THE BACK HORN『RUSH BALL 2023』ライブレポートーー25周年という歴史を共に歩むライブバンドのいつまでも失われない初期衝動
THE BACK HORN 撮影=河上良
『RUSH BALL 2023』THE BACK HORN
『RUSH BALL』のプロデューサー・力竹総明、FM802のDJ・大抜卓人がステージに登壇し「笑顔で1日を過ごせれば」と語る中、今年25周年となる『RUSH BALL』と「同い年」であるTHE BACK HORNの名を力強くコール! 2004年、2018年以来の出演となる彼らは、初っぱなから特大のシンガロングを生み出した「刃」で、一気に場を掌握。フロアからの大歓声にも、両手をめいっぱい広げて受け止めようとする山田将司(Vo)は気高いまでの存在感で、泉大津フェニックスを一面彼らの色に塗り替えていく。さらにギアを上げての「希望を鳴らせ」では、天まで突き抜けるような歌声で、いつまでもみずみずしい初期衝動をもたらしていく。
THE BACK HORN
「5年ぶりに出演することができました。『RUSH BALL』の25周年と俺たちの25周年、そして今日ここで皆さんと出会えた祝福を込めて、全力で演奏します!」と松田晋二(Dr)が高らかに宣言したのち、「コワレモノ」を投下。躍動するラップパートと極太のファンク・アンサンブルでひときわチャレンジングな姿勢を見せつけていく。さらに、スリリングかつ骨太な「罠」、イントロだけで大歓喜を呼んだライブアンセム「コバルトブルー」を惜しみなく放出。一声一音入魂、曲を重ねるごとにゾーンに入っていくさまはあまりにも壮絶で美しい。一方、オーディエンスも高速クラップでレスポンスする「太陽の花」ではまばゆい希望を音に託し、クライマックス感を幾重にも増幅。彼らのステージは、どこを切ってもおかしくないほどピークを越え続けてくる。
THE BACK HORN
「『RUSH BALL』25周年、おめでとうございます! 皆さんも今日1日、思い出に残る日にしてください。いい音楽人生を!」と山田がスタンドマイクを据えて、ラストを飾るのは「JOY」だ。じわじわ昂るようなスケールの大きなサウンドに、たくさんの手が伸びる多幸感。濃密なパフォーマンスは最大瞬間風速の連続で、立ち会った人々の人生に、また深くTHE BACK HORNの名を刻んだひとときとなった。
取材・文=後藤愛 撮影=河上良
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