躍進するむすめん。を支えるクリエイター2人に訊いた、撮り下ろしインタビュー

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shoji(写真・左)、halyosy(写真・右)

shoji(写真・左)、halyosy(写真・右)

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halyosy × shoji(s**t kingz)特別対談

 

今まさに勢いに乗りまくっている、ダンスボーカルグループ・むすめん。彼らが活動開始以来の夢として公言し、目指してきたステージが中野サンプラザ。現在行っているツアーのファイナルとして、ついにその場に立つむすめん。の素顔とその魅力に迫るべく、SPICEでは複数回に分けて特集を組む。第一回目となる今回は、デビュー以来ずっと楽曲制作を担当している作曲家・halyosyと、最新作「Chameleon Color」で振り付けを担当し、むすめん。の新境地を見せてくれたダンサー・shojiを迎え、クリエイター目線から見たむすめん。の魅力や彼らとの出会いについて、さらにはファイナルの見どころまでを訊いた。


 

――まずはお2人がこれまでどのような活動をされてきたのかについて、簡単に触れていきたいです。

halyosy:僕は元々ニコニコ動画に歌い手として“歌ってみた”動画を投稿したのが最初で、その後ボカロ曲を投稿するようになったのが2007年くらいからです。それ以前もバンドを組んで活動していて、ライヴハウスに出たりしていました。投稿を始めたときもバンドをしていて、ネットの活動とバンドでの活動を並行してやってましたね。当時は路上ライブをよくやってて、そういう目の前にいるお客さんに向けてのライブとネットでは全国の不特定多数の人が観てくれるニコ動というのは衝撃的でした。

――とまどいはなかったですか?

halyosy:最初にショックだったのは、お褒めの言葉と批判的な内容が同時に流れてくるところで。でもそれは良い部分でもあって、ライブでは言ってもらえないような自分に対する意見をそこから聴けたことが糧にもなりましたね。それが続けているうちに楽曲制作をお任せしてもらえるようになって……まさかs**t kingzさんに振付をしてもらうようになるとは当時は夢にも思わず。

shoji:いやいやいや(笑)。

halyosy:今も隣に座っているのが不思議というか、めっちゃファンだったので! 曲を書くのが決まったときは震えましたよ。

shoji:いやいやいやいや(一同笑)。

――そんなshojiさんはダンスグループ・s**t kingzとしてもバリバリ活動されているわけですが、ニコ動関係のお仕事をすることはありました?

shoji:元々は観るだけでした。自分たちが動画を上げるとなるとYOUTUBEだったので、YOUTUBEに動画を上げつつ、ニコ動もチェックして。自分たちがアーティストさん方に振付けた踊りを“踊ってみた”動画で踊ってくださる方も結構いるので、それを「楽しいな」という思いで観てましたね。

――ご自分で「やってみよう」みたいなテンションになることはなかったですか?

halyosy:それ、観てみたい! 仮面とかつけて正体を隠してやったら良いかも。

shoji:ああ! そういう踊り手さんもいますもんね。

――クォリティでバレそうな気もしますけど(笑)。画面にコメントが流れてきたりといった、YOUTUBEには無い部分はどうですか?

shoji:すごく面白いですよね。インタラクティブっていうか、誰が主人公かが決まっていないじゃないですか。動画に出て歌ったり踊ったりしている人はもちろん、観ている人がそこに面白いコメントを書くことによって動画によりパンチをもたらしたり、味付けをできたり。そういう誰もが主人公になれる面白いコンテンツだと思います。

――そんなお2人が今回楽曲と振付で一緒にお仕事をされるようになったわけですが、実際にお会いして第一印象は?

2人:第一印象ですか!?(笑)

halyosy:shojiさんは、動画で観ているときには動きも速いので細かい表情まで分からなかったんですけど、笑顔が素敵な人で……すごくイケメンだなと!

shoji:あはははは!(照) 僕は最初に「すごく丁寧な方だな」と感じて。初めての打ち合わせの段階で、「こういう音楽をこういうイメージで作ります」って、楽器やテンポまで細かく話してくださる方ってなかなかいないんですよ。初打ち合わせの段階だともっとザックリしてる方が多い中で、こんなに丁寧に音楽を作ってくださる方と一緒にできるのは嬉しいなと思いました。

halyosy:いやぁ、なんかドキドキしちゃいますね(照)。

――halyosyさんは普段から細かい部分までイメージされてから楽曲を作っていくタイプなんですか?

halyosy:そうですね。作詞を先にするので、世界観が先に固まっているんですよ。だからそのときもイメージしてから挑んだんですけど……やっぱりshojiさんがいらっしゃるということで、普段より余計に準備はしていきましたね(一同笑)。フラメンコ調でアコギがメインの曲なので、そのあたりのお伺いを立てないと、と思って。

――そのラテンっぽい部分と、現在の流行でもあるEDM的要素がうまく融合した楽曲に仕上がっていますが、それはやはり“ダンス”という部分を意識したわけですよね。

halyosy:はい。普段ボカロPとして曲を作るときや、他の方に提供するときにはロックが多かったりするんですけど、今回は普段よく聴いている三浦大知さんの曲であるようなEDM+αのアレンジというか、そこで勝負してみたいというのは思ってました。

――その楽曲が実際に上がってきたときにshojiさんはどう感じました?

shoji:最初からすごく良い印象は受けたんですけど、振り付けを作っているうちにドンドン曲を好きになったんですよ。さらっと聴いた後、そこに細かい振り付けを考えていくときに、ビートとかギターとか後ろの小さい音とか、いろいろな音を聴いていると「あ! こんなところに気持ち良い音が入ってる!」みたいな発見がたくさんあって。それって振り付けをするときにすごく嬉しいんですよ。

――普段振り付けをされている中には、振り付けづらい曲もあったりもします?

shoji:多々ありますねぇ(苦笑)。ダンスを意識されすぎると、逆に難しいんですよ。「これ、全部のビートを活かさなきゃいけないの?」って作者のメッセージが伝わりすぎてしまうと窮屈に感じるんです。音楽自体が「こう振り付けてください」っていう指示書になっていて自由度がないパターンもありますからね。そうじゃなくて音楽自体が良いもので、それに対して僕らがどうアプローチしていくかっていう方が作っていて楽しいので、今回は本当に楽しかったですね。

――そんなむすめん。の「Chameleon Color」ですが、むすめん。とのそもそもの出会いもお訊きしたいです。

halyosy:僕はもともと、むすめん。が出来るずっと前から白服くんと仲が良くて、いつか一緒にやりたいと話していたんです。その後バンドをやめた頃に白服くんと食事をしてた時に「むすめん。に曲を書いてもらえませんか?」と言ってもらえて……モーニング娘。さんのコピーをして人気が伸びているのは知ってましたけど、オリジナル曲をやるっていう展開は想像していなかったのでビックリしました。でも、もともとボーイズ・グループの曲を書くのが好きというのもあって「是非やろう!」という話になったのが最初です。

shoji:僕は今回からはじめて一緒にやっているんですが、元々お話には聞いていて。最初はモーニング娘。さんを男性がコピーって「なんじゃ、そりゃ」と思いましたけど(笑)、すぐネットでチェックしてたんですよ。はじめてお会いしたのは今年の1月で、そのとき実際のパフォーマンスを観て、ご挨拶もして。そこからですね。

――なお、ダンサーの目線から見て、むすめん。のダンスはどういうところが魅力ですか?

shoji:良い意味で、すごく中性的だと思うんですよ。元々が女性グループのコピーから入っただけあって、表情だったり、歌うときに首の動きでちょっとしたアクセントを取ったりという部分が、すごく“モー娘的”というか“ハロプロ的”だったりするんですよ。そういう他の男性アイドルの方はなかなかやらない動きを自然とピックアップできているのが、他のグループとの差別化にもなっていると思うし、特徴的で面白いと思います。

――振り付けにもそこは活かしていますか?

shoji:そうですね。サビとかメインの部分こそ強めの振り付けにはしたんですけど、Aメロ・Bメロあたりはしっかり皆の色を残せるように、むすめん。の良いところが出せるように気を付けて流れを作りました。それぞれのアーティストさんには特有の魅力があると思うので、その色を潰さないようにするのが一番大切かなと普段から思っていて。ファンの方が望んでいる姿を出せるようにしつつ、そこに僕自身が与えられる新しいインパクト加える、その融合というか戦っている部分を、魅力として出せれば良いなっていう。

――halyosyさんから見たむすめん。の魅力はどのあたりですか?

halyosy:僕は付き合いも長いので、なかなか客観的に見られてない部分もあるかもしれないですが、メンバー間がとにかく仲良くて、リハーサルや振り入れのときもずっと冗談を言い合ったりして騒いでるんですよ。それがそのままステージでのパフォーマンスや歌に出ているのは一つの魅力だと思います。僕もその仲の良い部分に加わりながら音楽作りができているし、チームワークの良さにも繋がっているのかなと。

――ライヴのお話が出ましたが、お2人はライヴ映えの部分も意識していますか?

shoji:それはありますね! やっぱりダンスがあるステージだと、ときには“お客さんを突き放す”ダンスというか……バーンと踊って圧倒する踊りと、思わず一緒に踊っちゃうようなタイプの踊りと、どちらも出したいと思っているので。

halyosy:魅せる曲と盛り上がる系の曲っていうのは自分も分けていて、盛り上がる系だと「Oh!」とか「YEAH!」とかコールがたくさん入れられるように、とか。今回は割と魅せるタイプ寄りには作っていて、<Chameleon… On……>みたいに吐息がいっぱい入れてあったりとか、他のアーティストだったら「こんなに喘がせて良いのかな!?」って思うくらい(一同笑)入れてるので、そこをライヴではじっくりと観て聴いてもらえたらと思いますね。

――ああいう風に「喘いでくれ」っていう指示が?

shoji:もう(指示に)書いてありましたからね、「(喘ぐ)」って(一同笑)。

halyosy:そうなんです。全員で共有するパート割り表を作ったんですけど、そこにしっかり「喘ぐ」と。9人全員の声色がそれぞれ違うので、その良さをどう活かそうと考えて。<On……>の部分も普通なら何人かで同時に歌ったり、ハモりを入れるんですけど、そこを敢えて喘ぎのみにして、声の違いを感じてもらえるように考えて作りました。あとはメンバーそれぞれのイメージカラーを歌詞に入れていて、赤だったら紅緋色とか、そういう詞の部分も楽しんでもらえたらと。

shoji:ダンスでも個々の良さが出るように、例えば歌いながら移動する部分で「この人はあえて移動しないようにしよう」とか、色々と考えました。

――そんな見どころ満載のライヴですが、現在はツアーの真っ最中。中野サンプラザでのファイナル公演も控えていますが、なにやらスゴいことになりそうな予感がします。

halyosy:演出面なんかは僕らもまだ知らない部分もあるんですが、ファイナルでの「Chameleon Color」はCDにもMVにも収録されていない、ダンスパートの増えたロングバージョンになっていて、今回のライヴで初めて披露されます。むすめん。のダンスグループたる部分を存分に発揮できるように音作りをしているので楽しんでほしいです! それと歌詞の中にある“十人十色”に込められた意味は、ライヴを観たらきっと理解できるはずです。

shoji:ライヴバージョンのダンスパートにも“十人十色”が活かされてますし。やっぱりメンバーが夢見てきたステージっていう部分で想いもひとしおだと思うんですが、今までモーニング娘。をコピーしてきたグループが、これからはコピーされる存在になっていく、その転換点としての大きなステージでもあると思うので、メンバー達の成長を感じつつ応援してほしいです!

 

インタビュー・撮影=風間大洋

 

なお、今回インタビューさせていただいたお2人と、むすめん。とも親交の深い仮面2より動画コメントが届いているので、合わせてチェックしてほしい。

 

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