新国立劇場『東京ローズ』日本初演が開幕 舞台写真&演出・藤田俊太郎コメントが到着
撮影: 宮川舞子
新国立劇場のフルオーディション企画第6弾で、シリーズ初のミュージカル作品である『東京ローズ』が2023年12月7日(木)開幕した。
2019年にイギリスの演劇集団 BURNT LEMON THEATREが製作した本作は、女性6人によるミュージカル。太平洋戦争時、日本軍による連合国軍向けプロパガンダ放送でアナウンサーを務めた"東京ローズ"と呼ばれた女性たち。そのひとりである米国籍、日系二世のアイバ・トグリ(戸栗郁子)が、歴史の波に飲み込まれながらも、決して諦めることなく戦う姿を描く。
撮影: 宮川舞子
撮影: 宮川舞子
今回、藤田俊太郎が演出を担当し、主人公アイバを6人がリレー式に演じ、またミュージシャンによる生演奏での上演。これは日本版ならではのオリジナルの演出となる。応募総数936名の中から選ばれたのは、飯野めぐみ、シルビア・グラブ、鈴木瑛美子、原田真絢、森 加織、山本咲希。6名の圧倒的な歌唱と、耳に残るパワフルな楽曲に観客は魅了され、大いに沸く初日となった。公演は、新国立劇場 小劇場にて12月24日(日)まで。
演出・藤田俊太郎よりメッセージ
開幕に寄せて。
稽古の日々はとても充実していました。そして今思い返せば、およそ1年前のフルオーディションから激烈な創作は始まっていたのではないかと思います。舞台の上に美しく、女性の力が漲っています。太平洋戦争の時代を格闘し生き抜いた日系2世アイバ・郁子・トグリ役に、飯野めぐみ、シルビア・グラブ、鈴木瑛美子、原田真絢、森加織、山本咲希、そしてスウィングの柴田実奈が魂を込めました。新国立劇場の皆さん、プランナー、カンパニーの仲間たち、ミュージシャンとの素晴らしい仕事に感謝すると共に、心から誇らしく思っています。
祖国アメリカから国家反逆罪に問われたアイバは生涯をかけ、その生き様で「人を恨まない、恨みからは何も生まれない」ことを伝えました。2023年12月の今、戦いの終わらない世界に生きる私たちに、アイバの言葉が、強く生きる力を与えてくれるのではないかと感じています。板の上で全キャストがアイバ役をリレーします。そのバトンをお客様に受け取っていただけたら幸いです。
この素敵な作品の礎を創り、日本版の上演を許可してくださった英国のクリエイターBURNT LEMON THEATREに愛と敬意を込めて。
『東京ローズ』日本初演、開幕です。
演出 藤田俊太郎