クラシック・バレエ永遠の傑作 新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』が開幕し、舞台写真が公開
新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』最終舞台稽古より 撮影:鹿摩隆司
2026年6月5日(金)新国立劇場にて、クラシックバレエの不朽の名作『白鳥の湖』が開幕した。
クラシック・バレエのアイコニックな作品として有名な『白鳥の湖』。王子と姫の恋、それを邪魔する悪役、そして情景を美しく表現するコール・ド・バレエというクラシック・バレエの基本要素が凝縮され、バレエ団としての真価が問われる作品です。白鳥のオデットと黒鳥のオディールの二役を一人のダンサーが踊るのも『白鳥の湖』の大きな特徴で、主役ダンサーの性格の違う二役を踊り分けるテクニックと表現力にも注目したい作品。
新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』最終舞台稽古より 撮影:鹿摩隆司
新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』最終舞台稽古より 撮影:鹿摩隆司
そうしたクラシック・バレエの王道の魅力に加えて、ピーター・ライト版では演劇的な要素が加わり、まるでシェイクスピア劇のようなドラマティックさが際立つ。フィリップ・プロウズによる重厚感のある美術・衣裳も、観客をその世界観へ誘う。
ピーター・ライト版ではプロローグ冒頭、王の葬儀のシーンから物語がスタート。このように、王子をはじめとするキャラクターたちの置かれた状況や設定が論理的に示され、それぞれの心理描写も緻密に表現されている。
新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』最終舞台稽古より 撮影:鹿摩隆司
新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』最終舞台稽古より 撮影:鹿摩隆司
3幕の宮廷の舞踏会、王子の花嫁候補たちの踊りも独特な演出のひとつ。民族舞踊の群舞だけでなく、3人の花嫁候補がヴァリエーションを踊り、各々が国を代表してやってきたというストーリーがしっかりと見える演出となっている。その他、4幕のそれぞれが意思をもった白鳥たちのドラマティックな群舞や衝撃的なラストなど、ライト版の見どころは枚挙に暇がない。厚みのあるストーリー展開を劇場で楽しもう。
新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』最終舞台稽古より 撮影:鹿摩隆司
先王である父の死後、王子ジークフリードは新たな王として戴冠し、結婚することが求められていた。彼はそれまでの自由を失うことを恐れ、愛してもいない結婚相手を選ぶことにためらいを感じていた。ジークフリード 21 歳の誕生日の夜、彼に弓矢のプレゼントを贈るために宮廷の友人たちが集った。友人でもある侍従ベンノがジークフリードの気晴らしのために催した宴の真最中に、王妃である母が現れる。宮廷がまだ喪に服している中での大騒ぎにショックを受けた王妃は、翌日には花嫁を選ばなくてはいけないと王子に告げ、意気消沈した彼をその場に残して立ち去る。ベンノはジークフリードを元気づけようと、友人たちと未来の王位継承を祝って乾杯のダンスを踊る。友人たちが帰っていった後、白鳥の一群が空を渡っていく。ベンノはジークフリードにプレゼントの弓矢を試すよう促し、二人は白鳥たちを追っていく。
湖岸に着いたジークフリード王子は、ベンノに白鳥を探しに行かせる。一人残った王子は、そこに魔術師ロットバルト男爵の邪悪な存在を感じとる。突然一羽の白鳥が舞い降りてくる。そして王子が驚き見つめるなか、美しい乙女に姿を変える。その若い娘こそオデット姫であった。オデットと彼女の仲間たちはロットバルトによって白鳥の姿に変えられ、夜の間だけは人間の姿に戻れるのだ。オデットにかけられた魔法は、まだ恋をしたことをない者が彼女に永遠の愛を誓い、結婚の約束をすることで解くことができるという。ジークフリードはオデットへの永遠に続く真実の愛を誓う。姿を現したロットバルトにジークフリードが矢を向けるが、オデットはそれを遮り、魔術師が死ぬと、魔法の呪いは永久に解けなくなると話す。さらにオデットは、もしジークフリードが愛の誓いを破るようなことがあったら、彼女は永遠に白鳥の姿でいなくてはならないと伝える。やがて夜明けが訪れ、オデットと仲間たちは白鳥の姿に戻り、湖へと帰っていく。
翌日、壮麗なレセプションには、ジークフリード王子の結婚相手の候補として3人の王女が招かれていた。3人の王女たちはそれぞれジークフリードのために踊りを披露するが、彼は心ここにあらずの様子で、花嫁を選ぶことを断ってしまう。ファンファーレが鳴り響き、予定されていなかった客人の到来を告げる。それは使節に身を扮したロットバルトと、魔法でオデットそっくりに姿を変えた、彼の娘オディールだった。
王子は驚くほどオデットに似たこの見知らぬ客人に心奪われ、やがてこの女性が白鳥の姫だと信じ込んでしまう・・・。
公演情報
新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』
Swan Lake
振付 マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ/ピーター・ライト
演出 ピーター・ライト
共同演出 ガリーナ・サムソワ
音楽 ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
美術・衣裳 フィリップ・プロウズ
照明 ピーター・タイガン
指揮 ポール・マーフィー/冨田実里
管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団
出演 新国立劇場バレエ団
2026年6月5日(金)~6月14日(日)
*ロビー開場は開演 60 分前、客席開場は開演45分前です。開演後のご入場は制限させていただきます。
【会場】新国立劇場 オペラパレス
【予定上演時間】約2時間55分(休憩含む)