唱。その思いをRoseliaへとぶつけるようにステージを締めくくった。
そして最後のサウンドストーリーでは、そんなMorfonicaの気持ちと歌を受け取った友希那からの賞賛のメッセージが。そして、もうすぐ夜が明けたら忘れてしまうかもしれないこの夢の時間が、きっと自分達の中には残り続けることを証明するため、Roseliaが最後のステージへと挑んでいく……。
Sprechchor
Song I am.
Dear Gleam
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最初のナンバーはRoseliaから未来へと進むすべての人へのエールを込めた「Sprechchor」。タイトルの意味そのままに思いをぶつけるようなリリックを迫力のギターセッションなどともにパワフルに唄い上げ、ラストの「さあ 声を合わせ」から始まるパートでは、客席へとマイクを向けてみんなの歌声を聞かせてと即し、互いに声を重ねながら一体となって盛り上がっていく。続く「Song I am.」ではRoseliaの物語を描いた劇場版のライブシーンがスクリーンに映し出され、アニメとリアルがシンクロするようなライブパフォーマンスを披露してみせた。
「今日は本当にありがとう、改めてみんなの声を聞かせて……最後に私達の思いを受け取って」
そんな友希那の言葉と共に始まったラストナンバーは、4月26日発売の13th Singleに収録される新曲「Dear Gleam」だ。力強いアカペラから始まったこの曲には、不安・葛藤・後悔すらも糧にして、力強く歩んでいこうというRoseliaの誓いの意志が込められている。そのメッセージを受け取るように、ファンも思い思いの色でコンサートライトを輝かせ、極彩色の光で場内を染め上げてRoseliaに応えてみせた。そしてスクリーンには色とりどりの流れ星が流れる朝焼け前の空が映し出され、夜が明けるのに合わせて夢から覚めるようにRoseliaとMorfonicaの面々が一人ずつ消えていく。そして朝焼けと共に全員の姿が消えて、ライブタイトルが浮かび上がり夢のライブは幕を閉じた。
「ただひとつ確かなことはこの思い」
「流れ星のように愛しい私達の歌を」
最後に目を覚ましたましろ達のモノローグが流れ終わると、すぐさま場内はアンコールの大合唱に包まれた。これまではクラップでしか伝えられなかったアンコールへの思いを受け取って、RoseliaとMorfonicaが再びステージへと勢ぞろい。今後のCDやライブの告知などを経て、それぞれが一緒にコラボできた喜びを語り合う。そしてまだやり残していた「10人全員揃ってのライブ」をやり遂げるべく、待望のアンコールステージが始まった。
寄る辺のSunny, Sunny (Morfonica×Roselia)
BRAVE JEWEL (Roselia×Morfonica)
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アンコールの一曲目はMorfonicaのナンバーから「寄る辺のSunny, Sunny」。吹き抜ける風のような爽やかなサウンドを楽器メンバー全員が音を重ねて奏で、ボーカル二人が凛とした歌声のハーモニーを乗せていく。曲の後半では楽器同士のセッションや、友希那が後ろのリズム隊のところまで行って一緒に唄うなど、ファンにはたまらないパフォーマンスが繰り広げられた。そしてクライマックスでは、友希那がましろの肩を抱きながらのデュエットを見せて、最高のアンコールを決めてみせた。
そしてラストアンコールを飾るのは、Roseliaのライブでは定番のナンバー「BRAVE JEWEL」だ。ドラム同士の熱いセッションが始まり、ファンもそれに合わせたクラップで盛り上がる。そこにギター・ベース・キーボード・バイオリンも音を重ねていき、最高潮に達したところで始まりを告げるようにダブルボーカルの歌声が響き渡った。
二人のボーカルがステージを自由に飛び回りながら唄い、楽器メンバー同士が自由にセッションを重ねていく。そしてラストは友希那とましろが振り付けをシンクロさせながらのデュエットで正真正銘のラストを締めくくってみせた。
「ありがとうみんなー!」
全力でやりきったメンバーからのお礼の言葉と、渾身のドラムロールからのメタルテープ発射、そして最後は全員が手を繋いで生声での「本日はまことにありがとうございましたー!」のあいさつで、ライブは大団円を迎えた。
ステージを引き上げながら、メンバーが各々に配信で応援してくれているファンへのアピールをカメラに決め、最後は「また会いましょう」のメッセージで、ライブでの再会をすべてのファンに約束して見せた。
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新型コロナ禍の規制から約3年を経て戻ってきた「声を出して声援を送れるライブ」を、ファンも全力で楽しんで最高の盛り上がりで幕を閉じた。ライブそのものが作品のテーマでもある『BanG Dream!(バンドリ!)』にとって、声出し解禁となった今年は溜め込んだパワーを一気に解き放ち、最高のパフォーマンスを見せてくれると期待できるライブとなった。
今回のライブにおいて、一つ不可思議なことがあった。それは会場にて配布されていたチラシだ。そこにはQRコードが記載されており、アクセスすると【Ave Mujica】と書かれたサイトにアクセスする。そしてそこには2023/6/4までのカウントダウンがされていたのだ。新たなるライブの情報なのだろうか? さらなる情報を待ちたい。
取材・文:斉藤直樹 Photo ハタサトシ、福岡諒祠(GEKKO)、池上夢貢(GEKKO)
セットリスト
『BanG Dream! 11th☆LIVE』 DAY2 : Roselia×Morfonica「星空の夜想曲」