八木沼悟志と南條愛乃が語るこれまでとこれから「fripSideがアニソンライブの最先端だと思ってる」

インタビュー
音楽
アニメ/ゲーム
2016.8.3

撮影=菊池貴裕

撮影=菊池貴裕

――ちなみに、海外っていう話も出ましたけど、海外でライブをやるということに関して、日本とは違う部分であったり、思い出があればお伺いしたいです。

南條:海外でフェスやらせてもらうと、お渡し会とかサイン会とかあったりするんですけど、すごいフランクな空気がありつつ、日本語で一生懸命伝えてくれようとしてくれたりするんですね。なかなか会いに行ける距離でもないので、熱意とかfripSideの曲が好きだってっていう気持ちを伝えようとしてくれる気持ちとかが凄いです。日本とのギャップみたいなものはあまり多くは感じないんですね。

――そんな中で、海外を経験されているfripSideが、長めのツアーをやると。年跨ぎですもんね、今回は。

八木沼:はい。長いですね、今回ね。

――しかもクリスマスイブもやっちゃうという。

八木沼:そうなんですか?

南條:そうらしいですよ。

八木沼:マジで!?(笑)

南條:私もツイッターで知ったんですけど……、(日程表を見ながら)え、こんなやるんですか!?ヤバイですね(笑)。

八木沼:ヤバイよね。しかも福岡じゃないですか、クリスマスイブ。

南條:ほんとだ、絶対美味しいわ。

――ご飯がですか?

南條:はい(笑)。

八木沼:14箇所か……。

南條:14!ほぼ去年の倍ですね!

――僕は拝見させていただいて、fripSideはお客さんも本気でライブに挑んでる感じがあるんです。ここで全部体力使うぞ、みたいな。そういうすごいエネルギーの磁場があると思うんですけど。そんなライブをこの回数は結構大変なんじゃないですか?

八木沼:長丁場なんでね、マンネリしないように。曲の構成から演出からちょっとやりたいな、と思っています。あとは南ちゃんの体力が持つのかなって。

南條:頑張りたいですね!私今年、毎週何らかのイベント出てて、すでにもうずっと毎週歌ってるんです、体力意外に大丈夫なもんですよ?

八木沼:まぁ、若いからな~!

南條:いやー……(笑)。

八木沼:問題は俺ですよ。俺が大丈夫かなって(笑)。

南條:スタッフ含め、皆健康で最後まで終わることが出来ればいいなって思います。せっかくこんな長いツアーですし、fripSideとしても最多ですよね。毎回全公演参戦してくださるお客さんもいるので、最初と最後でいい意味で変わったな、と思ってもらえるようなものをやりたいですね。

八木沼:あっ!初日の10月29日、俺の誕生日!しかも土曜日だ。「sat」だ。やっべ!アニバーサリーじゃん!

南條:じゃあ一回目はその特別バージョンにしましょうよ。ツアーの開幕だけど。後ろにfripSideじゃなくてsatって書いてある。グッズもここだけ違う、みたいな(笑)。

八木沼:売れ残るからやめよう(笑)。

南條:なんか、雑誌とか見てるとツアー日程がいっぱい書いてあるアーティストさんっているじゃないですか。自分がこんなに書かれる日が来るなんて思ってなかったので楽しみですね。

撮影=菊池貴裕

撮影=菊池貴裕

――そういう意味では変革していってる部分なんでしょうね。fripSideも。常に進化していってるイメージがあります。

八木沼:僕もそう思っていて、それはゆるやかな進化なんですよ。急激じゃないんです。それが良いか悪いかは別として、ゆるやかに進化はできてるな、と思っています。

――そうですね。それは楽曲を聴いている中でも思っていて、「black bullet」なんかはこうきたか!と思いましたね。

八木沼:シンフォニックな部分があったりね。

――どう聴いてもfripSideなんだけど、なんか違うものを提供してきてくれたんだなって印象があったんです、だから毎回新曲が出るのが楽しみなんです。

八木沼:ありがとうございます。

――そんな進化し続けるfripSideが、今後挑戦していきたいこととかってあったりするんでしょうか?

南條:fripSideって始まった時と今とでは大きく変わっているとは思うんですけど、次はこれだ!とかはあんまりなくて。どこどこに行くぞ!とかはなく、気づいたら一個一個課題が用意されている感じなんです。去年の横浜アリーナのように、でかい箱にfripSideだけで立つっていうのも課題でしたし。気づいたら用意された課題をひとつずつクリアしていく度に私的には何かを得ている気がしていて。だから変な話、私はほんと良くも悪くも乗っかっていってるだけというか。

八木沼:そういう部分こそ、ゆるやか~に変化って感じですね。

――親戚の子供に久しぶりに会ったら大きくなっていた、という(笑)。

八木沼:そうそう!(笑)。

――ちょっと現在のアニソン業界のことも伺いたいです。アニソンを歌うこと、曲作りに関して、意識していることだったり感じていることだったりあったりしますか?

八木沼:僕たちはアニメにタイアップソングを提供することが一番多いのですが、作る時にアニソン然とした音を作ろう、とは全く思っていないんですよ。これが俺の音だ、これが南條さんの歌だ、合わさってfripSideだ! というところで毎回勝負しているので、例えばそれがアニメじゃなくても、僕は良いと思っているんですよ。

――なるほど。

八木沼:こういうとアニメファンの方が怒るかもしれないけど、ただ、僕らの本気を出した音、僕らが紡いだ音に対して今、使ってくれる、というか望んでくれるのがアニメという業界なんですよね。アニメソングを作るのはめちゃくちゃ楽しいし、クールだぜっていうのも僕の中に存在しているし、必然としても偶然としても、今、fripSideが活きるのはアニメソングだ、っていうのは感じています。それ以外が来てもウェルカムなんだぜ!っていう、心の広さも持ち合わせているんですけど(笑)。

――需要と供給が今一番きている場所、ということなんでしょうね。

八木沼:音楽ってそういうものなので、これから先どういう道筋が僕たちに待っているかはわからないですけど、頂いたお仕事を全力で追及していくというスタンスは今までもこれからも変わらないかな。

――そこが凄くかっこいいところなんですよね。ゆるやかに進化してるけど、どう聴いてもfripSideだし。これから先もっとすごくなっていくんだろうなって思えますね。

八木沼:そうですね。

撮影=菊池貴裕

撮影=菊池貴裕

――いい出会いだったんでしょうね、やっぱり。

南條:やっぱり、ガンダムとジオングですから(笑)。

八木沼:ガンダムとジオングがタッグ組んだら、どんなモビルスーツきても負けない気がするよね。でも案外そういうことだと思うんですよね。

南條:たしかに(笑)。

八木沼:なんにしろ、偉大なボーカリストですよ!

南條:いやいや、全然。

――7年間二人で組んでいる中で、これだけ「すごいボーカリストだぜ!」って言えるsatさんも凄いと思うんですよね。それをいやいや、と言いながら軽く受け流してるの感じも、傍目から見るとすごい良いなあって。

南條:ずっとこの距離感のままです(笑)。最初から。

――そこまでなかなか言える人出会えないですよね。

八木沼:これはもうクリエイターとしてもほんとに贅沢冥利に尽きるというか、なかなか自分のとこで歌っている人をコイツ神ですよ、って言えないじゃないですか(笑)。

――言われる南條さんはどういう気持ちなんですか?

南條:いやもう全然、そんな、滅相もない……っていう感じです(笑)。 ただのものぐさ女ですって記事には書いといてください(笑)。

――ものぐさなんですか?

南條:めっちゃものぐさです、ほんと。壊滅的なものぐさですよ!(笑)。

撮影=菊池貴裕

撮影=菊池貴裕

――最後に改めてツアーのことも、見ているユーザーに対してコメントいただければと。

南條:そうですね、ツアーも始まりますので、是非、今までfripSideの名前は聞いたことあるけど、とか。ちょっと曲は聞いたけど、とか。はたまたライブ行きたいなーと思ってくださっている方もいらっしゃるかもしれないので、是非是非今回は回数も多いので遊びに来てほしいなー、と思います。

八木沼:そうだね、それこそシニアの方とかお子様連れの方とかにも来てほしいな、と思いますね。普段アニソンを聴かない皆さんもちょっと、アニソンの最先端のライブってどんなだ?と、いや、最先端って言っちゃいますけど、そういう自負はあるんですよ。一回冷やかしで来てほしいんですね。

――アニソンライブの最先端、まさにそんな印象ありますね。

八木沼:それでこんなもんか、と帰る方もいるかもしれないけど、実はすげぇんだな、って思って帰っていただける方もいれば、俺たちにとってそれはプラス以外の何でもないじゃないですか。

南條:あとライブを見ていただくと、意外とアニメアニメしていないんだなって思っていただけると思います。やっぱこう、シングル曲とかはタイアップになったりすることが多いんですけど、アルバムの中だと全然違った曲調のものも多いですし。バンドさんやダンサーさんも入ったりして、ライブ自体として見ていただいたときも、アニソンだからってサイリウム振ってるだけではなくて、聞き入る曲もあったり、発見もしてもらえるかなって。そういう意味でも見に来てほしいな、というのもありますね。

――そういう意味ではあれですよね、アニソンの最先端でガンダムとジオングがバチバチやってるっていうのはすごいですね(笑)。

八木沼:そうですね!(笑)。

南條:負けないようにやってやります(笑)。

撮影=菊池貴裕

撮影=菊池貴裕

 

撮影=菊池貴裕 インタビュー・文 加東岳史

イベント情報
fripSide concert tour 2016-2017 -infinite synthesis 3-supported by animelo mix​

■2016/10/29(土)千葉 市原市市民会館大ホール(開場17:00/開演18:00)
■2016/11/13(日)北海道 千歳市民文化センター大ホール(開場17:00/開演18:00)
■2016/11/19(土)神奈川 神奈川県民ホール大ホール(開場17:00/開演18:00)
■2016/11/27(日)長野 キッセイ文化ホール中ホール(開場17:00/開演18:00)
■2016/12/04(日)大阪 オリックス劇場(開場17:00/開演18:00)
■2016/12/11(日)広島 広島上野学園ホール(開場17:00/18:00)
■2016/12/17(土)岩手 盛岡市民文化ホール大ホール(開場17:00/開演18:00)
■2016/12/18(日)宮城 仙台サンプラザホール(開場17:00/開演18:00)
■2016/12/24(土)福岡 福岡国際会議場メインホール(開場17:00/開演18:00)
■2017/01/07(土)愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール(開場17:00/開演18:00)
■2017/01/21(土)岡山 倉敷市民会館(開場17:00/開演18:00)
■2017/02/19(日)福島 南相馬市民文化会館(開場17:00/開演18:00)
■2017/02/26(日)新潟 新潟県民会館大ホール(開場17:00/開演18:00)
■2017/03/05(日)石川 本多の森ホール (開場17:00/開演18:00)

 

 

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