田原俊彦 アイドル界のトップランナーが魅せる、圧倒的パフォーマンスによるツアー初日公演をレポート

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音楽
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田原俊彦

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田原俊彦 Dance with KING of IDOL 2026 ~パーティーはこれからだ!~
2026.7.23 川口総合文化センター・リリア フカガワみらいホール

デビューから47年を迎えた今なお現在進行形で未来を開拓し続けているアイドル界のトップランナー、田原俊彦。彼は、最新ツアー『Dance with KING of IDOL 2026~パーティーはこれからだ!~』の真っ最中。シングル曲メドレーはもちろん、新曲「ナニコレ最高!!!」とそのc/wナンバー「恋のミラージュ」の最新曲2曲のパフォーマンスに、ショーアップされた驚愕のステージ演出で、オープニングからラストまで、タイトル通り大熱狂のパーティーを繰り広げている。そのツアーの幕開けとなった7月23日、埼玉・川口総合文化センター・リリア フカガワみらいホール公演のレポートをお届けする。

2時間以上ぶっ続けのパーティーは想像を絶する凄さだった。ライブ途中の休憩時間はなし。バラードを連発して体力を温存するパートも一切ない。自ら考えたセットリストを、(おそらく)原曲キーのまま超一流の生バンドをバックに、生歌で歌い続け、ダンサーとともに手抜きなしで踊りまくって、もちろんアイドルらしいファンサービスでも来場者を楽しませていく。65歳で、目の前のお客さんを楽しませるためにここまで必死になって全力を振り絞ったパフォーマンスをするアーティストが他にいるだろうか。ときめきに満ち溢れた空間のなかで、ファンの心を解き放ち、きらめかせていく田原は、いまも現役バリバリのアイドル、“トシちゃん“として舞台上で燦然と輝く日本歌謡界きってのスーパースターであることを目の当たりにした。

会場に着くと、ロビーには田原俊彦の様々なパネルが展示されていて、なかでもトシちゃんの直筆サインと日付、会場名が記載された巨大パネルの前は、ファンに人気の撮影スポットとなっていた。かつてトシちゃんと青春を謳歌してきた女性たち、さらには最近増えてきたという男性ファンで埋め尽くされた場内。そのほとんどが、洋服の上にツアーTシャツを着込み、タオル、ペンライトを持ち、開演を待ち構えている。

開演時間を過ぎると場内が暗転。客席が赤いペンライトの光で埋め尽くされるなか、バンドが音を奏でだし、ステージ中央の高台に田原が姿を現わすと、「キャーッ」という悲鳴とともにあちこちから「トシちゃーん!」という黄色い歓声が上がる。歌い出したのは「銀河の神話」。あまりライブでも歌わない意外な選曲で、ファンをハッとさせたあと、2曲目の「ベルエポックによろしく」でさらに観客をスペシャルな舞台装置で驚かせる。この曲のイントロが始まったとたん、立っていた高台から舞台中央へと伸びた滑り台のようなスロープを、田原はなんと立ったまま滑り降りてきたのだ! この演出には、ファンも驚愕! 田原の歌は実際に生で聴くととても伸びやかで、声量も力強い生演奏に引けを取らないほど大迫力なのだ。ブラスセクションがきらびやかに鳴り響くなか、衣装のジャケットの後ろについたリボンをひるがえしながら、「KID」を歌い踊る姿も気合十分。しなやかな身体の動かし方、足のかかと、つま先、手の指先、首の角度、衣装の動き方……すべて計算されつくしたアクションは、ベテランならではの風格。なにもかもがプロフェッショナルで、その所作すべてが美しい。圧巻のパフォーマンスに、思わずため息がもれる。

このあと「元気ですか?」と会場に話しかけた田原は「いよいよ今年のツアー、初日を迎えました」と告げ、「今日は最後まで楽しんでいって下さい」と笑顔で短めに挨拶。そして、そのあとは、男女のダンサーを交え、大人のソウルミュージックで観客をとことん魅了していく。ファンキーな「ジャングルJungle」では男性ダンサーたちとバトルをするかのように、田原が激しく動き周り、キレキレのダンスで客席を圧倒。場内の温度はたちまち急上昇して、観客の盛がりは最高潮に。この熱狂の渦を、バンドメンバーの素晴らしいソロプレイでさらに熱くしていくと、いきなり、さっき田原が滑り降りてきた滑り台のスロープがオープン! そこからド派手な衣装に着替えた田原が出てくると、客席は大興奮! ラテンビートに合わせて、衣装をひらひらさせながらセクシーな動きで、女性ダンサーたち、サックスやギターの音色と絡みながらパフォーマンスしていった「恋のミラージュ」は、前半戦の大きなハイライトとなった。

「暑い...死ぬほど暑い」

歌い終えた直後、田原がつぶやくと、「かわいい!」、「大丈夫?」、「水飲んで!」という声が客席のあちこちから飛び交う。「みんなは大丈夫?」と客席に問いかけたあと、田原は今回のツアーでファンの度肝を抜いた滑り台の舞台演出について「あれはツアーのために発注しました。傾斜がキツくて、斜向40度! スキー場のビギナーコース並み」と話すと、ファンも仰天。65歳でこんな演出を考え、実行できてしまうのは田原ぐらいだろう。だが、そんな田原もさすがに年齢のことを考えて「今年はバラードを増やそう」と考えていたそうだが、最終的にはそうならなかったことを打ち明け、「夏のメドレー作りました」と言って、このあとは「'26 Summerメドレ-」のセクションへ。

今年のサマーメドレーは、田原の作品のなかでも群を抜いておしゃれでセンチメンタルなソウルミュージックアルバム『男…痛い』の1曲目、シンセポップな「誰も聴かないDJの天使のように美しい心」からスタートした。舞台に置かれたベンチに座って、バラード「海辺にて」の演奏が聴こえてくると、客席から悲鳴が上がる。田原がやわらかなタッチの歌声で、せつない夏の情景を丁寧に歌い上げると、観客たちはうっとりして聴き入る。間奏でメランコリックなギターソロが、さらにせつない感情を増幅させていったあとは、エレピが静かに入り、場面を変えていく。そうして《こんなはずじゃなかったよね》という歌いだしから、これまでの失恋の物語をつなぐように「悲しみ2ヤング」をたたみかけると、客席から盛大な歓声と悲鳴が沸き起こる。それに応えるように、当時の振り付けをキメキメで田原が踊ると、場内には瞬く間に熱狂が充満。その熱気をダンサーたちのソロパフォーマンスでさらに高めていったあと、ブルーとオレンジのセットアップに着替えた田原が現れる。このとき、舞台後方にはギラギラの電飾看板が登場。

そしてライブは「'26夏シングルメドレー」へ突入。デビュー曲「哀愁でいと」が始まると、電飾の看板に“トシちゃん”とコールの文字が浮かび上がるという仕組みだ。ファンはこのコールを大声で叫びながら、サビではペンライトを振って、田原と同じ振り付けを一斉に行なう。「ハッとして!Good」などのキラーチューンで盛り上げた。「原宿キッス」が始まると、いきなり空気がガラッと変わる。イントロから田原は足をピンと伸ばして蹴り上げるハイキックを繰り出し、観客たちは一丸となって“大好き惚れたぜ田原俊彦”“なんでもなんでもナンバー1”“原宿キッス1等賞”“いつもニコニコI♡LOVEトシちゃん!” のコールを盛大に叫び、《1度お願いしたい》とみんなで大合唱すると、場内はハッピーな空気に包まれていく。大ヒットシングルたちを贅沢に詰め込んだメドレーでは、コールや振り付け、合唱など、ファンにも80年代に戻ったような気分で、当時の応援スタイルをパーティー気分で楽しんでもらおうというのが田原のシングルメドレーのすごいところ。これでファンの脳と身体の細胞はみるみる活性化! 田原のライブは、アンチエイジングにも役立っているに違いない。

「みんな、着席! 水飲んで」と言って、興奮冷めやらぬ観客たちを座席に座らせて、ファンの体調をやさしく気遣う田原。だが、着席後のトークでは、観客に「初めて来た人?」と問いかけ、手を挙げた人々に「何してたの、いままで」とピシャリ。観客と友達のような距離で話す田原は、スターなのに気取ったところが一切ない。「衣装、新調したんだけどさ、暑いんだよ」と言いながら汗を拭いたり、「衣装よりも新しくおろした靴のほうが高いから」と言って靴を茶目っ気たっぷりにファンに見せたり、「あの滑り台、65歳がやる遊びじゃないよね」と客席に同意を求める田原には親近感さえ感じた。こうしたところも、いままで田原が多くのファンに愛されてきた理由なのだろう。

そして、バンドメンバーを1人ずつ紹介したあとは「ナニコレ最高!!!」のイントロが流れだし、終盤戦のファンクパーティーの始まりを告げる。イントロのホーンから、グルーヴィーなファンクビートが場内に炸裂。カラフルな電飾をバックに、田原はスポットライトを浴びながら腰を振り、ダンサーと列を作って息の合ったフォーメーションダンスでファンを魅了していく。田原の通算82枚目のシングルとなる最新曲に続いて、昨年リリースしたシングル「LIFE IS A CARNIVAL」が始まると、イントロで“踊る門には福来る”~“トシが私のパワースポット”“手加減無しのやり過ぎ王子”“昭和・平成かけぬけて”“令和もあなたに首ったけ!”と客席から盛大なコールが巻き起こり、場内は大いにはっちゃけてカーニバルムード一色に包まれる。誰もが知るヒット曲をたくさん持ちながらも、それだけに頼るのではなく、こうして毎年リリースしている新曲をライブに組み込んでも、みんなに歓迎され、既存曲と変わらない盛り上がりを作ってみせたこのパートは、田原がいまも現役バリバリのアイドルでありスターであることを証明しているようだった。

ジャケットを脱いだ田原が「今年もすごいステージセットを用意してもらって、これで全国を回れて嬉しいです。どうもありがとう。これもみんなのしつこい愛のおかげです」という田原らしい言葉でファンに感謝の気持ちを伝えた。そして、最後はロック調の「Lovesick Rain」をバンドメンバーと向かい合って挑発し合うように、エモーショナルに熱唱し、ラストに田原がキメポーズで“フォー!”と叫んで、本編は終了。

盛大なアンコールを受け、再びステージに田原が姿を現わす。大ヒット曲「抱きしめてTONIGHT」が始まると、もうあの強烈なイントロだけで場内のテンションは爆上がり。冒頭でとんでもないハイキックをきめた田原は、歌いながらクルクル高速ターンを華麗にキメ、アンコールでも田原のパワーは衰えることなく、さらに魅力が全開。そして、夏のパーティーチューン「LOVE&DREAM」ではみんなでタオルをぶんぶん回して場内の熱気をかき回し、ジャンプで大暴れしてこの日のパーティーは終わりを告げた。

サインボールを客席に投げ入れ、最後に挨拶をしてステージを後にした田原。ステージを端から端まで移動しながら、ファン一人ひとりと目線を合わせて、手を振って笑顔を届ける田原は、コンサートの最後の最後までアイドルであり、スーパースターだった。

取材・文=東條祥恵 撮影=西村彩子

ライブ情報

田原俊彦 Dance with KING of IDOL 2026 ~パーティーはこれからだ!~
※終了公演は割愛
9月23日(水・祝)【東京都】NHKホール
10月4日(日)【京都府】ロームシアター京都 メインホール
10月12日(月・祝)【福岡県】福岡市民ホール 大ホール
10月16日(金)【石川県】本多の森 北電ホール
10月25日(日)【愛知県】Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
10月30日(金)【神奈川県】よこすか芸術劇場
11月7日(土)【群馬県】高崎芸術劇場 大劇場
11月13日(金)【鹿児島県】宝山ホール
11月14日(土)【熊本県】熊本城ホール メインホール

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