Spangle call Lilli line 不可侵な“らしさ”を保ち続ける稀有なバンドに訊く、12枚目のアルバム『lull』と8年ぶりワンマンの構想
Spangle call Lilli line
1998年に結成。ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文やチャットモンチーの福岡晃子など、多くのアーティストに影響を与えてきた日本のインディロックシーンの重要バンド、Spangle call Lilli line。
12枚目のオリジナルアルバム『lull』には、スパングルらしいポストロックのテイストが色濃い楽曲だけでなく、ネオアコ、エレクトロ、チェンバーポップ、ジャズ、ジャーマンプログレなど、これまでになく多彩なサウンドが溢れる。しかし、ここではないどこかへ誘う大坪加奈のボーカルを筆頭に、スパングルにしかなし得ない質感が全編を貫く。始動から約30年。新たなトレンドが次々と生まれる世の中の流れに全く左右されずに、不可侵なスパングルらしさを保ち続ける稀有なバンドである。2027年3月に実に8年ぶりのワンマンを大阪・梅田Shangri-Laと東京・恵比寿リキッドルームで計3公演を行うことが決定。これを機に貴重なメンバーインタビューが実現した。
――来年3月に8年ぶりのワンマンが3公演行われます。このタイミングで久々にワンマンをやることにしたのはどうしてだったのでしょう?
藤枝憲(Gt):笹原くんがずっとライブをやりたいって言ってたんですが、タイミングがいろいろと合わなくてずっとできてなかったんですよね。アルバムのレコーディングが終わった後がいいかなと思っていたら、来年3月のタイミングになりました。だいぶ時間は空いてしまいましたが、最短がそこだったんですよね。
笹原清明(Gt):コロナ禍もありましたし、メンバーの家族や仕事の都合もあって、ようやくできることになりました。
――2010年に大坪さんが東京を離れるタイミングでライブ活動休止宣言をしたこともありましたし、そもそもライブの本数は少なかったですが、どんなワンマンにしたいと思っていますか?
大坪加奈(Vo):これまでのライブって見えない透明な壁に囲まれてお客さんに観てもらってるみたいな、一体感があるんだかないような感じだったんですけど、今回はお客さんとの一体感が出るといいなって思います。「スパングルってこういう感じだよね」っていうものは共通してあると思っているので、それに一体感みたいなものがプラスできたらいいかなっていう願望はあります。他のメンバーがどう思ってるかわかんないですけど。
笹原:そうなるに越したことはないですね。これまでは割とお客さんを突き放すようなライブでしたが、大坪さんが言うように、一体となって楽しめるようなライブにしたいですね。
藤枝:おっしゃっていただいたようにライブをそもそもあまりやらないバンドではあるし、これだけ空くとやる方も観る方も探り探りでしょうね(笑)。
大坪:ライブでは常に緊張してるよね(笑)。
藤枝:そう。常に探り探りで、気が付いたらライブが終わってた感覚ですね、毎回。恋愛と一緒でお互いうまく距離を縮められればいいんですけど。その距離感を縮める最初の一歩になればいいのかなっていう。
笹原:大坪さんが拳を挙げるかもしれません(笑)。
大坪:ダイブするかもしれない(笑)。
笹原:それくらいこれまでとは違うライブになってもいいかなって。
大坪:そう言って、全然変わってなかったり。
藤枝:それがスパングルでしょ(笑)。
笹原:でもそれくらいの気持ちはあります。3本あるから3本目は弾けるかもしれない(笑)。しかも、2本目3本目はリキッドルームで2デイズですが、2デイズ自体がスパングルは初めてなんですよね。前日の反省を生かして、弾けたライブができるかもしれないです。
――8年の間に3枚のオリジナルアルバムとベストアルバムがリリースされているので、セットリストも気になるところです。
藤枝:最新アルバム『lull』の曲も昔の曲もやることになると思います。できるだけバランスよく、前回のワンマンの後に出た3枚のアルバムの曲をやりたいなとは思ってますね。まだ何も決まってないですけど。
笹原:ひねくれたバンドですが、今回はあまりひねくれた選曲にはならないかもしれないですね。客席とステージの間に物理的にも精神的にも紗幕を垂らすようなことはせず、みんなで楽しみたいなと思ってます。
■8年ぶりのワンマンだけどなるべく強いメッセージではない、ふわっとしたものがいいっていう話になった。(大坪)
――ライブには『a puff & a lull』というタイトルが付いています。
藤枝:アルバムタイトルもライブタイトルも大坪さんが決めました。
大坪:そうだっけ?
笹原:アルバムタイトルは20個ぐらい候補があって、その中で大坪さんが『lull』がいいんじゃないかって。ライブのタイトルは、僕は全然別のものを提案してたんですけど。
大坪:文章だったよね。もうちょっとキャッチーなものがいいと思って提案したら採用されました。
藤枝:大坪さんが言ってたのは、アルバムタイトルの『lull』には“一休み”とか“一服”とか“一息つく”っていう意味があって。笹原くんのアイディアはしっかりとした文章だったから、そうじゃなくてふわっとした語感のものを選んだのかなって思った。どうだった?
大坪:ライブタイトルの『a puff & lull』はTシャツとかになった時にいいんじゃないかなって。
藤枝:そう。字面を含めていいと思った。
大坪:8年ぶりのワンマンだけどなるべく強いメッセージではない、ふわっとしたものがいいっていう話になったよね。
藤枝:そういう方向でアルバムタイトルもツアータイトルも選んだ気がするよね。「8年ぶりのワンマンです!」っていう感じではなく、気負わずに気軽な感じでできればいいっていう気持ちはあったよね。ちょっとしたラフさがあって良いタイトルだと思った。
大坪:気負ってしまうとめっちゃ緊張するチームなので、荷物は軽い方がいいと思いましたね。
――大坪さんは広島在住ですが、『lull』はどういう風に作っていったんですか?
藤枝:大坪さんが東京から離れてからは、僕と笹原くんとここ20年ずっと変わらないサポートメンバーがスタジオに入って土台を作って、メロディが決まって、歌を入れるレコーディングの段階までは、曲のデータを大坪さんにシェアしてくというやり方で作ってます。
――今回「silence」、「five means」、「talking」、「someone in the flower」と4曲先行配信しました。第一弾の「silence」はスパングルらしい曲だなと思ったんですが、「five means」以降はかなり新鮮な曲が続いた印象がありました。
藤枝:まさにその通りじゃないですか。
大坪:嬉しい。
藤枝:今回のアルバムは統一感があるわけじゃなく、曲が割とバラバラなんですよね。これまではアルバムのコンセプトややりたいことがあって制作が始まっていたんですが、今回は前のアルバムのレコーディングと地続きな感じで、気付いたら4年くらい経っていた。その間にやりたいことをそれぞれ出していきました。最後にミックスをやってくれる(吉田)仁さんの音像や質感で一体感を出してもらうことでかろうじてアルバムになっているというか。
――バラバラの曲を集めたアルバムにするっていうのは、どういう流れで生まれたんですか?
藤枝:とにかくレコーディング期間が長かったので、いろいろ気持ちが変わっていったりして、自然とそうなっていきましたね。
笹原:前のアルバムの『Ampersand』の制作の時、2枚アルバムを作ろうとして、候補が17~18曲あったんです。
藤枝:デモのデモみたいなのがね。
笹原:そのうちの9曲が前回のアルバムになって、残った曲を今回の曲にしました。
藤枝:前作はかなり統一感を持った選曲をしたんです。残った曲たちがかなりバラバラでした。今回、先行配信している「talking」っていう曲は前のアルバムに入れられる状態に近いところまでできていたんですが、『Ampersand』は大人っぽくて夜っぽいアルバムだったので、この曲は違うよねということになって外れて。だから今回は最初から入れることになってました。バラバラな曲が残っている中でコンセプトを決めてしまったら、もう1回ゼロから作ることになるので、バラバラでもいいかっていう感じだった気がするけど。
笹原:大坪さんが歌えば結局スパングルになるっていうのはありますよね。
藤枝:毎回そう思うよね。
笹原:楽器は好きにやっても大坪さんが最後にまとめてくれる。
藤枝:あと仁さんね。そのフィルターが入るとスパングルになるよね。
――大坪さんとしては、これだけバラバラな曲が集まっても、ご自身が歌えばスパングルらしさが担保されるっていう自覚はあるんですか?
大坪:全然、そんな余裕はないです。制作中はガンガン「これよろしく〜!」って曲たちが送られてきて、それにメロディを考えて歌を乗せていくので、「私の声が乗れば大丈夫」とかそういう優雅な感じではないです。来るもの拒まずで「よし、やるぞ!」っていう感じで。
藤枝:やらざるを得ない(笑)。
大坪:期限が決まってるし(笑)。たまにメロディーラインがどうしても出ない時は、どういうメロディをイメージで曲を作ったか聞くことはあります。それで教えてもらったメロディを参考にして作ることもあります。
笹原:今回だと、「Literal」は坂本龍一さんの「The Other Side of Love」、「five means」のサビのリフは櫻井(敦司)さんへの追悼の意を込めて、BUCK-TICKの「ワルキューレの騎行」のリフをオマージュしました。それを大坪さんには言わずに、原曲のメロディだけ聴かせて参考にしてもらって。
――最初に入れる予定だったという「talking」は夜ではなく昼の明るい感じの曲ですよね。
藤枝:そうですね。2回連続で外したらかわいそうなので、今回は入れたいなと。この曲が入るということは、バラバラな感じのアルバムにせざるを得なくなったというか。それを大坪さんの歌と仁さんのミックスでまとめるのが肝になりましたね。その2つのフィルターがかかればなんとかなるっていう経験値もあったので。結果的に良いアルバムになったとは思いますね。
――「talking」のファニーな質感はこれまでのスパングルにはなかったですよね。
藤枝:「こういう曲でもスパングルだよな」って開き直ってOKにしている感じはありますね。もうやり残すことをなくしていきたいので、みんなやりたいことを全部やっていったらいいんじゃないっていうモードになっていますね。さっきも言ったように、何をやってもスパングルにはなるっていう共通の認識はありますし。その話で言うと、今回のアルバムのジャケットが猫なんです。たくさん作品を出してきて、僕としては猫ジャケもやり残したことのひとつで。猫ジャケの本があるくらい猫ジャケの作品は多いですし、笹原くんは嫌がるかなって思ったんですが、「わかった」って言われて「本当?」って思いました(笑)。でも、ちゃんとスパングルっぽい猫にしてくれた。
『lull』 ジャケット写真
笹原:黒猫のジャケはやりたかったんですよね。
藤枝:レコーディングの時に、笹原くんの実家の猫の話になって「いつかジャケにするのもいいんじゃない?」っていう話になって、「five means」の配信のジャケは笹原くんの実家の猫なんです。亡くなっちゃったんだよね。
笹原:25歳まで生きたんですけどね。
藤枝:アルバムも猫ジャケにして。最悪すごい可愛くなっちゃってもしょうがないと思ったんですが、スパングルっぽいジャケットになりましたね。
大坪:すごいいいよね。
笹原:たまたま良い猫ちゃんが見つかった。黒猫っていうのもスパングルっぽくていいなと思って。
■もうスパングルは年に1~2回帰る実家みたいな感じで、会ってもべらべら喋るわけじゃないけど、離れることはできないと思ってます。(笹原)
藤枝:さっきの大坪さんの歌と仁さんのミックスで辻褄を合わせてくれる話と同じで、みんなのスパングルらしさっていうのがちゃんと通じ合ってる。何を投げてもみんなそれぞれのポジションでちゃんと球を返してくれるって思います。
笹原:昔は「こうしないとスパングルっぽくない」とか「自分のギターじゃない」っていう風に力んでた気がするんですが、最近はそういうところがあまりなくても大丈夫だわって思えてきた。
藤枝:本当そう思う。20代30代で解散してたらそうは思えなかっただろうね。
大坪:最初の方は今とは違う意味で頑張ってた。自分も出したかったし。ジャケットも私が作りたいって思ったり。でも途中で「こんな力まなくていいんじゃないか」って思っていろんなものを手放していった感覚がありますね。
笹原:もうスパングルは年に1~2回帰る実家みたいな感じで、会ってもべらべら喋るわけじゃないけど、離れることはできないと思ってます。僕はカメラマンとしてよくアーティストの撮影をしているので、普段は解散や脱退の話が耳に入ることが多いですが、スパングルは永遠に続くような気持ちでやっていけてるのかなと思いますね。
藤枝:笹原くんは昔から、「バンドって自分にとってどんな存在ですか?」ってインタビューで聞かれると「実家ですかね」って答えて、最初はそう感じる理由がわからなかったんです。僕は戦場みたいな感じだと思ってたので。でもだんだんわかってきましたね。きょうだいや親って、どんなに「面倒くさいな」って思ってても切り離せなかったりする。それに近い感じになってきましたね。だからあとはみんな死ぬまでにやりたいことをやりきろうっていう。笹原くんは前から「解散はないな」とも言ってて僕は「わかんない」って思ってたんだけど、最近は解散はないとも思うようになりました。
笹原:ちなみに、この28年ぐらいの活動の中で、僕以外の2人は「辞めたい」って言ったことがあって。覚えてるかわかんないけど。
藤枝:だから続いて良かったよね。
大坪:笹原くんは「辞めたい」って思ったことはないの?
笹原:あったけど言ったことはない。「辞めたい」っていうか「疲れたな」とは思ったことはある。
大坪:私は多分5~6回ぐらい「辞めたい」って思ったと思う。実際に口に出してる?
笹原:うん。
大坪:1回ぐらいは言ったのかな。
笹原:大坪さんの負担が一番大きいので。
大坪:いやいや、負担というか器が小さいからすぐいっぱいになっちゃう。制作の度に溢れていて「うわ~」みたいな気持ちになってますね。でも長いことやってると、普通になってはきてる。本当家族みたいな感じではあります。半年とか1年ぐらい何の連絡も取ってないのにいきなり「あのさー」みたいな感じのメールが来るところとか(笑)。そういうメールって家族みたいな関係性じゃないと送れないと思うので。
――では、どんな曲が送られてきても、昔よりは気負いなく取り組めるようになってるんですか?
大坪:そうですね。でもやっぱり似たようなメロディーにならないようにしようとは思ってるので、生みの苦しみはあります。でも、わからなかったら聴けるっていうのがあるので、アイデアというか。
藤枝:大坪さんに送る前に、スタジオで「こういう感じにしよう」っていう会話は繰り広げられてるんだけど、大坪さんはそれを聞いてないから、背景を教えてほしいってことなんだと思ってますね。スタジオで話していたことを伝えると、「なるほど」って返ってきたりする。でも、大坪さんから聞かれない限りはゼロベースで考えてもらうのがいいと思ってる。曲をフラットな状態で聞いて、大坪さんがなるべく自由にメロディを考えて詞を付ける。それが毎回大変なんだと思うんだけど。言葉には出さないけれど、大変だってことは理解してます(笑)。
大坪:ありがとうございます(笑)。
――『lull』で大坪さんが特に大変だった曲はありましたか?
大坪:今回は聴いてすぐにメロディが出てくる曲が多かったんですよね。結構気に入ってる曲が多いです。
――これまでにはない方向性の曲だなという感覚はあったんですか?
大坪:私の中では全部スパングル節が効いてると思ったけど、でもいろんな角度からアプローチをした上でのスパングルの曲になってるなって思いましたね。
――「someone in the flower」の歌はリズミカルでスタッカートな感じがとてもおもしろかったです。
大坪:あの曲はサビがすごく気に入ってます。あれは笹原くんのギターなんだっけ? あれがメインのメロディになってもいいんじゃないかって思ったぐらい良くて、ボーカルいらないなって思いました。あれを活かして、長くしたいって言って、2回ししてもらって、ボーカルがちょっとバックに回るようなメロディ展開にしました。
■イメージ的にはいきなり高熱で盛り上がる感じじゃなくて、 微熱っぽい熱さっていう感じ。良い感じで気怠さはあるんだけど、熱はある。 (藤枝)
――「someone in the flower」のボーカルが入って、どんな印象がありましたか?
笹原:この曲に限らず、いつも感動するばかりです。「ああ、こんなメロディー作るんだ」っていう。僕が今回一番気に入ってるのは「silence」ですね。楽器だけだと結構淡々としてるんですけど、サビっぽいメロディーが付いたなっていう。しかも盛り上がるようなサビじゃなくて、引いていくような感じなのにサビに聴こえる。エレベーターでふわって落ちる感じのサビで僕は大好きですね。
大坪:なるほど。
藤枝:わかる。大坪さんはそういうのがうまいよね。テンプレっぽくサビで熱くなって盛り上がる感じではなく、ちょっと引いていくんだけど、ちゃんとサビっぽく鳴ってるっていうか。
笹原:僕らの代表曲の「nano」もそういう感じだと思うんです。引いていく感じだけど熱くなるっていうか。心の中で静かに熱くなるみたいな感じがあってとても好きです。
大坪:サビが引いていく感じなんだ? 驚き。でも嬉しいですね。
藤枝:俺のイメージ的にはいきなり高熱で盛り上がる感じじゃなくて、 微熱っぽい熱さっていう感じ。良い感じで気怠さはあるんだけど、熱はある。 結構ベタなコード感でもちゃんとそれをやってくるのが良いよね。
笹原:重力がなくなる感じがするかも。他のバンドは重力がなくなると空に上がっていく感じなんだけど、大坪さんは空とか上とかじゃなくて──。
大坪:異次元?
笹原:七次元くらいになる感じ。七次元は存在しないんだけど(笑)。
藤枝:そうだよね。だいぶ次元が増えたね。
笹原:上でも下でもなく、右でもなく左でもなく、開放される感じ? なんか不思議な感じがする。
――今話していただいたことはスパングルを言語化する上でとても的確だと思いました。まさに微熱な印象があります。
藤枝:言語化しづらいですよね。だからライブも盛り上がりにくいんでしょうけど。みんなで熱く拳を突き上げる感じじゃないし。そんな中でもみんなで共有し合える感じがあればいいのかなっていう。
大坪:良い落としどころができるといいんだけど。
笹原:この前大坪さんと電話でライブの話をしたんだけど、「コール&レスポンスとかする?」って。
大坪:そうそう、そんな感じのバンドならではの(笑)。やってみたくて。どう?
藤枝:別にいいんじゃない?
笹原:サビでマイクを向けるとか?
藤枝:絶対歌えない(笑)。メンバーですら歌えないんだから。
笹原:「Dreamer」とかだったら歌える。「♪dreamer, dreamer」って。
藤枝:でも難しいでしょ(笑)。
笹原:発作的に大坪さんが何かやるかもしれない(笑)。
藤枝:ライブをやってて思うのが、盛り上がりにくいっていうことにも関連してるんですが、みんな大坪さんの歌を熱心に集中して聞きに来てる気がするんですよね。それはすごくいいことだなと。だから例えば「Dreamer」っていうパートを振られても、「大坪さんの歌が聞きたいんだけど」ってなる気がするんですよね。その分かり合えてる感じと一体感というのはまた違うと思うので、微熱なりに一体感は出したいんですけど。俺も音源聴いてても「大坪さんの歌良いな。この歌を聴きたいな」と思うし。
大坪:めっちゃ褒められてる。
藤枝:大坪さんがいないインタビューでは大坪さんのことをいつも褒めてるんですよ。笹原くんも意外とちゃんと褒めてる。
笹原:意外とというか、僕は普通に褒めてるんだけど(笑)。
藤枝:僕も褒めてますよ。
――世の中の移り変わりがどんどん早くなっていて、いろんなものに左右されがちですが、スパングルは不可侵なバンドなんだなと今日お話を聞いてても思いました。
藤枝:世の中から現実逃避するためにバンドをやってるところもありますからね。バンドを仕事にしてないですし。仕事だったら世の中の変化や流れが直撃すると思うんですけど。1年に1回レコーディングのことで話したり会ったりするぐらいで、ライブもやってなかったし、あとは距離を置いてますからね。生きていくためにバンドをやらなきゃいけないわけじゃないのでゆるさはありますね。
大坪:休んでる期間の方が長いことでそれぞれ伸び伸びできるし、関係性は家族なんだけど、音楽は常に新鮮。
藤枝:実家に毎日いたらちょっとギスギスしてくるけど、久しぶりに帰省すると優しくされるようなものなのかも(笑)。それもあってスパングル=実家の意味がわかった。
大坪:やっぱり距離があるのは大事ですね。スパングルの場合は。
笹原:ものづくりってお互いの美学のぶつけ合いで、だからこそ美しいんだけど、僕たちはいいバランスでやらせてもらえてるなって思います。
取材・文=小松香里
リリース情報
<収録曲>
1. Literal
2. seascape
3. five means
4. someone in the flower
5. talking
6. willow
7. silence
8. may say
9. snow line
ライブ情報
2027.03.06 大阪 梅田Shangri-La
OPEN 18:00 / START 18:30
2027.03.20 東京 LIQUIDROOM
OPEN 17:15 / START 18:00
2027.03.21 東京 LIQUIDROOM
OPEN 17:15 / START 18:00