OAU『RUSH BALL 2023』ライブレポートーー色褪せぬ時を振り返り、今の尊さを噛みしめたオーガニックなライブ
OAU 撮影=松本いづみ
『RUSH BALL 2023』OAU
サウンドチェックを終えて、TOSHI-LOW(Vo.AGt)が「そのままやっちゃおう」とスタートしたのはOAU。TOSHI-LOWがブズーキを奏で、おおらかな歌声で「夢の続きを」歌い始める。MAKOTO(Cb)はノリノリでコントラバスを弾き、RONZI(Dr)は柔らかなリズムを繰り出し、KOHKI(AGt)は超絶ギターテクを惜しみなく披露、KAKUEI(Per)はサウンドにアクセントと彩りを添える。疾走しつつもあたたかみのあるサウンドが気持ち良く会場を満たし、客席はのっけから多幸感に包まれていった。
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続いてMARTIN(Vo.Vio.AGt)がギターを鳴らしながら「1年目、うちら出たんですよ『RUSH BALL』。18年前?」と、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDが結成してすぐの『RUSH BALL 06』に出演した思い出を話す。「ライブ酷かったくせに、よく出れてるよねうちら。練習すればできるんですよってこと」と述べて初期の楽曲「Thank You」を披露。『RUSH BALL』25周年の年に、バンドの歴史も振り返る。ラスサビ前では「ここ大阪だっけ!? 見せてください!」と煽り一気に加速。オーディエンスも負けじと高速クラップで食らいつく。
MARTINがバイオリンを持ったインスト曲「Peach Melba」から「Homeward Bound」の珠玉のメドレーを経て、後半は盛り上がり必至のアンセム「Again」と「Making Time」を連投し、ジャンプ&クラップで泉大津をひとつに。「最高じゃない!」と嬉しそうなMARTIN。「最高なのにもう最後の1曲っていうね」とTOSHI-LOWが言うと、一斉に「えー!」と惜しまれる声が上がる。
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TOSHI-LOWは「これだけ暑くなってくと、フェスがいつまで外でやれるかもわかんない。自分たちの楽しい思い出が「あの時は良かったなー」みたいなことにならないように、皆さん必ず水分とってください。事故が起こってからだと一気になくなっちゃうから、こういう文化」と呼びかける。続けて「俺は夏が大好きで、秋の時雨れてく感じが大嫌い。なんだけど、この季節1個だけ好きな瞬間があって。それは夕日が落ちていく時、昼間と夜の間になって、紫色の光みたいなのがぼわーっと出た瞬間」として、亡くなった人と会えたり誰かと触れ合えたりする気がするからだと、優しい瞳でその理由を語る。「1日1日大事にして、1年経ったらまたここでOAUと会いましょう」と「帰り道」を哀愁たっぷりに歌い上げ、ステージを後にした。
取材・文=久保田瑛理 撮影=松本いづみ
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