湊かなえの純愛ミステリーを朗読劇化 朗読劇『Nのために』オフィシャルレポートが到着
■2日目10/15(日)公演オープニング
朗読劇『Nのために』2日目
2日目となる10月15日(日)の出演者には様々なステージの経験者が集結。渡邉美穂演じる杉下希美、安井謙太郎演じる成瀬慎司、小野塚勇人演じる安藤望、西山潤演じる西崎真人、この4人の証言から始まる。そして続く杉下(渡邉)によるモノローグでは、また前日とは違う緊張感を漂わせながら、観客をこの物語の世界へと誘う。本作の核を表すセリフの一つ、「その人のためなら自分を犠牲にしてもかまわない。その人のためならどんな嘘でもつける。その人のためなら何でもできる。」という言葉に、渡邉の気持ちが込められた。
渡邉美穂
安井謙太郎
小野塚勇人
本作は、長い年月を描いた物語であることもおもしろさの一つだ。特に杉下希美と成瀬慎司の学生時代から現在に至るまでのストーリーは、甘酸っぱくも切ない感情をもたらす。1日目の本渡と島﨑は、まるでそこが教室かのように高校生時代の杉下と成瀬を演じる。時折、お互い目線を交わしながら微笑ましい会話が繰り広げられた。2日目は渡邉美穂が杉下を、安井謙太郎が成瀬を演じる。高校時代のある出来事をきっかけに交流が減ってしまった二人は、同窓会で久しぶりに再会する。少し成長し大人になった杉下(渡邉)と成瀬(安井)の間に、気まずさを残しながらもお互い居心地の良さを取り戻してく過程が垣間見えた。杉下の部屋を訪ねた成瀬は、杉下への淡い恋心と、実際の杉下の自分に対する行動とのギャップにがっかりする気持ちを演じ分け、成瀬という人物を掘り下げた。
■物語の鍵を握る、野口夫妻 事件の行方は――
朗読劇『Nのために』2日目
物語の中盤、野口夫妻と杉下・安藤の4名が石垣島でディナーをする場面は、両日に渡り見どころの一つとなる。一見、仲睦まじく食事をする登場人物たちだが、人間の“表と裏”を表現したリアルな場面である。野口貴弘役は岸尾だいすけと板倉俊之が、野口奈央子役は内田彩と平野綾が演じた。野口夫妻の微妙な関係性を、各キャストが細やかな表現で魅せる。
1日目の岸尾は、安藤(仲村)に対し力強く「男同士の勝負をしよう」と将棋の対局を挑む。その様子は、奈央子(内田)や杉下(本渡)は眼中にないといった態度で、野口の偏った男のプライドが窺える絶妙な演技で観客を魅了した。やがて夫婦間の言い争いへと展開し、岸尾と内田の迫真の演技が、物語の重要な事件への予感を告げた。2日目の野口夫妻を演じた板倉と平野は、事件当日のシーンでの鬼気迫る演技で物語を盛り上げる。板倉は、自分の強さを必要以上に見せつける野口を、狂気をもって演じ切る。それに対し平野も歪んだ愛をヒステリックに訴える奈央子を、圧巻の演技力で表現する。
こうして登場人物6名による複雑に絡み合ったエピソードとそれぞれのモノローグによって、物語はクライマックスへと向かっていった――。
西山 潤
板倉俊之
平野 綾
■カーテンコール
2日間に渡り開催された朗読劇「Nのために」。各公演のカーテンコールでは、主人公の杉下希美を演じた本渡楓・渡邉美穂による感謝の言葉が述べられた。「朗読劇Nのために。最後まで御覧頂きありがとうございました。湊かなえ先生の素敵なラブストーリーを私たちが皆様にお届けできたこと、心から嬉しく思います。本日は、本当にありがとうございました!」そして出演者全員で一礼し、観客からの盛大な拍手で見送られ舞台を降りていった。会場は熱気に包まれたまま、朗読劇「Nのために」は大盛況のなか終了した。
朗読劇『Nのために』1日目の出演者たち
朗読劇『Nのために』2日目の出演者たち
配信情報
<10月14日(土)>
杉下希美(Nozomi sugishita):本渡 楓
成瀬慎司(shinji Naruse):島﨑信長
安藤 望(Nozomi ando):仲村宗悟
西崎真人(masato Nishizaki):寺島惇太
野口貴弘(takahiro Noguchi):岸尾だいすけ
野口奈央子(Naoko noguchi):内田 彩
杉下希美(Nozomi sugishita):渡邉美穂
成瀬慎司(shinji Naruse):安井謙太郎
安藤 望(Nozomi ando):小野塚勇人
西崎真人(masato Nishizaki):西山 潤
野口貴弘(takahiro Noguchi):板倉俊之
野口奈央子(Naoko noguchi):平野 綾
9月30日(土)12:00~10月22日(日)18:00
イープラス:eplus.jp/Nnotameni-st/ ほか
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