堂本光一、佐藤勝利らと“いつも通りに”ラストイヤーの幕を開く 『Endless SHOCK』開幕記念会見・ゲネプロレポート

レポート
舞台
2024.4.10

◼︎ゲネプロレポート

会見で、ラストイヤーを特別意識しているわけではないと語っていた堂本。

冒頭から“いつも通り”熱量たっぷりでキレのあるパフォーマンスを披露する。ステージ上ではカリスマ性を放つ一方、ショウリをからかう姿はイタズラ好きな少年のようだったり、オーナーと“この先”について話す様子は若者らしい焦りや迷いが見えたり。決して完璧ではないが、それが却ってコウイチという人間を魅力的に見せ、圧倒的なパフォーマンスを引き立てている。

佐藤演じるライバル・ショウリは、これまでの公演よりも対抗心が前面に出ている印象を受けた。周囲がコウイチについていく中で、トップを狙うギラギラした姿が目を引く。強気な言動の裏に隠された本心がところどころに覗いており、二人の衝突やすれ違いにさらなる説得力が生まれていた。

中心にいる二人の苦悩がひしひしと伝わってくるぶん、ラストに向かう中で披露されるフライング、和太鼓演奏やダンスの迫力や美しさも増している。情熱や確固たるプライドが感じられるパフォーマンスに、ゲネプロながら大きな拍手が起きていた。

ヒロイン・リカを演じる中村は、少女らしい無邪気さ、凛とした強さを持つ女性の両方の顔を繊細に表現する。パフォーマンス中に見せる溌剌とした笑顔、曲やシーンに合わせた多彩な衣装を着こなす姿もチャーミングだ。コウイチとカンパニーを見守るオーナー(前田美波里)は、あたたかさと哀愁を感じさせる佇まいが魅力的。コウイチや娘のリカと一緒に歌うシーンの、包み込むような優しさも印象深い。

越岡と松崎は、安定感ある芝居、時折見せるお茶目さやコミカルなシーンでほっと和ませてくれる。さらに、スタイリッシュなパフォーマンスや手堅い殺陣で魅せ、ハードなダンスナンバーでも笑顔を見せる姿は貫禄すら感じさせる。

寺西はシリアスなシーンを丁寧に演じ、ラストに向かう登場人物たちの心の動きや物語の流れを作っていく。高田、松尾、尾崎はセリフこそ多くないものの立ち位置や表情で個性を表現。6人がコウイチとショウリをしっかり支え、パフォーマンスの魅力を底上げしていた。

また、和太鼓の演奏やアンサンブルキャストによるダンス、アクロバット、次々に登場する豪華なセットや衣装など、見どころが盛りだくさん。キャスト一人ひとりに注目できる少数でのパフォーマンスから、華やかさ満点のユニゾンまで幅広く披露され、様々なエンターテインメントを思う存分楽しめる構成になっている。

本作は2024年4月11日(木)~5月31日(金)まで帝国劇場で上演された後、2024年7月・8月に梅田芸術劇場メインホール、2024年9月に博多座、2024年11月に再度帝国劇場で公演が行われる。

全国ツアーでは、ライバルを佐藤と中山優馬、リカを中村と綺咲愛里がWキャストで演じるほか、コウイチを支える仲間として林翔太や室龍太、原嘉孝、ふぉ~ゆ~の福田悠太、辰巳雄大も参加する。11月の帝国劇場では上田竜也がライバルを演じ、コウイチの仲間役にふぉ~ゆ~が4人揃って登場。多彩な組み合わせによる化学反応と、各地での公演を通したさらなる進化に期待したい。

取材・文・撮影=吉田沙奈

公演情報

『Endless SHOCK』2024年公演
 
2024年4月11日〜5月31日 帝国劇場(本編・Eternal同時上演)
出演:堂本光一、佐藤勝利、越岡裕貴、松崎祐介、高田翔、寺西拓人、松尾龍、尾崎龍星、石川直、中村麗乃、前田美波里・島田歌穂

2024年7・8月 梅田芸術劇場メインホール(本編のみ上演)
出演:堂本光一、中山優馬、林翔太、室龍太、高田翔、原嘉孝、松尾龍、尾崎龍星、綺咲愛里、島田歌穂

2024年9月 博多座(本編のみ上演)
出演:堂本光一、佐藤勝利、福田悠太、辰巳雄大、室龍太、高田翔、松尾龍、尾崎龍星、綺咲愛里、前田美波里

2024年11月 帝国劇場(本編のみ上演)
出演:堂本光一、上田竜也、福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介、松尾龍、尾崎龍星、石川直、綺咲愛里・中村麗乃、前田美波里
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