劇団☆新感線が描く大人の時代劇「乱鶯」まもなく開幕! ゲネプロ&会見を取材
「乱鶯」
2016年劇団☆新感線春興行「いのうえ歌舞伎《黒》BLACK『乱鶯』(みだれうぐいす)」がついに初日を迎える。その前日となる3月4日(金)、新橋演舞場で公開ゲネプロが行われた。
舞台は江戸時代、天明五年の春。
鶯の十三郎(古田新太)は盗賊の頭ながら、人を殺めず、盗られて困るものからは決して盗まない義賊としてその名を知られていた。しかし、裏切りにあい一味は皆殺し、十三郎も瀕死の重傷を負う。その命を救ったのが幕府目付の小橋貞右衛門(山本亨)と、居酒屋鶴田屋を営む勘助(粟根まこと)とお加代(稲森いずみ)夫婦だった。
「乱鶯」古田新太、稲森いずみ
それから7年。病で勘助が亡くなった後、一人になったお加代を助けて十三郎はカタギになり、板前の源三郎と名乗って鶴田屋を繁盛させていた。そこに現れたのが火縄の砂吉(橋本じゅん)という盗賊を追っている御先手組組頭の小橋勝之助(大東駿介)。勝之助が自分の命を救ってくれた貞右衛門の息子と知った十三郎は、勝之助に手柄を立てさせようと、砂吉が狙う大店の呉服屋・丹下屋に自ら潜入することを思いつくが…。
「乱鶯」古田新太、橋本じゅん
「乱鶯」高田聖子、村木よし子、河野まさと、中谷さとみ ほか
ゲネプロの直前に行われた囲み会見では、主演の古田、稲森、大東が登場し、質問に答えた。古田は「いつも新感線がやっている、組と組の争いのようなことはない。江戸の市井の人たちがたくさん出てきます。そんなに派手な人は出てこない。いずみちゃんもこんな町娘みたいな恰好をしてますし」と話すと、稲森は「町人の役が初めてで新鮮。こんな柄の着物も、裸足で草履を履くというのも初めて」すると古田が「奥女中かお姫様しかやってないもんね」と笑顔で返す。
「乱鶯」古田新太、稲森いずみ、大東駿介
一方、大東は「稽古のほとんど(の時間)は僕が使ってて」というと「8割は大東くん」とすかさずつっこむ古田。そんな大東の今日までの仕上がりについて質問がとぶと、古田は「惜しい」と一言。たまらず大東が困りながら笑いだすと「明日初日だから。あと1日あるからね。間に合うから」とフォローする古田。ちなみにいちばん熱のこもった指導は「変な顔のシーン。新橋演舞場なのに顔芸で笑わせる」とコメントし、取材陣を笑わせていた。
「乱鶯」古田新太、大東駿介
これまでの新感線でおなじみのチャンバラ活劇や思わず笑ってしまうネタ要素も残しつつ、江戸っ子の心意気を感じさせる「大人の時代劇」となっていた「乱鶯」。本番前に場内に響き渡る「ザ・時代劇」なBGMともども、最後の最後までじっくりと楽しんでいただきたい。
■日時・会場:
東京公演:2016年3月5日(土)~4月1日(金) 新橋演舞場
大阪公演:2016年4月13日(水)~30日(土) 梅田芸術劇場 メインホール
北九州公演:2016年5月8日(日)~16日(月) 北九州芸術劇場 大ホール
■作:倉持裕
■演出:いのうえひでのり
■出演:古田新太/稲森いずみ、大東駿介、清水くるみ/橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと/山本享、大谷亮介 ほか