指揮者の茂木大輔企画・指揮、東京音楽史管弦楽団によるパガニーニの特集コンサートが開催決定 ゲストに髙木凜々子・Budo・高島健一郎(リアル・トラウム)ら

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クラシック
2025.4.25


NHK交響楽団のオーボエ奏者として知られ、多くのクラシック音楽にまつわる著作物も手掛け、『のだめカンタービレ』で、コミックの音楽監修やコンサートの企画を手がけてきた指揮者の茂木大輔氏が仲間の演奏家たちと結成した東京音楽史管弦楽団。歴史の狭間で光の当たりにくい作曲家を取り上げる公演を手がけてきたが、2025年9月15日(月・祝)に東京・第一生命ホールにて、パウロ・パガニーニをピックアップしたコンサートの開催を発表した。そのタイトルも、すばり「情・妙・技・巧 パガニーニ」。漫画家のやまみちゆかが手掛けた『漫画 パガニーニ』の出版を記念して、内容的にもリンクしながら、トーク・ゲストに「やまみち」を迎える。

ゲストには、ヴァイオリニストの髙木凜々子、ピアニストのBudo、リアル・トラウムのテノール高島健一郎らをソリストに迎え、しかもオーケストラのコンサート・マスターに﨑谷直人、フルートに高木綾子など、贅沢な顔ぶれで、パガニーニの音楽に迫る。

高木凜々子をソリストとした、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番や「ラ・カンパネラ」の別名で知られるヴァイオリン協奏曲第2番の第3楽章など、パガニーニ本人の音楽はもちろんだが、リストの「ラ・カンパネラ」やラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」など、パガニーニの影響から生まれた作品群も取り上げる。ピアノの詩人ショパンも敬愛し、シューマンが音楽家の人生を選択するきっかけがパガニーニのコンサートだったり、2人ともパガニーニをイメージした曲を作曲したり、またリストの「ラ・カンパネラ」をはじめ、パガニーニの主題を変奏した作品を書いた作曲家は、ショパン、ブラームスやラフマニノフなど枚挙に暇がない。企画・指揮の茂木大輔氏に話を聞いた。

――なぜ、いまパガニーニなのでしょうか。

パガニーニって、クラシック音楽を聴いていると本当にいろいろな場面でその名前を見聞きすることが多いのです。ところが、カプリスのメロディーは知っていても、彼の作曲した音楽って本当に聴かれる機会が少ない。今回髙木凜々子さんに弾いてもらう「ヴァイオリン協奏曲第1番」なんかも、ヴァイオリニストは好きでよく弾いていても、一般の方にはたぶん「どんな曲だったっけ?」みたいなイメージなのではないかと思うのです。ところが、ショパンの「パガニーニの思い出」やリストの「ラ・カンパネラ」やラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」など、パガニーニの旋律をテーマとした名曲ってたくさん存在します。そうした直接的な引用だけでなく、シューマンは、やまみちさんの漫画の中でも書かれていますが、法律家の道へ進むか音楽家になるのか迷っていた20歳のときに、ハイデルベルクでパガニーニのコンサートを見る機会があって、音楽家への道を歩む決意をしたと言っていますし、彼の重要なピアノの組曲「謝肉祭」の中にも「パガニーニ」というタイトルで彼の音楽性を漂わせるような小曲を手がけているのです。それほど、ロマン派以降の音楽家たちに与えた影響は大きかったんだと思うのですよ。ところが、作曲家としての彼の姿は歴史の狭間で消えてしまいそうになっているので、改めてこの機会に再評価してもらいたくて企画しました。

――参加してくれる演奏家たちをご紹介ください。

シュポアにつづいて、パガニーニを愛する、髙木凜々子さんにパガニーニになりきって弾いてもらいたいと思います。そして、のだめカンタービレのコンサートでラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」を共演してきたYouTubeピアニストのBudoさんに、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」の抜粋と、彼がストリート・ピアノでよく弾いているリストの「ラ・カンパネラ」を弾いていただきます。そして、リアル・トラウムのテノール高島健一郎さんには、パガニーニの映画で話題となった、「ヴァイオリン協奏曲第4番」の第2楽章を歌にした「愛しい人」を歌ってもらいます。
そして、オーケストラのメンバーもますます豪華になりました。コンサート・マスターには、﨑谷直人さん、フルートには高木綾子さんなどなど、ソリストとして有名な方も参加いただきながら、東京のオーケストラで活躍されている有志の方にお集まりいただきました。

――このシリーズの中でももっとも豪華で華やかなソリスト陣とオーケストラになりそうですね。

はい。また、『漫画パガニーニ』を出版される「やまみちゆか」さんにもお越しいただき、トーク・コーナーを設け、たっぷりとパガニーニ愛を語っていただきたいと思います。

――先日、髙木凜々子さんとBudoさんと3人でこのコンサートへ向けての雑誌の鼎談もされたそうですね。

月刊ピアノさんの5月20日売号で、4ページほどの特集記事になるとうかがいました。3人でたっぷりとパガニーニについて語り尽くしましたので、こちらの方も是非楽しみにしてください。BudoさんがキャスターをしているYouTubeチャンネル「厳選・目で知るクラシック」でも少しその模様が動画で見れるそうです。

文責=神山薫

公演情報

東京音楽史管弦楽団 第3回演奏会 with 髙木凜々子
『パガニーニ 情・妙・技・巧』
 
日程:2025年9月15日(月・祝)18:15開場 19:00開演
会場:第一生命ホール
 
出演者:茂木大輔(指揮) / 髙木凜々子(Vn) / Budo(Pf) / 高島健一郎(Ten) / 東京音楽史管弦楽団 / 﨑谷直人(コンサートマスター)
トークゲスト:やまみちゆか
 
演奏予定曲:
・パガニーニ:キャプリス24番より
・パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
・パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番より第3楽章「ラ・カンパネラ」
・リスト:ラ・カンパネラ
・ラフマニノフ:「パガニーニの主題による狂詩曲」より 他
 
料金(税込)
S席:¥9,500 / A席:¥8,000 / 特別シート:12,000円
書籍付 S席:¥11,000 / 書籍付 特別シート:13,500円
 
最速先行受付(抽選):4月26日(土)12:00~5月6日(火・祝)23:59
一般発売:7月5日(土)12:00~
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