勅使川原三郎が魅せる美の極み オペラとダンスが融合した『オルフェオとエウリディーチェ』が新国立劇場にて上演
新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」より 撮影:堀田力丸
2025年12月4日(木)~12月7日(日)新国立劇場 オペラパレスにて、2025/2026 シーズンオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』が上演される。
新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」より 撮影:堀田力丸
新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」より 撮影:堀田力丸
新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」より 撮影:堀田力丸
音楽とダンス、美術、照明すべてが一体となった究極のアート『オルフェオとエウリディーチェ』が、再演される。勅使川原三郎の美学に貫かれた本舞台は、コロナ禍のもと2022年5月に初演され、開幕するやオペラファン、舞踊ファンにとどまらず広くアートファンの心を捉えた。
新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」より 撮影:堀田力丸
新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」より 撮影:堀田力丸
新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」より 撮影:堀田力丸
新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」より 撮影:堀田力丸
本作の原作は、亡くなった妻を連れ戻しに詩人オルフェウスが冥界へ降りて行く、ギリシャ神話のオルフェウス伝説。音楽と演劇の融合を目指した“オペラの改革者”グルックが劇的緊張感に満ちたオペラとして完成させ、その演劇的な面白さにより、バロック・オペラの中でも群を抜いて上演頻度の高い人気作となっている。グルックの音楽には「精霊の踊り」「エウリディーチェを失って」など、耳になじみのある名曲も含まれ、愛と疑念、そして生と死の狭間で揺れ動くオルフェオとエウリディーチェの物語が歌手と合唱、オーケストラ、そして変幻自在なダンスによってダイナミックに綴られる。
新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」より 撮影:堀田力丸
新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」より 撮影:堀田力丸
新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」より 撮影:堀田力丸
勅使川原三郎は独自のダンス・メソッドと、光・音・空気・身体への美意識、そして独創的な身体表現が高く評価されるダンサー、振付家、演出家。自身の活動拠点カラス・アパラタスでの「アップデイト・ダンス」シリーズの上演を続けると共に、パリ・オペラ座バレエ団、フランクフルト・バレエ団、バイエルン州立歌劇場バレエ、オランダ国立バレエなど世界各地の著名カンパニーから振付に招かれ、エディンバラ・フェスティバル、フェニーチェ歌劇場、エクサンプロヴァンス音楽祭などではオペラを演出。造形美術家、映像作家としても世界各地に招聘され、インスタレーションや映像作品を発表している。本作はその勅使川原三郎の音楽・身体・美術表現すべてが結晶した舞台。大規模な勅使川原作品が日本で体験できる貴重な機会でもある。
勅使川原三郎 (C)Hiroshi Noguchi
園田隆一郎
指揮は特にイタリア・オペラを中核に、日本屈指のオペラ指揮者として活躍する園田隆一郎が担当。新国立劇場でこれまでオペラ鑑賞教室公演の指揮を重ねてきた園田にとって、今回がシーズン公演デビューとなる。
サラ・ミンガルド
ベネデッタ・トーレ
杉山由紀
注目のオルフェオ役には現代最高峰のアルト歌手サラ・ミンガルドが新国立劇場初登場。初演ではカウンターテナーが務めた同役がいかに変貌する。エウリディーチェにはイタリアの新星ベネデッタ・トーレ、アモーレ役には、実力派メゾソプラノの杉山由紀が出演する。
佐東利穂子 photo by Akihito Abe
アレクサンドル・リアブコ
オフィーリア・ヤング
ハビエル・アラ・サウコ
ダンスには、初演でも圧倒した佐東利穂子、アレクサンドル・リアブコに加え、勅使川原三郎作品へ出演を重ねるオフィーリア・ヤング、ハビエル・アラ・サウコが出演。勅使川原の信頼厚いダンサー陣が精霊として、また人物の影のような存在となって、全編に渡り舞台をリードしていく。
新国立劇場『オルフェオとエウリディーチェ』トレイラー映像
亡き妻エウリディーチェを何とか生き返らせようと祈りを捧げるオルフェオの前に、愛の神アモーレが登場。冥界へ行くことが許されるが、オルフェオの歌で地獄の番人を慰めること、「この世に連れ戻すまで、決して彼女の顔を見てはならない」と条件を伝える。多くの試練を潜り抜けたオルフェオだが、あと少しで妻を生還させられるというまさにその時に、妻から「なぜ私の顔を見てくれないのか」とすがられる。神の命令と妻の懇願の狭間で悩むオルフェオは、ついに振り返って妻の顔を見てしまう…。
公演情報
令和7年度 文化庁 劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業
クリストフ・ヴィリバルト・グルック
『オルフェオとエウリディーチェ』
Orfeo ed Euridice / Christoph Willibald von Gluck
全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
【会場】新国立劇場 オペラパレス
【前売開始】2025年10月11日(土)10:00~
※予定上演時間 約2時間(休憩含む)
スタッフ
【指揮】園田隆一郎
【演出・振付・美術・衣裳・照明】勅使川原三郎
【アーティスティックコラボレーター】佐東利穂子
【エウリディーチェ】ベネデッタ・トーレ
【オルフェオ】サラ・ミンガルド
【アモーレ】杉山由紀
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団