高真 TRU(ガオ・ジェン)インタビュー 創作の源泉、台湾と日本をつなぐ『Two Waves』への想いとは
高真 TRU(ガオ・ジェン)
9月8日(火)に東京・duo MUSIC EXCHANGEで開催される『Two Waves』は、台湾と日本をつなぐイベントとして、2025年にスタートした対バンライブシリーズだ。第二弾となる今回は、台湾からfuvva、日本からはthe engyとBESPERが出演。そしてあらたに、台湾から高真 TRU(ガオ・ジェン)が来日出演することが発表されている。
高真 TRUは2018年に4人組インディーズバンド・唐貓 SUGARCATを結成し、ドラマー兼ボーカルとして活動をスタート。2020年のアルバム『唐貓』では、台湾最高峰の音楽賞である第31回金曲奨(ゴールデン・メロディー・アワード)で、最優秀ユニット賞(最佳演唱組合獎)にノミネートされている。2023年より、TRU(高真)名義でのソロ活動を開始。ソロ1stシングル「Freedom」では、インディーズ音楽プラットフォーム「StreetVoice(街聲)」の総合チャートで1位を記録した。また、女優でもある曾沛慈(ペギー・ツェン)の楽曲「下週同樣時間」では編曲・プロデュースを担当するなど、作家やプロデューサーとしての活動も活発化させている。
1stフルアルバム『ALIVE』でも、第37回金曲奨・最優秀新人賞(Best New Artist)にノミネートされるなど、さらに勢いを増す高真 TRUが来日を前にインタビューに応じ、これまでの音楽活動や創作の源泉、日本での初ライブへの想いを語った。
誠実さというものが、最終的にはアートの核になる
高真 TRU(ガオ・ジェン)
――まず、簡単に自己紹介と、現在の音楽活動について教えてください。
皆さん、こんにちは。高真(ガオ・ジェン)TRUです。歌手、音楽プロデューサーとして活動しています。ブラックユーモアが好きで、よく独り言も言っています(笑)。現在は新しい作品を制作している段階で、常に新しい感覚を探し続けています。同時にライブ活動も続けているので、ぜひInstagram、YouTube、Facebookなどもフォローしてもらえたら嬉しいです。
――「高真 TRU」という名前は、どのようにして生まれたのでしょうか? 何か特別な意味やこだわりはありますか?
TRUは「True」から来ていて、高真の「真」という字にもつながっています。僕は、誠実さというものが、最終的にはアートの核になると思っています。何かの目標や利益のために、自分に正直ではないものを作って追い求めたとしても、たとえ成功したとしても、長くは続かず、いずれ崩れてしまうことが多いと思うんです。だから僕にとっては、どんな媒体であっても、何を伝えたいのであっても、本当に自分自身のものである声と、誠実な意図を見つけることがとても大切です。
――音楽には、ソウル、R&B、フォーク、ポップスなど、さまざまな要素が感じられます。創作するときは、普段どこから始めることが多いですか? メロディー、歌詞、それともその時の感情でしょうか?
パソコンを使いすぎたせいかもしれませんが(笑)、いわゆる現代病ですね。最近はほとんどの場合、制作やアレンジから始めています。まずある程度完成に近いサウンドを作って、そこから曲のテーマを感じ取り、メロディーや歌詞を書いていくことが多いです。ただ、最近は歌詞から始めることにも挑戦しています。まず自分が本当に伝えたいことを書き出して、そこから、それに合うサウンドを探していく。そうすることで、もっと自然に感情を表現できる機会を見つけられたらと思っています。僕、本当に感情を表に出すのが苦手なので(笑)。
――これまでご自身の作品だけでなく、さまざまなアーティストの楽曲制作やプロデュースもされてきました。「誰かのために曲を作る」ことから「自分自身の物語を書く」ことへ変わった時、どんな違いを感じましたか?
多くの場合、自分は人の物語を書くほうが得意なのかもしれないと思っています。たぶん、第三者だからこそ見えるものがあるからでしょうね(笑)。自分自身の物語を書くと、どうしても盲点があったり、主観的になりすぎて、少し変な解釈をしてしまうこともあります。結局、自分自身のために作品を作るというのは、すごく挑戦的なことだと思います。人生の旅の中では、それぞれの段階にそれぞれの難しさがあって、やがて突破口を見つける瞬間もやってくる。でも、ひとつ乗り越えたと思ったら、またすぐに新しい壁に直面する。でも、もしそうじゃなかったら、人生ってちょっと退屈じゃないですか?
『Two Waves』で日本初ライブに臨む
高真 TRU(ガオ・ジェン)
――9月8日に東京でライブを行いますが、今回が初めての日本公演ですか?どんなことを楽しみにしていますか?また、日本の音楽シーンにはどんな印象を持っていますか?
そうです! しかも、まったく違う言語の環境でライブをするのも初めてなので、本当に楽しみにしています。社交辞令ではなく(笑)。場所が変われば、文化も観客の反応も、そこにある空気感も大きく変わります。日本のリスナーがその場でどんな反応をしてくれるのか、どんな形であっても、とにかく早く感じてみたいです。子どもの頃、いくつかのアニメをきっかけに日本の音楽に触れました。その後、少し大きくなってからジャズドラムを学ぶようになり、CASIOPEAやT-SQUAREのような、日本を代表するフュージョンバンドも聴くようになりました。僕が日本の音楽に対して感じているのは、比類のない技術力と、強い包容力、そして文化を自分たちのものへと変換する力です。音楽を学んでいた当時の自分にとって、それはとても刺激的で、勇気をもらえるものでした。
――初めて高真の音楽を聴く日本のリスナーに向けて、自分の音楽をどのように紹介しますか? また、初めて聴く人におすすめしたい曲を1曲教えてください。
僕と同じように、いろんなジャンルの音楽を聴いて育って、リズムやメロディーが好きな人なら、きっと僕の音楽も気に入ってもらえるんじゃないかなと思います。おすすめしたいのは、最新シングルの「眼淚乾麵」です。
――昨年リリースした初のフル・オリジナルアルバム『ALIVE』は、第37回金曲獎の最優秀新人賞にもノミネートされ、高い評価を受けました。成長、愛、孤独、人生の選択など、さまざまな物語が詰まった作品ですが、今振り返ってみて、現在の自分を最も表している曲はどの曲でしょうか?
やっぱり、タイトル曲の「ALIVE」かもしれません。アルバムをリリースしてから、ちょうど1年以上が経ちました。その間にも、自分の心境はずっと変化し続けています。今このタイミングで僕にとって一番大切なのは、次の方向を探すこと。そして、もう一度新しい情熱を見つけて、また歩き出すことです。
――音楽以外で、最近特に気に入っている映画や本、アーティスト、その他の作品はありますか?
最近、以前好きだった本をもう一度読み返しています。アルベール・カミュの『異邦人(L’Étranger)』です。初めて読んだとき、彼の人生観から大きな影響を受けました。最初にこの本を読んでから、もう10年以上経っているので、今もう一度読むと、きっと当時とはまったく違う感覚を持つんじゃないかと思っています。まだ読んだことがない方には、ぜひおすすめしたい一冊です。
――これから高真として、どのような活動を予定していますか? 新しい作品やライブ、海外活動など、現時点で少しだけでも教えていただけますか?
アルバムをリリースしてから1年が経った今、僕にとって一番大切なのは、新しい作品を準備することです。この1年間、たくさんの挑戦があって、いろいろ考えたり、試したりしてきました。まだ詳しくは言えませんが、少しだけ予告すると、これからの作品はまったく新しい章になると思います。ぜひ一緒に、日々の生活に新しい表情が加わっていく、その喜びを感じてもらえたら嬉しいです。
――最後に、日本の観客の皆さんへメッセージをお願いします。
音楽を通して、お互いを知ることができるのを本当に嬉しく思っています。とても幸せなことだと思います。僕の音楽やライブを通して、皆さんにも何か新しい感覚を受け取ってもらえたら嬉しいです。これからも音楽を通して、皆さんと繋がっていけたら嬉しいです。
Two Waves