妻夫木聡、“恋人”蒼井優は「太陽のような人」
山田洋次監督による喜劇『家族はつらいよ』の初日舞台挨拶が3月12日に丸の内ピカデリーで開催され、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、林家正蔵、中嶋朋子、妻夫木聡、蒼井優、徳永ゆうき、中村鷹之資、山田洋次監督が登壇。妻夫木が恋人役の蒼井について、「太陽のような人」と表現。イメージにぴったりの黄色のラナンキュラスの花束をプレゼントした。
本作は、結婚50周年を迎える夫婦に突如訪れた“熟年離婚騒動”に大慌てする家族の物語。『東京家族』で一家を演じた8人が再び山田監督のもとに集い、愉快な家族の物語を紡いだ。夫婦、カップルを演じる二人が隣同士となって登壇したこの日。壇上でもニコニコと微笑み合い、にぎやかな家族のような雰囲気でトークを繰り広げた。
山田監督は「せっかくみんな仲良くなって、心地よい協和音が生まれてきた。これで別れてしまうのはとてももったいないという気持ちがあった。もう一回やれないかな思っていた」と『東京家族』で生まれた絆への愛着を吐露。「それが映画にはとても大事で。俳優さんたちに交流ができて、スタッフ全体と家族になる。その思いがスクリーンから出てきて伝わるもの。“寅さん”も家族で一緒に作った映画」とスタッフ、キャストが家族となって作ることの意義を語っていた。
またこの日は、3月14日のホワイトデーに先駆けて、俳優陣が女優陣へ花言葉を添えて花束をプレゼントすることになった。妻夫木は恋人役の蒼井に黄色いラナンキュラスをプレゼント。妻夫木は「優ちゃんて、黄色の衣装が多い。ピュアというか、ピュアなのかな?」とお茶目に語り、「太陽のような人で黄色が似合うんです。みんなにとって太陽のような存在でいてください」とにっこり。ラナンキュラスを受け取った蒼井を見て、山田監督は「幸せの黄色い女」と評し、蒼井もうれしそうな笑顔を浮かべていた。
最後には山田監督が「映画館がおとなしくなってしまった気がしてしょうがない。日本人全体がちょっとおとなしい」と口火を切り、「“寅さん”を作り始めた40年前は、映画館はワーワーみんな叫ぶし、にぎやかだった。どうぞ、この映画をご覧になる方は遠慮なく笑ったり、前の椅子を蹴飛ばしたり、しゃべり合ったり、楽しくにぎやかに映画を観ていただきたい。そして元気になっていただきたい」と会場に訴え、大きな拍手を浴びていた。【取材・文/成田おり枝】