ペイトン尚未が1stアルバムに込めた想い、アーティストデビューから3年で積み上げてきた”らしさ”とは

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2026.6.28
ペイトン尚未

ペイトン尚未

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TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』平安名すみれ役でもお馴染みの声優アーティスト・ペイトン尚未、アーティストデビューから3年にして待望の1stアルバム『らしさ』をリリース。凛とした強さや透明感が感じられる疾走感溢れるリード曲「らしくあれ」や、自信が好きなボカロ曲を彷彿とさせるトンチキソング「にんげんもーど」などの新曲5曲に加え、これまでにリリースしたシングル表題曲や配信リリース限定楽曲など全10曲が収録されている。「10曲全てがリード曲!」と胸を張る彼女に、1stアルバムそしてアーティスト活動への想いを存分に語ってもらった。

――ペイトンさんは2023年3月にアーティストデビュー。そこから3年が経過しましたが、定期的にシングルをリリースしたりライブ活動を行ったりしてきたこの期間を振り返ってみて、いかがですか?

いろんな方と出会うきっかけが、すごく多かった3年間だなって思います。こうして取材していただいたりすることで出会う方々だったり、私がアーティスト活動をしていることを知ってライブに遊びに来てくれたファンの方など、いろんな方と「初めまして!」をする機会が増えて、私自身もいろんな人と過ごすことで成長できたし、自分がどう見られているか、自分の歌がどういう人に響いているのかを研究する3年間でもあったので、自分というものをより深く知るきっかけにもなりました。

――例えば、ほかの人を通して見えてきたご自身って、どんどんな自分でしたか?

本当に私は人間らしいな、といいますか。アーティスト活動を始める前の私のことはLiella!で知ってくださっている方が多くて、その活動でのメンバーたちとの接し方で「ペイちゃんってこういう人なのね」って認識していただいていたと思うんですけど、ソロになるとステージに立つのも私ひとりだけ。そういう場面で……「私って、自分が思っているよりもずっと貪欲だな」って気づかされたんです。ステージに対しても「もっとこうしたいけど、今は自分の実力が追いついていない。だったら、もっと成長しなきゃ!」と、ライブを重ねるたびに「もっとこうしたい!」という欲が自分の中で増しているんです。

――そういう貪欲さに人間らしさを感じたと。よく俳優さんや声優さんが音楽活動を始めると、役を背負ってないぶん自分をさらけ出すことが怖いとおっしゃっていて。

わかります! 役を背負ってステージに立っていると、その役に集中してパフォーマンスすることができるんですけど、ソロではそういう鎧がないぶん「自分らしさってなんだろう?」って悩むことも多くて。

――その「自分らしさ」って、この3年間で見つけられましたか?

いえ、まだ見つけている途中ですね。旅の途中みたいな感じです。ただ、その片鱗じゃないですけど……私は音楽が好きだから、「自分の楽曲にこういう要素があると嬉しいな」と常に思っていますし、それを受けてライブのセットリストを考えたり衣装を考えたりすると、絶対に自分の好きな要素が表れています。その好きな色や要素がずっと変わっていないところは、「これは私らしいのかな?」って思います。しかも、ありがたいことに「こういう曲が歌いたいです」という私の願望を、作家さんたちがすごく素敵な形に仕上げてくださる。周りの環境に恵まれているからこそ、好きを貫き通せているのかもしれませんね。

――かつ、そういうペイトンさんの表現したいことを受け入れてくれる、ファンの皆さんの存在も大きいですよね。

ファンの方には感謝してもしきれないほどといいますか。ご自身の時間をたくさん削って私を応援してくださっていることを、この3年間でめちゃめちゃわかりました。このアーティスト活動では、「自分だけが楽しいだけ」のものは作りたくはないなと思っていますし、皆さんにも楽しんでいただける音楽を私自身も好きであって、全員で楽しめたらいいなっていう……理想主義かもしれないですけど、そういう考え方で音楽活動をやらせていただいています。

――自分の内側にあるものをただ吐き出すだけじゃなくて、それをみんなで共有して楽しんで、その経験を還元して次に繋げていく。その連鎖が3年間続いている感じなんですかね。

そうですね。そう考えると、本当に充実した3年間だったと思います。

ペイトン尚未

ペイトン尚未

――その充実ぶりは、今回リリースされる1stアルバム『らしさ』にもしっかり表れていると思いますよ。新曲も非常に充実していますし、既存曲もこうしてまとめて聴くことで改めていい曲が多いなと思いましたし。

自分で言うのもなんですけど、本当にいい曲しかないですよね。自信を持って「10曲全部がリード曲です!」と言えるくらい、マッチョな内容になったと思います(笑)。

――しかも、この1stアルバムがご自身の誕生日にリリースされることも、また運命めいていますよね。

はい! 「いいんですか、こんな誕生日プレゼントをもらっちゃって?」って、びっくりしちゃいました。

――初めてのアルバムを作りますよと知ったとき、ペイトンさんの中では「こんなアルバムにしたいな、こういうものを届けたいな」という漠然としたイメージってありましたか?

全体というよりも曲単位の話になってしまうんですけど、「これは絶対やりたい!」というコンセプトはいくつかありました。それは「とにかく自分の好きなものを全部詰め込んだ、可愛くて女の子らしい曲をやりたい」ということと、トンチキソングを絶対にやりたいということ。この2つは絶対に叶えたくて、あとは作家さんから届いた楽曲を1つひとつ仕上げながら、全体像がどうなっていくのかを楽しみながら制作に臨んでいました。

――アルバムのオープニングを飾る「らしくあれ」も、今までにないくらいにエモーショナルな作風で。1曲目から新たな一面を見せてくれて、グッと引き込まれました。

ありがとうございます! この曲は最初にいただいたときから、「えっ、これを私が歌っていいんですか?」って思うくらい素敵すぎて。変な言い方ですけど、あまりに良すぎて歌うのがちょっと勿体ないと感じちゃったんです。と同時に、だからこそレコーディングまでに「こういうふうに歌いたい」という欲もたくさん芽生えてきました。

――歌詞を読んだときはどう感じましたか?

今まで見せてこなかった部分が全部出てるなって。見せてこなかったというよりは、見せちゃダメなのかなって思っていた気持ちの部分を歌詞に表していただいたので、きっとライブで歌うときは感情が爆発しちゃうだろうなと思いました。

――どういった感情を「見せちゃいけない」と思っていたんですか?

特に〈何が良くてダメか分からないんだ / 得意な笑顔が上手くできない〉から始まる前半部分ですね。あとは〈怖いな 怖いんだいつだって らしくないだろ〉とかも、めちゃくちゃ共感できました。それこそ「なんでこんなに私のこと、わかるんですか?」って、歌詞を読んで驚きました。

――では、そういう歌詞をレコーディングではどのように表現しようと思いましたか?

レコーディングって、歌っていくにつれて「もっとこうしてみてください」という指示とかアドバイスをいただくので、それはもちろんベースにあるんですけど、自分の中ではあまり考えすぎず、とにかく嘘をつかないように向き合ったと思います。

――アルバムのほかの曲では、各曲の主人公をイメージした声色や歌い方を耳にすることができるんですが、「らしくあれ」に関してはちょっと剥き出し感が伝わってきて。それが今おっしゃったような向き合い方によるものなのだと、お話を聞いて納得しました。

ありがとうございます。きっとデビュー当時だったら、この曲は歌えてなかったんじゃないかと思っていて。まだ自分らしさがわからない状態だったし、3年かけてわかってきた今だからこそ歌える。きっと10年後にこの曲を歌っても、また違った感じに歌うんだろうなと思うので、その時その時の自分がリアルに投影される1曲になるのかなと思うと、すごく大切な曲をいただくことができました。

ペイトン尚未

ペイトン尚未

――かと思うと、2曲目の「魔性のレディエーション」はいきなり大人な雰囲気で驚かされます。

この起伏の激しさ含めて、みんなをびっくりさせちゃうぞ!っていう(笑)。私自身、完成したアルバムを聴いて「らしくあれ」と「魔性のレディエーション」で自分の声色が違いすぎて、別人が歌ってるんじゃないかと驚きました。

――こういう表現ができるのも、普段“声”と真正面から向き合う声優というお仕事をされているからこそだと思います。この曲は最初に受け取って、どう表現しようと考えましたか?

大人っぽさが色濃く出ている楽曲なので、発音の仕方を洋楽っぽくしてみようかなと思って、いろいろ挑戦しました。

――「らしくあれ」が自分自身をストレートに打ち出したのに対して、「魔性のレディエーション」は発音の仕方含めて意識的にコントロールしながら歌ったと。「魔性のレディエーション」で特に注目してほしいポイントってありますか?

欲を言えば全部なんですけど(笑)、特にと言われたらやっぱりサビですかね。あと、全体を通してキーも低いところから高いところまで幅広くて魅力的な曲なので、そのメロディの起伏にも注目してほしいです。

――3曲目の「CANDY POP」では思い切り可愛いに振り切っていて、前の2曲とはまったく異なる側面を見せます。

「ペイちゃん、何人いるんだ?」って感じですよね(笑)。これはずっとやりたかったタイプの曲で、私の中にある理想の「可愛い女の子」像をわたあめみたいにふわふわした感じでコーティングした、甘い楽曲です。なので、自分の中でもこの曲を歌う私の姿がすぐにイメージできたので、レコーディングはひたすら楽しみました。

――その可愛らしさを強調させるために、こだわった部分ってありますか?

〈結び直すリボンは私を無敵にする〉っていうフレーズがあるんですけど、私は今日もリボンを付けてるくらいリボンが大好きで。なので、このフレーズは「そうそう!」って共感しかなかったので、レコーディングでも無敵感が伝わるよう胸を張って歌いました。声色に関してはちょっと背伸びして、いつもよりも可愛い声を意識したんですけど、ベースの部分はあまり変わってないと思います。

――で、「CANDY POP」から「にんげんもーど」へと続くわけですが、この流れは自然でスッと入っていけました。

トンチキソングをずっと歌いたかったので、ここで夢を叶えることができました! めちゃくちゃか可愛い曲に仕上がりましたし、特にサビで〈キュンキュン〉ってフレーズがたくさん出てくるところがクセになりますし、レコーディングでもここは一番遊んだところだと思います。本当に楽しかったなあ。とにかくこの曲は、ファンの皆さんも巻き込みながらふざけまくりたくて。変な言い方かもしれないですけど、遊んだりふざけたりしないと勿体ないと思うんです。なので、ライブではいろいろアドリブを入れながらふざけたいなと思っているので、そこも楽しみにしていてほしいです(笑)。

――さらにこのあとに「遠距離片愛」が続くわけですから、高低差の激しいジェットコースターみたいなアルバムですよね。

確かに! ジェットコースターはあまり乗ったことはないですけど、そんな感じがします。いいですね、そのたとえ。これから使わせてもらいます(笑)。

――ぜひ使ってください(笑)。で、その「遠距離片愛」ですが、本作唯一の切ないバラードナンバーです。

一聴するとラブソングに感じるかもしれないけど、実は恋にすごく近い感情の「憧れ」がテーマの楽曲で。歌詞にもある〈恋じゃないよ でも似てる〉みたいに、ストレートに好きな気持ちや愛情を歌うのとは違って、ちょっと表現が難しいなと思いました。ただ、レコーディングでは歌詞の意味をしっかり考えながら、自分の心から出てくる歌声を素直に表現できたので、すごくリラックスして臨むことができました。

――肩の力がいい具合に抜けていて、一言一言を丁寧に伝えながら歌っている印象を受けました。

もちろんどの曲も一言一言を丁寧に伝えたいとは思っているんですけど、確かにこの曲では「憧れ」という身近なものをテーマにしているので、気持ちが乗りやすかったのかもしれませんね。

ペイトン尚未

ペイトン尚未

――いろいろ新しいことに挑戦したアルバム前半の新曲5曲は、これまでの積み重ねがあってこそなんだろうなと、アルバム後半の既存曲を聴くことでより実感できました。

ありがとうございます。1stシングルの「魔法」は3年以上前に作った楽曲なので、特に「遠距離片愛」から続くことで声の出し方の違いに驚くんじゃないかな。アーティストデビューさせていただいた当時は、まだ技術的にも伸びしろがある状態だったと思うので……って自分で言っちゃってすいません(笑)。まだ自分の中で伸びきっていない部分がありながらも、一生懸命がむしゃらに歌っていたので、「魔法」から「ねがいプロローグ」にかけて“歌手・ペイトン尚未”としての歌声がどんどん確立されていく流れを追体験できるんじゃないかと思います。

――偶然かもしれませんが、「魔法」の中に〈その一瞬で世界は変わっていく〉というフレーズがあるじゃないですか。これ、このアルバムにぴったりなフレーズだなと思うんです。その曲のカラーだったりその曲の主人公っていうものを表現する上で、ペイトンさんが歌い出した瞬間にいろんな世界が展開されていて、1曲ごとに異なる色を見せていくという姿勢がデビュー曲の時点で提示されていたんだなと再認識しました。

確かに! すごいですね!「魔法」はライブのたびに歌ってきましたが、確かにこの曲が始まると一瞬で、それこそ魔法にかかったような力が発揮できるというか。同時に、ファンの皆さんの反応も「きたー!」って感じで盛り上がってくださって、その場の雰囲気がガラッと変わるのが本当に面白くて。それがアルバムを通しても感じられちゃうんだよってことですもんね。うわーっ、嬉しいです!

――ご本人は気づいてなかったかもしれないけど、もしかしたら1stシングルの時点で「らしさ」を追求していくことは大きなテーマだったのかもしれないですね。

本当にそうかもしれませんね。

――既存曲の中には、ペイトンさんが作詞作曲した「浪漫てぃっく!」も含まれています。

作詞作曲はずっとやりたかったことのひとつで、初挑戦したのは中学生のときでした。当時アイドル活動をしていたときにピアノの弾き語りで自作曲を披露したことがありましたが、こうして音源になることって改めてすごいことだなと思いますし、この曲の編曲をしてくださった花村智志さんが本当に素敵なアレンジを施してくださったことで、1を100にしてくださいました。アレンジャーさんのすごさを実感する機会にもなりました。

――アレンジに関して、ペイトンさんからイメージを伝えたりするんですか?

はい。「キラキラした、アイドルソングチックな楽曲を目指しています」というリクエストをさせていただいたんですけど、自分の中にあったイメージを遥かに上回ったキラキラ度合いで、ラメとグリッターぐらいの違いでした(笑)。私もトラックを作るためのソフトは持っているんですけど、まだ使い方が全然わからなくて。そもそもどのボタンを押したら音が鳴るのかもわからない程度なので(笑)、絶望的にセンスがないのかもしれないですけど、いつか自分のイメージを自分で形にできるようにもなりたいです。

ペイトン尚未

ペイトン尚未

――この充実したアルバムを携えて、リリース直後の7月4日からは初の東名阪ツアー『ペイトン尚未1st LIVE TOUR「証明」』がスタートします。関東以外での単独ライブはこれが初めてとなりますが、どんなライブにしたいですか?

東京はバンド編成、大阪と愛知はオールスタンディングという違いはありますが、どうやって楽しんでいただこうかなと、今はイメトレ中です。私が中学生の頃にやっていたアイドルグループで、オールスタンディングのライブハウス公演は経験しているんですけど、そのときは200人キャパが最大だったので、今回は後ろまでどれくらい距離があるのか想像がつかないところもありますが、そういう未知数な部分も含めて本当に楽しみなんです。それこそ「ジャンプしたら後ろの方も見えるかな?」とか「お立ち台があったほうがいいのかな?」とかいろいろ模索中ですし、私自身大きなチャレンジの詰まった初ツアーになると思うので、ファンの皆さんとの絆の太さ……あれ、強さでしたっけ?(笑) とにかく、お互いの絆を確かめるような3日間にしたいと思います!

――名刺がわりのような1stアルバムで、アーティストデビューからここまでの流れにひと区切りがつくのかなと思いますが、この先「アーティスト・ペイトン尚未」としてこうなっていきたいという未来のイメージは持っていますか?

はっきり言っちゃうと……実はよくわからなくて。わからないというのはネガティブな意味じゃなくて、人は変わる生きものだし、考え方もきっと10年後と今の自分って絶対違うじゃないですか。なので、今はこのアルバムタイトルにもある「らしさ」を大事に、1つひとつコツコツと活動していきたいなと思っています。応援してくださるファンの皆さんへの感謝の気持ちと誠実な気持ちをとにかく忘れないように、「初心を忘るべからず」じゃないですけど、「ここにいる自分は当たり前じゃないんだぞ!」っていう気持ちを今後も大切にして、みんなの前に笑顔で立てたらいいなと思いますし、そんなアーティストになりたいです。


取材・文=西廣智一 撮影=大塚秀美

ペイトン尚未

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ツアー情報

ペイトン尚未1st LIVE TOUR「証明」
2026年7月4日(土)東京 恵比寿ガーデンホール
1部:開場13:30 / 開演14:30
2部:開場17:00 / 開演18:00
 
2026年7月11日(土)大阪 Yogibo META VALLEY
1部:開場13:30 / 開演14:30
2部:開場17:00 / 開演18:00
 
2026年7月20日(月・祝)愛知 ボトムライン
1部:開場13:30 / 開演14:30
2部:開場17:00 / 開演18:00
 
・東京公演
全席指定 8,800円(税込)
・大阪公演 / 愛知公演
スタンディング 8,000円(税込)

リリース情報

ペイトン尚未 1st Album『らしさ』
【初回生産限定盤】
CD+Photobook<24P>+トレカ<全1種> 三方背ケース入り
SLRL-10182/10183 ¥6,600(税込)
1.らしくあれ
2.魔性のレディエーション
3.CANDY POP
4.にんげんもーど
5.遠距離片愛
6.魔法
7.ネメシス
8.コスモノーツ
9.浪漫てぃっく!
10.ねがいプロローグ
※初回生産限定盤/通常盤共通
 
【通常盤】
CD
SLRL-10184 ¥4,400(税込)
 
【販売店舗】
・ROCKET-EXPRESS:https://www.rocket-exp.com/naomipayton/
・アニメイト全店:https://www.animate.co.jp/shop/
※アニメイト通販は除く
・ゲーマーズ全店:https://www.gamers.co.jp/shop/
※ゲーマーズオンラインショップは除く
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