ハルカトミユキが2ndアルバム『LOVELESS/ARTLESS』で見せた光、そして”約束の地”日比谷野音へ
2014年、ハルカが曲を書けなくなるスランプから一転、2015年は毎月休まず新曲を配信するとともに、2枚のミニアルバム『世界』と『LIFE』をリリース。東名阪ワンマンツアー、イベントやフェスへの出演、キャリア史上最高キャパとなる日比谷野外大音楽堂での3000人フリーライブ『ひとり×3000』を見事成功させるなど、1年を通して精力的に動き回った。そして野音の場では、2016年にフルアルバムをリリースすること、47都道府県ツアーを行い、その終着地点としてまた同じ地に戻ってくることを宣言する。
そして再会を約束し旅立った2人のツアーはいよいよ佳境に入ってくるわけだが、まずはその間に制作したアルバム『LOVELESS/ARTLESS』を我々の元に届けてくれた。今回特筆すべき大きな変化としては、ほぼ全てをハルカが手掛けていた作曲の半分をミユキが担ったということ。ハルカが紡ぐ言葉とメロディーというハルカトミユキの心臓部の機能を、2人で分けあったときに広がる世界。そこは、これまでの流れを汲む地続きの進化と新たなフェーズを大いに感じさせる、刺激的なメロディーに満ち溢れていた。
――まずは2015年から休むことなく走り続けアルバムを作り終えるところまできた、現段階での気持ちを聞かせていただけますか?
ハルカ(Vo/Gt):フルアルバムは前作の『シアノタイプ』から2年9ヶ月振りだったんですけど、改めて自分達のこれまでを振り返って、しっかりと向き合って作りました。だからとても清々しいですし、正直な気持ち、手ごたえもあります。
ミユキ(Key/Cho):そうですね、自分の自信にも繋がりました。今まで以上に“人に伝える”ということを意識したので、たくさん人に聴いて欲しいです。
――“人に伝える意識”が具体的にどう変化したのでしょうか?
ミユキ:今までも、自分がやっていることは”伝わる”と思っていたんです。これまでは、軸となる作曲の部分にはほとんど関わらず、ハルカから生まれたものをアレンジするということをやってきました。その中で、2015年は自分を見つめ直して、80年代の音楽が凄く好きで、これが自分のアイデンティティなんだって確認できたから、素直に表現していたんです。それはそれで良かったと思うんですけど、これじゃあ伝わらないって、レコーディングやライブを通して実感した年でもあって。毎月リリースしていたんで、走り出してからはあまり考える時間がなかったということもあるんですけど、今作は2ヶ月間じっくり制作と向き合うことができたので、改めて自分を振り返ることができました。そこで、好きなものを伝えるというより、“人に伝わるものを作ってから好きなものを落とし込む”っていう考え方に変わったことが大きいですね。
――そして、ほぼ全てハルカさんが手掛けられていた作曲の半分を、ミユキさんが担当することになった。
ミユキ:曲を通して何を伝えたいのか、まずはそこが大切だって自覚できたから、自然と曲が生まれてきたんだと思います。今までも作曲はしていたんですけど、歌もののシングルとして出せるものではないというか、ライブで映える曲だったり、『シアノタイプ』だとインタール-ドを作ったりしていたんです。そういうのって、私達のことをすでに知っている人には面白味を感じてもらえていたのかもしれないけど、始めて触れた人がハッとするような引っ掛かりはないし、分かりやすくもないし。
――ミユキさんが付けるアクセントが、ハルカトミユキの“一味違う”フリーキーな要素として際立っていた部分もあったと思います。そういったミユキさんのキャラクターが前提というより、まだ見ぬ人に向いた作曲ということでしょうか?
ミユキ:なんていうか、そこはハルカに対する対抗意識みたいなのも正直あったんですよね。彼女はすごくストレートだから、私はそこから外れたものを作ろうって。でも自分らしさって、無理してそういうことをしなくても出てくるもの。そもそも性格も影響を受けた音楽も違うし、2人の化学反応が面白いんだって、2年9ヶ月かけて分かったのかもしれないです。
ハルカトミユキ/ミユキ Photo by Taku Fujii
――経緯は頷けるんです。とはいえ、ミユキさんの力がどうという話ではなく、これまでほとんど作品中の作曲をしてこなかったメンバーが半数の曲を作曲、しかもリード曲「奇跡を祈ることはもうしない」まで手掛けられたというのは、バンドとして、かなり大きな変化であり勝負ですよね?
ハルカ:本当に大きな変化だし、理想的ないい姿だと思っています。私は伝えようと思って作る。そこにミユキはアレンジャーとして加わって、ミユキの個性をサウンドの部分で出してもらうやり方でここまでやってきたんですけど、2人なんだから、ミユキの曲があって私の曲があった方がいいと思っていたので。でもなぜそこに至らなかったのかというと、伝えようとする気持ちが弱かったことや、もしかしたら私への対抗意識とかひねくれた部分、まさにそこだったんだと思います。でも実は、そういったことはミユキの心の中での話で、私もよく分かっていなかったんですよね。じゃあどういうつもりで曲を作っていたんだろうって(笑)。まあ、ミユキ自身が自分の力で気が付いた、その時点でもう何が出てきてもいいわけですよ。どうりで曲もバンバン書いてくるし、今までとは意識が違う、明らかに何か変わったんだろうなって、強く感じました。
――ミユキさんが何を考えているのか分からなかったこと、振り返るとすごく不安でしたか?
ハルカ:不安いうか、そういうことって、技術とかセンス以前の問題だと思うんです。それが何なのかを私の中で掴み切れてなかったんですよね。ハルカトミユキという存在をミユキがどう捉えているのか、2人が良く見えるために何を考えているのか。なんとなく、ミユキがミユキとしての存在をどう証明すればいいのか分からないんだろうなって。じゃあ私が先頭を切って、ミユキのキャラクターで味付けをしてもらうしかないわけですけど、私達だったら、根本的な部分でもっと面白いことができるんじゃないかって、そう思っていましたね。
――ミユキさんのセンスを信じているからこそ覚醒して欲しいと。
ハルカ:はい。人間性とかそれが音楽に影響することとか、いろんな面で本当に面白いんだけど、それを消化できずにいるんじゃないかって、そんな気がしてたんです。
――今回は昨年リリースされた毎月の新曲を1曲も収録されませんでした。ミユキさんも作曲にしっかり加わることになったならその方がいいと思うんですが、単純に素晴らしい曲が多かったので、迷われたことはなかったかどうか聞きたかったんです。
ハルカ:最初は入れようと思っていたんです。『世界』と『LIFE』には入っていない曲もありましたし。でも作っているうちに、タイムラグのない今の自分達から出てくるものだけを入れたくなったんです。曲数も揃ったし、十分いける自信も持てたから、そういう方向に向いてからは迷いもないし考えが戻ることもなかったです。
ハルカトミユキ/ハルカ Photo by Taku Fujii
――以前お2人とライブのあと話しをする機会をいただいたときに、ハルカさんが『シアノタイプ』も踏まえた作品だとおっしゃっていたんで、自分なりに比べてみたんです。オルタナティヴという統一感の中で多彩性を示した意志を継いで、ジャンルの枠をさらに飛び越えていったとも思いましたし、メッセージ性の部分で進化があったようにも感じましたし、様々な捉え方ができると思うんですけど、その辺りはどうですか?
ハルカ:音楽的に特に何かを意識したわけではないんですけど、やっぱり2ndアルバムというからには、1stのときはどんなことを思っていたんだろうって、聴き直して振り返ってみたんです。『シアノタイプ』には青写真から見える未来のことを描くという意味があります。あれから2年9ヶ月も経って気持ちもできることも変わってはいるんですけど、その先に今があるんだから、ちゃんと繋がっている道筋を作品として見せなきゃいけないなって。ぶっつり切れているものではなく、脈々と続いているものなんです。
――ハルカさんの歌詞は、分かっているけど蓋をしたいこととか、突きつけられたくない現実と向き合うことでのみ差してくる光のようなイメージです。その光の部分がより鮮明になった印象を受けました。2年9ヶ月の間に、いろいろあったと思うんですけど、その上に強く成り立っている作品であり、そのメッセージは多くの人に届くんじゃないかと思っています。
ハルカ:希望を歌いたいとはずっと思ってるんです。「頑張れ!」ってただ励ますだけじゃなくて、闇があった中でそこでしか見つけられない希望を歌いたいって。でもその希望って何なんだろうっていう思いもあって、それは書いているうちに、その曲単体としての結末は分かってくるんですけど、結局私が一番書きたいことは分からなくてもやもやする気持ちはずっとあって。でも今回は、これが私の今見せたい希望や光なんだって、以前に比べてはっきりしてきたと思います。
――「DRAG & HUG」で「ああ なんて可笑しい 曖昧な日々 過去はいつも 美化されるだけ やり直すのはごめんだ」と歌っています。実際、日常の多くの時間を煮え切れない気持を抱えながら過ごしていて、そこと付き合いながら生きていくことの楽しさみたいな。過去に輝いた瞬間がまるで全てのようになって、あの頃に帰りたいと思っても何もない。そういう不毛なループを断ち切れるんですよ。リアルなアンセム。
ハルカ:ある意味、諦めがついたのかも(笑)。
――歌い方にも変化が見られます。初期の頃はキュートなイメージもありましたし、エモーショナルなことや生々しいことを、あえてサラッと歌うような魅力があったと思うんですけど、2015年からは感情の起伏がどんどん前面に出てくるようになって、この作品でもまたひとつ何かを得られたように思います。
ハルカ:歌に関しては凄く変わりましたね。でも特に明確に意識したわけではなくて、レコーディングやライブで、技術的なことや歌詞をどう表現するかを突き詰めていく中で、変わっていったんだと思います。特に去年は毎月レコーディングしてましたから。自分では昔の歌い方も好きなんです。そこのコントロールができるようになりたいです。
――ミユキさんのハルカさんの歌に対する印象はいかがですか?
ミユキ:確かに変わったと思います。私は特にライブのときに感じるんですけど、3rdEP(2014年『そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら』)の頃は、変わりたいという意識が前面に出て、ずっと泣きながら歌っていたこともありました。最近は、いきなり声を荒げるように歌ったらこっちもドキッとして、“負けないようにしっかり返さなきゃ”と思うこともあるし、今作はそういう変化の中で、イノセントな魅力も感じられますし、いい部分がしっかりまとまってきたように思います。
――ハルカさんの声と言葉を信じているからこそ。さきほど意識が変わったとおしゃっていたように、パーソナルな音楽性よりも、まずそこが今回ご自身で作曲された曲の大切なポイントになっていると感じました。
ミユキ:そうですね。そこは最も意識したところです。でもそれで歌詞や歌の部分でハルカを凄く苦しめてしまって……。
――ハルカさんの個性を活かそうとした結果、そうなったのは分かります。
ハルカ:分かっていただけます?(笑)
――ハルカさんはご自身で歌われる曲を書くわけですし、意識的にでもそうでなくても、バンドで演奏することを想定した作曲をされると思うんです。
ハルカ:はい、そうなんです。
――それに対してミユキさんはハルカさんの声や、曲に込めた伝えたいことにとりわけ集中されるから、演者は苦労することが出てくるのかと。でも、再現できるかどうかが後にくることで、見事にこれまでにないダイナミズムが引き出されたと思うんです。例えば「DRAG & HUG」はストレートに刺さるこれまでで最速のロックナンバーで、メロディーもばっちり耳に残りますし、歌詞も合わせて“キラー・チューン”と呼ぶに相応しい。その中で、例えばイントロがダイナミックに演出されているぶん、カウントを取るのが難しくて3で歌に入るから、素人の僕がカラオケで歌うにはそこさえ乗り切れば……(笑)。
ハルカ:私も入れませんよ(笑)。
――そしてドラムの手数が凄まじいですよね。
ミユキ:そこに関してはスタジオでみんな城戸さん(城戸紘志)に呆然とするくらい見入ってしまいましたね(笑)。今47都道府県を回らせてもらっていて、遠く離れた土地にも私たちの音楽を知ってくれている人がちゃんといて、実際に会って話せることが嬉しくて、そこで感じた繋がりをもっと伝えたいっていう思いがあったんです。だから、「DRAG & HUG」はライブで盛り上がって一体感が生まれる光景を想像しながら作りました。
――パワフルで速い曲なんですけど、メロディーに強さと共に透明感と流れがあって、体感的なBPMを下げてくれるような作用があるから、疲れないんですよね。それとサビが少し90年代レトロなポップス感覚があって、世代的にもより万能な曲であるように思います。いい意味で今っぽくないというか、そこにハルカさんの声がばっちりはまる。
ミユキ:それは嬉しいです。私自身が今っぽくないんで(笑)。ハルカの声は、低音もファルセットもいいし、エレクトロも合うんです。そういう私が好きなところを、全部出したくて。ハルカのいいところを活かすメロディーを作ることが、私の使命だと思ってるんです。
――「奇跡を祈ることはもうしない」はリード曲としてミユキさんが作曲されました。まさにおっしゃったような、ハルカさんが持つ振り幅の広い声の魅力を活かすことを、最優先し尽力されたんだと思います。多くの人に届けたいという思いの中で、“売れる曲”を作ろうと思ったら、低い声から入るサビってまず作らないと思うんですよ。
ミユキ:それはスタッフにも言われましたね(笑)。
――ハルカさんを信じることで、そこを飛び越えて、多くの人に届く可能性を秘めた曲になっていると感じました。
ミユキ:(今年の)2月のワンマンが終わってから本格的に制作が始まって、曲自体はすぐにできたんですけど、歌詞に難航して一番最後に完成したんです。今までの作品を超えるリード曲にしたかったし、自分も変わりたいと思っていました。ハルカの歌の魅力を最大限に引き出して、ピアノのコードとメロディーラインを聴いただけで、AもBもサビもずっとハッとし続けられるもの。それくらい強いメロディーを作れば、そこに歌詞とアレンジが加わって最強の曲になるって思ったんです。でも歌うことの難しさもそうですし、歌詞も、私は普段聴く音楽がほとんど洋楽だから、適当な英詞を仮歌で付けちゃうんで、ハルカを苦しませましたね。グチも言われましたけど(笑)、そこはハルカの言葉が持つ力を信じているので。
――サビが一番低いところから入ってファルセットまで、そのメロディーとハルカさんの言葉のインパクトが相俟って、まさに新感覚ポップミュージックになったと思います。
ハルカ:さらにサビの直前で「アアア~」って、あれ入れてきて……。
ミユキ:あれはカート・コバーン(笑)。
ハルカ:歌詞入んねえよって。最終的に叫ぶ(笑)。
――ハルカさんの作曲らしいギターロック、4曲目の「Pain」に続いて、打ち込みトラックを繋げた「Are you ready?」から「見る前に踊れ」を持ってきたのはなぜですか?
ミユキ:「Pain」の後から一気に世界観を変えたくてその2曲を入れて、畳み掛けるように「トーキョ―・ユートピア」があって「永遠の手前」でまた現実に戻すイメージでした。「Are you ready?」は『シアノタイプ』のときのインタール-ドとは違って、とにかく分かりやすくドキッとするものにしたかたんです。だから最初インストにするつもりだったんですけど、やっぱり歌を乗せようって。
ハルカ:もう訳分からなかったです。急にメロディーを書き始めて。「また歌詞書くの?」ってなりました(笑)。
――結果的に1、2、3、4とカウントアップで命令調の歌詞が。ハルカさんの歌詞に新しいバリエーションが生まれたじゃないですか。
ハルカ:確かに!ミユキのおかげだ!(笑)
――ミユキさんが好きな80年代の音楽、ニュー・オーダー(New Order)からよりハウスに振ったような印象でしたが、何か影響を受けたサウンドがあったのでしょうか?
ミユキ:80年代っぽさを無理して入れようとしなくても、好きだったら自然とそうなってくるだろうと思っていたんで特になにかを意識することはありませんでした。プロデューサーの野村陽一郎さんとは、チャーチズ(Chvrches)は、80年代のテイストを今の音楽として、めちゃくちゃかっこいいものにしていて理想的だって話したりしましたけど、直接的に音をそれに近付けたわけではないんです。他の曲も頭の中で“〇〇っぽく”という意識はあんまりなかったですね。ハルカトミユキの新しい音楽を作りたかった。
――ハルカさんの作られた冒頭曲の「光れ」も、その新しさがありますよね。タイトルさながらの明るい光が差す、メジャースケールの開けた曲なんですけど、そこにハルカ節というか、やはり底抜けに明るい曲ではないというか、キャリアの中で初めて聴くタイプの曲でありながら、他の何者でもないハルカトミユキらしさもある。
ハルカ:ありがとうございます。聴き直すと、改めてメロディーが不思議なところにいくなと、自分でも思って。
――ギターで作ったんですか?
ハルカ:打ち込みでコードを決めてメロディーを書いて、最初はマイナー調だったんですけど、メロディーはそのままでコードをメジャーに変えたんです。そうしたら、ああいう……開けてるけど、メロディーが変なところにいっちゃいそうな感じになって。
――野村陽一郎さんが作曲された最後の曲「夜明けの月」は、当然メロディーが2人が作るそれの特徴とは変わってきます。そのぶん歌詞も、ハルカさんらしさをさらにストレートに表したものになっていると思いました。「肯定する」のような曲もありましたけど、サビで「君の足元を照らす月になろう」と、ここまでバシッといくのは珍しい。
ハルカ:今までだったら書けなかった歌詞で、最初はもっといろいろ装飾だったり、もうちょっと濁したりしていたんですけど、曲が呼んでくれる言葉というか、真っ直ぐ素直に書くのが一番いいなって思ったんです。愛の伝え方とか愛がなんなのかなんて、私自身分かってない。でも、恋人でも家族でも、誰かを大切に思う気持ちって、そこにただあるもの。だから「愛してます」っていう野暮な言葉ではない、そのとき思ったことをはっきりと。このアルバムの“ARTLESS”は”飾らない”っていう意味で付けたんですけど、この曲の歌詞が象徴するように余計なものを削ぎ落とすことができたと思います。
――ではアルバムタイトルのもうひとつの言葉“LOVELESS”はどういう意味ですか?
ミユキ:ハルカの歌詞を読んでいて、愛を歌っているのに、実はすごく愛に飢えていて、誰よりも欲しているように感じたんです。それで自然と。私達の音楽とか存在自体にも、「愛されない/かわいげない」というのはどこか根底に流れている気もしたし。
ハルカ:そう、この言葉は、スタジオでタイトルを考えてるときにミユキがぼそっとつぶやいて。私達はきっといろんなものが欠けているし足りていなくて、器用にはできないんだっていう、それは諦めというか、それでも進む覚悟というか。もし、愛に満ちて、満たされていたら私は歌っていないと思うんです。
ハルカトミユキ Photo by Taku Fujii
――だからこそ音楽と向き合うハルカトミユキが、全国47都道府県を回るツアーも佳境に入り、9月10日は大阪、9月11日は名古屋、そして9月24日は東京日比谷野外大音楽堂、昨年開催したフルバンドのツアーで、1年後に帰ってくると約束した日がいよいよやってきます。僕は2人のライヴの魅力って、最大公約数を取りに行くようなものではなく、まず一人ひとりの心にリアルに刺さって、その思いが繋がって大きな輪になっていくことだと思っています。
ハルカ:去年、野音に一人ひとりが集まってくれて、一人ひとりが手を上げてくれて生まれた一体感。あの大勢の景色は、人数分の1ではなくて、まぎれもなく1×人数だったと思うんです。私たちは欠けているって分かっているから、不安はいっぱいですけど、47都道府県を巡って歌っています。そんな中でも、伝えられる曲はしっかりできたと自信を持っているんで、本当に見届けに来て欲しいです。
ミユキ:去年の野音も不安だったけど、でも一人ひとりが集まってくれた。今回はあの感動をさらに超えないといけないことは分かっていても、変わっている自分を感じられなくてきついこともありました。でもアルバムを作ること、47都道府県を回ったことで、もっと人と向き合いたいって強く思うようになって、そこはやっと少し自分に自信を持てたんで、ぜひ集まって欲しいです。
インタビュー・文=TAISHI IWAMI ライブ写真=Taku Fujii 撮影=K兄
DVDには2015~2016年に発表したLyric Video(全曲初商品化)を一挙収録!!
<CD収録曲>
01.光れ
02.DRAG & HUG
03.奇跡を祈ることはもうしない
04.Pain
05.Are you ready?
06.見る前に踊れ
07.トーキョー・ユートピア
08.永遠の手前
09.you
10.夜明けの月
<初回盤DVD収録曲>
2015-2016 Lyric Videos
01.世界
02.嘘ツキ
03.君はまだ知らない
04.春の雨
05.COPY
06.宇宙を泳ぐ舟
07.肯定する
08.new moon
09.LIFE
10.ワールドワイドウエブは死んでる
11.恋は魔法さ
12.奇跡を祈ることはもうしない