中村鶴松、2月歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』にて初代中村舞鶴を襲名

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中村鶴松 改め 初代中村舞鶴

中村鶴松 改め 初代中村舞鶴


2026年2月歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』(2月1日初日~26日千穐楽)にて、中村鶴松が初代中村舞鶴(まいづる)を襲名し、幹部昇進することが発表された。

中村鶴松は、1995年3月15日生まれで、3歳より児童劇団に入り、2000年5月歌舞伎座『源氏物語』の竹麿で清水大希の名で初舞台。以後、子役として数多くの舞台に出演。2003年8月歌舞伎座『野田版 鼠小僧』の孫さん太の演技で注目され、2005年5月歌舞伎座において十八世中村勘三郎の部屋子となり、『菅原伝授手習鑑』車引の杉王丸で二代目中村鶴松を名乗る。2018年2月博多座『鰯賣戀曳網』の傾城錦木ほかで名題昇進。屋号は中村屋。

鶴松は、一般家庭に生まれ育ち、十八世勘三郎に見出され部屋子となると、その薫陶を受け、立役と女方に取り組み、舞踊でも成果を見せている。舞台に向かう直向な姿勢と気持ちのこもった演技で、歌舞伎座の納涼歌舞伎、平成中村座やコクーン歌舞伎を中心に着実に研鑽を積み、2025年1月の新春浅草歌舞伎では『絵本太功記』光秀妻操と武智十次郎という女方と立役の大役を勤め、次代を担う花形の一人として注目を集めた。

2023年5月平成中村座『天守物語』亀姫や、2024年2月歌舞伎座の十八世中村勘三郎十三回忌追善公演『新版歌祭文 野崎村』久作娘お光という女方の大役への抜擢にも応え、華やかさをまとう姫から可憐な娘を初々しく勤める一方、2024年11月明治座『菅原伝授手習鑑 車引』舎人桜丸、2025年2月歌舞伎座『人情噺文七元結』手代文七という古典と世話の立役もきっちりと勤め上げ、存在感を示した。新作歌舞伎でも芝居巧者の片鱗を見せ、2019年6月歌舞伎座『月光露針路日本 風雲児たち』に引き続き、2025年11月歌舞伎座『歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン) 幕を閉めるな』で三谷幸喜作・演出の「三谷かぶき」に連続出演するなど、役の幅を広げている。
2022年からは自主公演「鶴明(かくめい)会」を開催し、第一回公演には『高坏』と『春興鏡獅子』という舞踊二題に挑み好評を博すと、2025年の第二回公演には『仮名手本忠臣蔵 五・六段目』と十八世勘三郎から当代勘九郎に受け継がれた舞踊『雨乞狐』を上演し、さらなる飛躍を見せている。また、2013年に早稲田大学文学部文学科演劇映像コースに進学。舞台活動を続けながら大学で演劇を学び、2017年に卒業している。

そしてこの度、十七世中村勘三郎を中心に始まった「猿若祭」という、中村屋が大切にしている公演で、初代中村舞鶴を襲名し、幹部昇進する。初代として名乗る「舞鶴(まいづる)」の名は、十七世勘三郎の俳名「舞鶴(ぶかく)」に因む。中村鶴松改め初代中村舞鶴の今後の活躍に期待しよう。

中村鶴松 コメント

この度、二十年間名乗って参りました中村鶴松という名を改め、初代中村舞鶴として披露させて頂く運びと相成りました。
鶴松という名は、師匠である勘三郎の父に名付けて頂き、皆様にも「鶴松」「つる」「鶴ちゃん」と温かくお呼びいただき、有難くも長年可愛がって頂きました私にとりまして大変愛着のある大切な名前でございます。
その名を改めますことは、自分の中では誠に大きな変化であると感じております。
この度頂戴いたしました中村舞鶴という新たな名前は勘九郎、七之助の兄たちが心を込めて考えてくださいました、私には身に余る、素敵なお名前でございます。
一人でも多くのお客様に新しい名前を覚えて頂き、これまでと変わらぬご声援を賜れましたら、この上ない喜びに存じます。
この名を新たな一歩と致しまして、これからも一層藝道精進して参る所存で御座います。
何卒これまで同様、変わらぬご厚情を賜りますと共に、今後とも厳しいご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
この『猿若祭二月大歌舞伎』は、私にとりまして何よりも大きな興行で御座います。
初めて歌舞伎座で主役を勤めさせていただきました『新版歌祭文 野崎村』のお光、そして今年の『人情噺文七元結』の文七など、多くの思い出が御座いますこの興行で、新しい名前を襲名させて頂けますこと、この上ない喜びでございます。
名だたる先輩方のお力添えを賜りつつ襲名させていただけますことに深く感謝申し上げると共に、微力ではございますが、少しでもこの興行が素晴らしい舞台となりますよう、心を込めて勤めさせていただきます。
何卒ご来場の上、末永く御贔屓お引き立てのほど、重ねてお願い申し上げます。

公演情報

『新春浅草歌舞伎』
 
【日程】2026年1月2日(金)~26日(月)
【会場】浅草公会堂
※18日(日)第2部は「着物で歌舞伎」です。皆様、お着物でご観劇ください
 
第1部 午前11時~
 
お年玉〈年始ご挨拶〉
 
一、梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)
鶴ヶ岡八幡社頭の場
 
梶原平三景時:市川染五郎
俣野五郎景久:市川男寅
奴菊平:中村鶴松
六郎太夫娘梢:尾上左近
大庭三郎景親:中村橋之助
 
二、
上、相生獅子(あいおいじし)
下、藤娘(ふじむすめ)
 
〈相生獅子〉
姫:中村鶴松
姫:尾上左近
 
〈藤娘〉
藤の精:中村莟玉
 
 
第2部 午後3時~
 
お年玉〈年始ご挨拶〉
 
近松門左衛門 作
一、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
土佐将監閑居の場
 
浮世又平後に土佐又平光起:中村橋之助
女房おとく:中村鶴松
狩野雅楽之助:市川染五郎
土佐修理之助:市川男寅
 
二、男女道成寺(めおとどうじょうじ)
 
白拍子桜子実は狂言師左近:尾上左近
強力:中村橋之助
同:市川染五郎
白拍子花子:中村莟玉
 
 
【ご観劇料(全席指定・税込)】 1等席 9,500円 2等席 6,000円 3等席 3,000円
 
 
 
主催・製作 松竹株式会社
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