浦島坂田船、新たな表現領域へ踏み出した4人による“タブー”がテーマのアリーナツアー・LaLa arena TOKYO-BAY公演をレポート
浦島坂田船
浦島坂田船 SUMMER TOUR 2026 TA13OO
2026.8.8 LaLa arena TOKYO-BAY
うらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラの4人からなるボーカルユニット・浦島坂田船が、2026年7月から8月にかけて全国5都市を巡るアリーナツアー『浦島坂田船 SUMMER TOUR 2026 TA13OO』を開催した。“タブー”をテーマに、7月1日にリリースした11thアルバム『TA13OO』に収録のダーク&セクシーな新曲を軸に構成された本ツアー。4月1日にフェーズ2への移行を完了した浦島坂田船が新たな表現領域へ踏み出したことを、強く印象づけるものとなっていたように思う。ここでは、8月7日と8日に千葉・LaLa arena TOKYO-BAYで行われた2デイズ公演のうち、2日目の模様をお伝えする。
「本当の幸せってなんだと思いますか?」
平凡だけれど満たされているはずの日常にふいに差し込んだ、不義の影。“タブー=禁忌”の入り口に立つ主人公をそれぞれのキャラクターをいかしてエスコートする4人の実写映像が、crewの胸の鼓動を加速させていく。すると、突然ステージが明るく照らされ、上段にスタイリッシュなジャケット+パンツのブラック衣装に身を包んだメンバー4人の姿が! アルバム『TA13OO』の始まりを告げるおとなジャジーな「THE TABOO」は、まさに今回のツアーのセットリスト1曲目に相応しい。ピンクのライトの下、歌声と表情とダンスでインモラルな世界へといざなう、あまりに刺激的な幕開けだ。
となりの坂田。、うらたぬき
浦島坂田船
自信たっぷりな歌とダンス、ジャケットがちらっとはだけるモテ仕草で挑発した「青く塗り替えろ!」。4人それぞれトロッコに乗り込んでアリーナ客席通路を進み、ファンサしながら歌った「U.S.S.S HOLIC」。ダンサーも加わりファンキーに振り切った「むしろ Why?」。順繰り丁寧に歌をつなぎサビで全員の歌声が美しく重なった、4人のメンバーカラーが歌詞に含まれる「マスカレード」。新旧さまざまな色合いを持つ楽曲たちが、結成から13年堅実に磨き上げてきた4人の歌声、表現力によって輝きをよりいっそう増していく。
うらたぬき
志麻
「これ以上親しくなってはいけない」
衝動と後ろめたさのはざまで葛藤する主人公は、<時間まで君を離さない>という宣言、4人の美しく切ないハーモニーが響く「ココ マドモアゼル」で、ついに禁断の一歩を踏み出してしまう。「溺愛」と「秘密のプレイルーム。」では、光や映像の演出が映えるパネルを駆使したパフォーマンスで、愛に溺れ一線を越えてしまう情欲を時に生々しく、時にアーティスティックに描き出した4人。のぞいてはいけないような、でも決して目を離せない背徳感の共有をしてしまったcrewも、もう後には戻れない。
となりの坂田。
センラ
「今この瞬間だけは私に彼をください」
罪の意識にさいなまれながらも、欲望を抑えられない主人公。「Hate me↑↑Love me↓↓」では、4人がセンターステージから登場。赤いライトに照らされながら歌い踊る4人を表す言葉は、“妖艶”以外にない。
ジャケットを脱いで黒シャツ+黒パンツで4人のスレンダーなシルエットがあらわになったのは、「ホエールホール」だ。センターステージ中央のまわる赤い円柱ステージも使いながら躍動し、それぞれにシャツを大胆にはだけて、吐息を漏らす場面も。ファイヤーボールが噴き上がる「火炎」では前がはだけたまま、白い肌に浮かぶキスマークを見せつけながら、情熱的な歌とダンスで沼に引き込んでいく4人。本当に罪深い。
浦島坂田船
浦島坂田船
“タブー”をテーマにした物語に「火炎」で一区切りをつけると、恒例の幕間VTRでは“悪い顔選手権”を繰り広げ、メンバー同士の足の引っ張り合い(⁉)も交えながら客席を笑いの渦に。ちなみに、迫真の逃走劇での必死すぎる表情で悪い顔1位を勝ち取ったのはとなりの坂田。であったことも記しておく。
スタンドマイクに向かい伸びやかなハイトーン、クリアなファルセットを響かせた、センラの「Tokyo Highway Driving」。<こっち来いよ>とオラつき度マックス、不穏な歌詞もコード進行も手なずけてしまううらたぬきの「Addiction」。時に向き合ったりすれ違ったりしながら、愛と憎しみをドラマティックに交差させたうらたぬき&となりの坂田。の「アナタサエ」。K-POPを思わせる重ビートに得意のラップ、ダイナミックなダンスが映えた志麻の「Wolf Gang」。エレキギターをかき鳴らしながらエモーショナルに歌いつつ、最後の「ちょっと失敗しちゃった」と言って見せた照れ笑いもご愛敬だったとなりの坂田。の「ヒットチューン」。ぎゅっと隣り合ったりアイコンタクトをしたりコミカルなダンスをしたりと息ぴったり、<しません>コールを満開笑顔で浴びた志麻とセンラの「独占フルスロットル」。浦島坂田船の表現の幅がタブーなき挑戦心でますます広がっていることを感じさせてくれた、『TA13OO』に収録のソロ曲&デュオ曲である。
浦島坂田船
浦島坂田船
黒衣装から打って変わって白衣装に着替えた4人がセンターステージにそろい、メインステージ前にファイヤーボールが噴き上がったのは「Secret Answer」。crewの鳴らす大きなクラップ、うらたぬきのハイトーンにとなりの坂田。のシャウト、肩を組んで体を折りたたむように音に身をゆだねる4人の姿。本家への愛とリスペクトを込めた全力カバーにも、胸が熱くなる。
うらたぬき
志麻
となりの坂田。
センラ
和やかなロングMCタイムをはさみ、「カレンダーリマインダー」では再びそれぞれがトロッコに乗り込みアリーナ客席通路へ。合流ポイントでうらたぬきと志麻が向き合って同じポーズをしたり、となりの坂田。とセンラがハートマークをつくったり、4人全員笑顔で肩を組んだり。「Sailor’s High」では、crewの大合唱を浴びながら4人でジャレあったり。先のMCタイムでも感じたことだが、ライブを重ねるごとに4人の親密度が増しているように思えてならない。
うらたぬき
センラ
フェーズ2への移行完了を告げたエレクトロポップ「USSS GPT」では、メンバーとcrewのコール&レスポンスで一体感を高め、「Why?感情発表祭」では辛辣な歌詞にして祭りモードで賑やかに突破。となりの坂田。が煽り、うらたぬきがダンサーにかつがれ、4人がcrewに「俺がおまえを幸せにする!」と堂々誓った「花吹雪」。横並びでスタンドマイクに向かい、フォーメーションダンスや滅ポーズ、ラストポーズもばっちりきめてアイドル無双した「好きすぎて滅!」。楽しいなら、楽しんでもらえるならなんでもあり!なのが浦島坂田船だ。
センラ、志麻
浦島坂田船
「これから先もどんどん予定立てていくけどついてこられますか? みんながついていきたいと思うようにもっと魅力的になっていくから! 最後に愛を誓い合いましょう」
うらたぬきの言葉から、「アダマントリング」へ。春夏秋冬、いつだってふたり一緒なら歩いていける。センターステージへと進んだ最後、4人が差し伸べ合った手を上からとらえた天吊りカメラの映像に、crewもありったけの想いを重ねたのではないだろうか。
浦島坂田船
ミュージカル仕立てな「エンドレステイル」で始まったアンコール。翌日8月9日に誕生日を迎えるうらたぬきが、2016年の自身のバースデーライブにメンバー3人が駆けつけてくれたことに触れると、「10年経っても一緒にステージ立ってるのってすごない⁉」と言うセンラはじめ、志麻やとなりの坂田。も感慨深げ。そして、「10年前からこいつらは絶対に駆けつけてくれるって信じてたし、そんな俺たちのライブに今はこんなにたくさんの人たちが駆けつけてくれて、本当にありがたいと思ってます!」と告げたうらたぬき。ラストに届けたのは、メジャーデビュー10周年を迎えた2026年3月23日に動画投稿した、アニバーサリーソング「TENTH」だ。すれ違いざまにハイタッチしたり、笑い合ったりするメンバー。この日一番の勢いで大合唱するcrew。タブーをおそれない攻めの姿勢とcrewへの愛と感謝、それを決して忘れない浦島坂田船の航海は、これからも胸躍るものであり続ける。あらためて、そう確信した夜だった。
志麻
となりの坂田。
浦島坂田船
文=杉江優花
撮影=堀卓朗(ELENORE)、鈴木彰、新井裕加
セットリスト
2026.8.8 LaLa arena TOKYO-BAY
1. THE TABOO
2. 青く塗り替えろ!
3. U.S.S.S HOLIC
4. むしろ Why?
5. マスカレード
6. ココ マドモアゼル
7. 溺愛
8. 秘密のプレイルーム。
9. Hate me↑↑Love me↓↓
10. ホエールホール
11. 火炎
12. Tokyo Highway Driving
13. Addiction
14. アナタサエ
15. Wolf Gang
16. ヒットチューン
17. 独占フルスロットル
18. Secret Answer
19. カレンダーリマインダー
20. Sailor’s High
21. USSS GPT
22. Why?感情発表祭
23. 花吹雪
24. 好きすぎて滅!
25. アダマントリング
[ENCORE]
26. エンドレステイル
27. TENTH