海宝直人と岡宮来夢が意気込みを俳句で表現!? 小林一茶の「もし」を新作ミュージカル『ISSA in Paris』初日前会見&ゲネプロレポート

レポート
舞台
2026.1.10
ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

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『ISSA in Paris』ゲネプロ 2026.1.9(FRI)日生劇場

新作ミュージカル『ISSA in Paris』が2026年1月10日(土)から東京・日生劇場で開幕し、2月には梅田芸術劇場メインホールと愛知・御園座にて上演される。

世界中で「HAIKU」として知られる日本文学の文化のひとつ、「俳句」。小林一茶は有名な俳人だが、実は小林一茶と名乗るまでに“空白の10年”がある。本作は現代と過去を交錯させながら、小林一茶の知られざる10年を大胆かつファンタジックに描くオリジナル新作ミュージカルだ。

原案・作詞・作曲は、『ナイン』、『タイタニック』で『トニー賞』の最優秀作詞作曲賞を2度も受賞した、ミュージカル界の巨匠モーリー・イェストン。脚本・訳詞はディズニー映画『アナと雪の女王』などの訳詞をした高橋知伽江。そして、演出はミュージカル『ナイン』にて『第28回読売演劇大賞』最優秀演出家賞などを受賞し、モーリーからの信頼も厚い藤田俊太郎。

初日を前にした9日(金)、初日前会見とゲネプロ(総通し舞台稽古)が行われた。その様子を写真とともにレポートする。

(前列左から)藤田俊太郎、海宝直人、岡宮来夢、(後列左から)潤花、豊原江理佳

(前列左から)藤田俊太郎、海宝直人、岡宮来夢、(後列左から)潤花、豊原江理佳

ーーまずはご挨拶をお願いします。演じる役についても教えてください。

海宝直人(以下、海宝):シンガーソングライターの大町海人役を演じさせていただきます。このキャラクターは1曲がバズって、評判になったんですけれども、それ以降、曲が書けずに苦しんでいて。その根底には、家族、特に母との軋轢が心の中に横たわっています。母はずっと小林一茶や俳句の研究をしていたんですけれども、ある日、パリで亡くなったという訃報が突然舞い込んできて。そこから、一体、母が何を原稿(研究レポート)に残し、海人にどんな思いを託そうとしたのかを、海人が読み解くべくパリに行って、そこで出会いもありながら、様々なことを発見していく。特に一茶の旅路を共に見ていきながら変化していく。そんなキャラクターです。

岡宮来夢(以下、岡宮):若き日の小林一茶を演じさせていただきます。小林一茶には、史実にはない空白の10年間がございます。その中で、鎖国中の日本で一茶がパリに行っていたのではないかという世界初の設定のもと、生きております。海人のお母さんが書いた原稿の中の小林一茶ということで、そのお母さんの思いも乗っかった一茶と解釈し、海人にとってどんな一茶でありたいかも意識しながら稽古を進めてまいりました。舞台稽古を動画で見ているだけでも楽しくて、これをお客様に早くお見せしたいなと、本当に楽しみな気持ちでいっぱいです。よろしくお願いします!

海宝直人

海宝直人

岡宮来夢

岡宮来夢

潤花:フランス・パリの日系人、ルイーズ役を演じさせていただきます。副業はガイドで、本業は振付家・ダンサーの女性です。ガイドのお仕事中に(海人の母親である)大町絹子さんと出会い、海人とともにパリで絹子さんの物語、そして小林一茶とテレーズの物語に触れ、いろんな出会いとともに時間を積み上げていって、最後、ものすごく温かいものを身に染みて感じております。(稽古場から)劇場に来て、お衣装、セットや音楽でまた新たなものが見えていますし、お客様に見ていただいたら、また新たなものになるなとも感じております。頑張りますので、よろしくお願いします。

豊原江理佳(以下、豊原):私はフランス・パリで女優として活動している傍ら、その裏で革命に身を投じるテレーズ役を演じさせていただいております。ちょうどフランス革命の始まりの時期を生きていて。社会を良くしようという運動がフランス革命に繋がっていった、その火種の時代に活動しているという役どころです。その中で、パリに来た一茶と出会い、お互いに影響し合い......というお話になっています。私の役が一茶にどういう影響を与えることができるのか、そしてその2人の物語が海人にどういう結末を出すことができるのかが、見どころの1つになっているのかなと思います。

(この作品には)江戸時代の人たちと現代の人たちが出てくるんですね。交差したり、一緒に存在してたりする中で、幸せの形の違いだったりが見えてきます。今のこの時代の人に見ていただいて、私たちにとっての幸せとか居場所って何なんだろうと考えてもらえる作品になっているんじゃないかなと、個人的に心掴まれまして。お客様にどういう風に届くのか、ちょっとドキドキしているんですけど、とても楽しみです!

潤花

潤花

豊原江理佳

豊原江理佳

藤田俊太郎(以下、藤田):この流れでいくと、私が演じる役は......ございません。申し訳ございません(笑)。

一同:(笑)

藤田:私は演出ですので、演出の立場から少しだけお話しさせていただきますと、2ヶ月にわたるリハーサル、そして今、舞台稽古を重ねてきて、いよいよ本番を迎えます。本当に新作ですから、このリハーサル期間というのは、本当に1日1日、一瞬一瞬が驚きと発見と成長に溢れている日々でした。僕にとっては本当に大好きなカンパニーの皆さんです。プランナー、スタッフ、キャストの皆さん、オーケストラの皆さん。この愛おしいカンパニーと一緒に一丸となって新作ミュージカル『ISSA in Paris』を作り上げました。この作品は、1つの言葉を通して、劇場で喜びやものを作る、その真実に出会う物語だと思います。お客様にはですね、お一人お一人にとっての大事な言葉を思い出していただきながら、この素晴らしい音楽、思わず口ずさみたくなるような楽しい歌をぜひこの劇場から持ち帰っていただけたらと思っております。

藤田俊太郎

藤田俊太郎

ーー今色々お話いただいて想像しているんですが、国も時空を超えてどんな舞台になっているのか、もう少しお話しいただけませんか。

藤田:キャストの皆さんからキャラクターについてお話がありましたけれど、作品全体が大町海人さんのお母さんが書いた物語の中に海人が入って、という仕掛けになっておりますので、本来であれば出会わない価値観とか、出会えない時代にどんどん出会っていって、海人にいろいろな方が影響を与える。そういうような物語なんですけど......分かりづらいですか?

ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

ーー藤田さんらしい演出も舞台で見られる。

藤田:もちろん、出会うはずのない人々が出会ったときに生まれる、新しい価値観や喜びを表現している作品ですので、いろいろな時代のいろいろな場所の人たちがおります。そこに共通しているのは、抗ったり戦ったり、格差の中で生きようと必死になっている人たちの姿、民衆の姿です。現代、過去のパリ、そして現代のパリ、そして過去の日本で、抗いながら懸命に生きようとする人々の姿を海人、そして一茶が見たときにどういう風な価値観に出会えるのか。これが大きい主題です。だからこそ、衣装も全然違います。

あとスタッフ総力戦で、これは魔法のようにと言っていいと思うんですけども、時代や場所や設定や感情を一気に変えるという仕掛けを全編通して織り交ぜながら、もし“藤田さんらしさ”というならば、僕らしさを生かしながら、ラストシーンをみんなと一緒に作り上げました。

ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

ーー魔法のような世界観に入って、いつもと違うと感じたことはありますか?

岡宮:ありましたね! 稽古中からいろいろな話をして、いろいろな意見を聞いてくださって。藤田さんで本当によかったなと思いながら。僕らも新作を手探りで作っていったので、藤田さんでよかったと思いながら、舞台稽古を進めていって、ラストシーンを通したときはあまりにも美しすぎて、本当に藤田さんでよかったと思いました。それを動画で確認しながら、自分の位置やお芝居も確認し、本当に藤田さんでよかったなと、いや、何回言ったか分からないですけど(笑)、過ごしておりました。藤田さんらしさが光っていると思います。

海宝:そもそも構成がすごく独特で、かなりオリジナリティがあるなと思っています。主たる人物が物語の中でいろいろな出会いや経験を通して変化していくのがミュージカルでは多いと思うんです。でも、海人というのは、母が残した原稿の中で一茶の生きる旅路を見ながら、革命にだんだん投じていきそうになっていく、どんどん近づいていく2人(一茶とテレーズ)を、最初は俯瞰し傍観者として見ていく。こういうスタイルはなかなか珍しいと思うんですよね。

それをどういう風に成立させて、お客様が海人というキャラクターに対して思いを乗せて、最後のシーンにお客様の心を繋いでいくかが肝になると思うんです。「あ、ここはこうやって入っていくんだ」とか「ここでこういう風に参加しているんだ」みたいな、普通の人では出てこない藤田さんのアイデアが散りばめられているので、お客様にとっても新鮮な、新しい出会いとして、この作品を楽しんでいただけるのではないかなと思います。

ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

ーー今回、皆さんがこの新作から得られたものは何ですか?

海宝:新作を作っていくというのはとても大変な作業ですが、カンパニーの団結力みたいなものがすごく強まったなというのは感じますよね。キャストだけではなくて、クリエイターチームの皆さんもそうですし、スタッフの皆さんもそうですし、この藤田さんの導きのもとで、この作品の世界をどうやって実際に形にして、魅力的に作っていくのか。本当にみんなでいろいろなことを考えて、ディスカッションしました。日本の稽古環境だと決して潤沢な時間があるわけではないですが、できる限りみんなでいろいろなアイデアを出し合いながら、藤田さんのビジョンを実現していく作業をしてきました。昨日も稽古で後半の結構長めのセクションを通したんですけど、絆に心が熱くなるっていうか。ありがたい時間だったなと改めて思っています。

岡宮:僕も日本初演、日本初演というか世界初演の作品に携わらせていただく経験が初めてだったので、どうやって作っていくんだろうというところから始まり......そして緻密にみんなで話し合いながら、こうでもない、ああでもない、じゃあこれだ、これでもないというのをずっと繰り返しながら、自分たちがこれだと思えるものに到達できたときの喜びがありました。チームとしての、カンパニーとしての一体感が存分に舞台上に乗っかるなと。得たものとしては、この最高の仲間たちです!

ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

潤花:私もこの作品で皆さんと過ごした時間は、一生忘れられないんだろうなと思います。オリジナルという、自由でありながら、その自由の難しさをものすごく痛感したんですけれども......時代柄、人と人とが直にぶつかったり向き合ったりすることが、コロナ禍以降は減ってきている中、このカンパニーの皆さんとお稽古してきた今日までの時間は、皆さんと心で会話して、この作品のために1つの方向に一緒に向かっているなと肌で感じてきました。きっと明日からの日々も忘れられない日々になるんじゃないかなと思っています。

豊原今まで参加させていただいた作品って、ある程度形がもう出来上がっていて。キャラクターも正解があるわけではないんですけど、1つの枠があったりして、その中で自分らしさを入れていったり、自分の中の正解を見つけていくみたいな作り方でした。今回は本当にまっさらなところから始めて、皆さんと毎日たくさん会話をして、コミュニケーションを取って、「これってこうなんじゃないかな? こうなんじゃないかな?」と最後まで試行錯誤しながら作りました。なので、全てのキャラクターが本当にその俳優さんらしさがすごく詰まっているんじゃないかな。それが私はすごく魅力だなと思っています。なので、もう何回もやりたいです!

一同:やりましょう!

豊原:そのくらい、本当にみんなで汗かきながら作った作品なので、宝物になるなと思います。

ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

ミュージカル『ISSA in Paris』のゲネプロの様子

ーー音楽の見どころについてもコメントいただけますか?

海宝:やっぱり音楽の力はすごいです。とある曲をオケの皆さんが練習しているところに、僕らが途中から入っていったんですけど、キャストみんな、待って、待って、待ってってね(笑)

岡宮:立ち上がりましたよね(笑)

海宝:本当にオーケストラの編成も豪華ですし、森亮平くん(音楽監督・編曲・キーボードコンダクター)のアレンジも、モーリーさんの音楽も、W森(モーリー)なんですけども(笑)、本当に素晴らしくて。聞きどころ満載なので、楽しみにしていただけたらと思います。

岡宮:M1(1曲目)で、これも言い過ぎじゃなく、来てよかったと思えると思います。

海宝 :特にミュージカルを普段たくさん見てらっしゃる方ほど、ちょっと驚くかもしれないですね。この新しい世界観に。

ーーでは、最後に、今の思いを俳句で表現していただいて良いでしょうか?

海宝 :もう......(笑)。......参ります。〈もう初日、ワクワクドキドキ、楽しみだ!〉

岡宮:一茶役って僕ですよね(笑)......〈来たぞこれ、楽しみいっぱい、頑張るぞ!〉

▼ゲネプロレポート

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