斎藤工インタビュー 『HiGH&LOW THE RED RAIN』雨宮尊龍を生んだ盟友たちとの絆

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斎藤 工 撮影=岩間 辰徳

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『HiGH&LOW THE MOVIE』につづく、『HiGH&LOW』プロジェクトの映画第二弾『HiGH&LOW THE RED RAIN』(以下『THE RED RAIN』)が10月8日に公開される。EXILE TRIBEや若手実力派俳優ら総出演した『HiGH&LOW』シリーズでは、山王連合会などさまざまなチームが“SWORD地区”と呼ばれるエリアを舞台に激しい戦いを繰り広げるようすを、空前のスケールのアクションで描き、ドラマ・映画ともに話題となった。『THE RED RAIN』では、シリーズ屈指の人気キャラ・雨宮兄弟を主人公にすえ、彼らの知られざる過去にスポットをあてた物語が展開する。

同作でTAKAHIRO演じる雨宮兄弟の次男・雅貴、登坂広臣演じる広斗にくわえ、あらたに登場するのが、斎藤工演じる長兄・尊龍(たける)である。邦画史上かつてないプロジェクトに参加する心境や、奇しくも再会することとなった山口雄大監督、匠馬敏郎アクション監督ら盟友との絆、そして雨宮尊龍の誕生に関わった人々への想いなど、じっくり語ってもらった。

 

『手鼻三吉』から『QP』まで……雨宮尊龍の誕生に関わった人々への思い

斎藤 工 撮影=岩間 辰徳

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――『THE RED RAIN』への出演が決まったときはどう思われました?

久保さん(『HiGH&LOW THE MOVIE』の久保茂昭監督)じゃなく雄大さんが撮るということが、ぼくは旧友として嬉しくて。山口雄大の最近の作品は『珍遊記』で、そこから『HiGH&LOW』ですから。北村龍平さんの助監督をずっとやってらしたので(撮れる作品の)レンジが広い方ではあるんですけど、(『THE RED RAIN』は)雄大さんにとってもネクストステージへの第一歩なんじゃないかと。アクション監督の坂口拓さん(『THE RED RAIN』では匠馬敏郎名義)と3人で映像をたくさん作ってきたので、このトライアングルがこの規模の作品に加わるというのが、すごく感慨深かったです。

――インディペンデント出身の3人がこの規模のアクション映画の中心にいることが、ファンとしても嬉しかったです。日本ではアクション映画にあまり市民権がないので、こういうメンツだと作品規模が小さくなりがちですし。

そうですね。

――なぜこのメンツがそろったんでしょう?

やっぱり、雄大さんがそこ(『HiGH&LOW』)にハマっていたということで、拓さんが呼ばれ、そして自分が参加することになったんじゃないかな、と思います。前回、雄大さんとご一緒したのは『手鼻三吉』(※編注:山口雄大監督、坂口拓主演のコメディ映画シリーズ)の現場だったんで。

――最新作の『手鼻三吉 TEBANA SANKICHI 2015 したコメバージョン』が2014年の作品ですから、2年以上前ですね。

そうなんです。『手鼻三吉』から『HiGH&LOW』という、不思議なトリップをしました(笑)。拓さんはしょっちゅう現場で一緒になりますし、家族ぐるみの付き合いなのでプライベートでもよくお会いするんですが。

斎藤 工 撮影=岩間 辰徳

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――作品に参加する前は、一視聴者として雨宮尊龍役のキャスティングを予想されていたとうかがいました。具体的にどういう方を尊龍役に考えてらしたんでしょう? ご自分も候補に入っていましたか?

自分は候補に入れてはいませんでしたが、ぼくと同世代の方で、「この人がいいんじゃないか」というのは考えました。ただ、ぼくの中のキャスティングでは不思議とHIROさん以外のLDH(編注:EXILE TRIBEの事務所)の方々はイメージしなかったんです。お二人(TAKAHROと登坂)の兄貴分として、さらにお二人が尊敬できる方は、LDHで言えばHIROさんじゃないかな、と思いました。

――なるほど。

ぼくが参加するかしないかというタイミングで、お二人のゼロレンジコンバット(編注:『THE RED RAIN』で雨宮兄弟が使う特殊な戦闘術)のトレーニングを拓さんがやっているということも聞いていました。拓さんにはお二人が慕う兄貴ぶんみたいな関係性があったので、拓さんも(尊龍として)イメージしていました。HIROさんも拓さんも髪が長いので、ぼく自身はイメージした長男像とはちょっとかけ離れていたんですが、まず(尊龍の)フォルムやシルエットを明確にしていくことで、そこに近づけていくという作業に切り替えました。

――尊龍を演じたいと思われた一番の理由はなんでしょう?

『HiGH&LOW』のテレビシリーズ(『HiGH&LOW〜THE STORY OF S.W.O.R.D.〜』)を観ていたのがすごく大きいです。ぼくは雨宮兄弟の関わり方……作品の核心部分にふわっとやってきて、ふわっと去っていくところが好きで。これはもう、『爆裂都市 BURST CITY』だと思いました。

――たしかに、『爆裂都市 BURST CITY』で戸井十月さんと町田町蔵さんが演じた“キチガイ兄弟”みたいなところはありますね。

「いい兄弟だ。カッコいいな」と思いました。二人でも成立しているのに、さらにもう一人(兄が)いる、というその後の展開にも驚きました。声をかけてくださったHIROさんもそうですし、雄大監督もそうですが、プロデューサーの植野浩之さん、坂下哲也さんは、5年前に高橋ヒロシ先生原作、三池崇史監督の『QP』というドラマで主演させていただいて以来すっとお世話になっている方々なんです。そんな方たちから、「尊龍役は斎藤工以外にいない」という思いを文字として、言葉としていただいた。ぼくが冷静に分析したら、「(尊龍を演じるには)厚さが足りないかもしれない」という思いもあったんですが、昨日今日じゃない付き合いの方々が三兄弟のひとりとして自分を思い描いてくれていたのであれば、それに対する恩返しをしたい、と思いました。最終的には「あいつでよかった」と思わせる何かを返さないといけないという、そういうエネルギーの出し方に変わっていきました。

――なるほど。そういえば『QP』には『HiGH&LOW』の橘ケンチさん、林遣都さん、窪田正孝さんも出演されてます。過去のいろんな作品・人物が尊龍の成立に関わっていたんですね。


斎藤 工 撮影=岩間 辰徳

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アジアで映画を撮る大きな理由は「自国で出来ないことができる」から

斎藤 工 撮影=岩間 辰徳

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――ゼロレンジコンバット(零距離戦闘術)と、その中で使われるウェイブという特殊な身体操作が本作のアクションのキモになっています。斎藤さんのパートはガンアクション中心でしたが、そこにもこれらの技術は使われているんでしょうか?

コマ送りにして観るとわかるんですが、実は全部ウェイブを使ってアクションしています。振り返り方も一度(動きに)助走をつけていたり、銃の撃ち方もそうです。ゼロレンジって、素手だけじゃなくすべてに適応できるんです。特にガンアクションで真価を発揮できる技術なので、そこは現場ですごく意識しました。ただ、意識して見なければ見極められるレベルのものではないんですが……。ぼくも稲川先生(編注:ゼロレンジコンバット創始者の稲川義貴氏)に作っていただいたペンダントを、自分への戒めのために着けていました。

――ゼロレンジコンバットとウェイブという技術は、坂口さんが主演、斎藤さん出演の『RE:BORN』(2017年公開予定)で拝見しました。実戦的なものなので、動きじたいは派手ではないと思います。映画の中で見せるための工夫が必要だったのでは?

見せるアクションでもないし、格闘技でもない……要は戦術、生き延びるための体術なんです。戦場で生き残るということはそういうことなので、その原理はある意味非常に合理的です。初めてゼロレンジをご覧になるとみなさん驚くのが、動きが速すぎて見えないということ。拓さんも見えないし、ぼくも見えないです。見えないものなんです、ゼロレンジって(笑)。「それをエンタテインメントに昇華できるのか?」という課題は『RE:BORN』のときにもありました。ただ、「銃に素手が勝つ」というリアリティは逆に言えばウェイブにしか出せない。ぼくが参加するしないにかかわらず、雄大さんと拓さんの関係性もあったので、雄大さんが『THE RED RAIN』で「ウェイブしかない。ウェイブをやりたい」と思うのはすごく自然なことだと思いました。

 

斎藤 工 撮影=岩間 辰徳

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――海外ロケで、言葉や文化、撮影方法が違って大変だったとうかがっています。何か印象に残っているエピソードはありますか?

ぼくが行っていた期間は連日昼から準備をして、29時(翌朝5時)まで撮影でした。陽が昇ってきたらナイトシーンは撮れないので、朝日との戦いです。それでも間に合わなくて、暗幕を一部だけ張って夜に見せたこともありました。だから、三十何時まで撮影、みたいなこともあったり。ぼくが参加したパートは、時間的には昼夜逆転していたんです。でも、映画産業という意味では、『地獄の黙示録』も国外で撮られていたり、タイはハリウッドでもよく撮影場所として使われています。アジアで映画を撮る大きな理由は、自国で出来ないことができる場所だからです。特に今回は高速を封鎖したりもできる立地のいい場所でした。

――たしかに、あのバイクチェイスは今の日本ではできないですね。

スタッフも(現地の方と日本の方が)半々でした。ある程度むこうの撮影期間を経てぼくは参加したので、(その頃には2国のスタッフの)融合は出来ていました。現地のスタッフはみんなすごく笑顔だったな、というのと……結構適当なところがあるんです(笑)。爆破シーンで装置が作動しなかったことがあって。そこが見せ場だったので、「作動しないのはありえない!」みたいな、日本人と(現地)のエンジニア同士の熱いやりとりもありました。でも、やっぱり映画は共通言語なので、同じ映画作りという目的を持って2国がタッグを組む美しい現場でした。

――刺激的な撮影だったんですね。オフはあったんでしょうか?

ぼくは(オフが)なかったです。コンビニを覗いたことしか記憶にないくらい(笑)。あとは現場だったので、本当にその期間の記憶が無いほど撮影しかしていない気がします。でも、それにふさわしい心境のシーンではあったんです。全てが万全で臨むシーンというよりは、見えない何かが立ちはだかっていないとぶつかれないシーンがあったので。だから、ぼくは振り返っても鮮明な記憶が無い期間だったな、と。でも、それが結果的にはよかったと思います。

――スケジュールが厳しかったんですね。

お二人(TAKAHIROと登坂)はオフにジムに行かれたと聞いています。なぜかぼくが「体が仕上がっている説」が流れていたみたいで、それはまったくのデマだったのですが(笑)。お二人は懸命にジムに通われて、ぼくが着いたころにはギリシャ彫刻みたいな体になられていました(笑)。東京での衣装あわせのときも、お二人は筋トレをやりすぎて服のサイズが変わってしまったらしく、衣装を作り直していると聞いていたので、逆に焦りました。

 

斎藤 工 撮影=岩間 辰徳

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『HiGH&LOW』のキャラクターたちは、EXILE TRIBEのメンバーや俳優陣それぞれのキャラクターから作り上げられ、作品の中で魅力的に成長していった。斎藤は、その中にゼロから作り上げた雨宮尊龍として入ることになったが、独自のアプローチでTAKAHIRO演じる雅貴や、登坂演じる広斗との関係を作り上げ、巧みに没入していったようだ。それは、山口雄大監督、匠馬敏郎アクション監督との絆、『HiGH&LOW』の製作陣と繋がり続けていた斎藤にしかできなかったことではないだろうか。そんな斎藤が作り上げた尊龍というキャラクターは、『THE RED RAIN』だけでなく、その後の『HiGH&LOW』プロジェクトに繋がる重要な役割を果たしている。その真意は、スクリーンで確かめてほしい。


映画『HiGH&LOW THE RED RAIN』は10月8日(土) より全国公開。


取材・文=藤本洋輔 撮影=岩間 辰徳

プレゼント情報
斎藤工直筆サイン入り『HiGH&LOW THE RED RAIN』非売品プレスを1名様に
 

 

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作品情報
映画『HiGH&LOW THE RED RAIN』
 


TAKAHIRO、登坂広臣 / 斎藤工 吉本実憂 / 岩田剛典、鈴木伸之、町田啓太、山下健二郎、佐藤寛太、佐藤大樹、藤井萩花、坂東希、濱田龍臣、小野寺晃良、吉澤太陽、中井ノエミ 石黒賢 /中村達也、早乙女太一、渡邉紘平、三浦誠己、小木茂光、片岡礼子、矢野浩二、近江谷太朗、長谷川初範 / 飯島直子 / 岩城滉一
企画プロデュース:EXILE HIRO
監督:山口雄大
脚本:松田裕子、牧野圭祐、平沼紀久、渡辺啓
音楽:中野雄太
企画制作:HI-AX
製作著作:「HiGH&LOW」製作委員会
配給:松竹 

公式サイト:http://high-low.jp/

【あらすじ】
かつて、SWORD地区一帯を圧倒的な力で支配していたチーム・ムゲンと並び最強と称された兄弟がいた。雨宮雅貴(TAKAHIRO)と雨宮広斗(登坂広臣)、「雨宮兄弟」である。彼らは、一年前に突如姿を消した兄・雨宮尊龍(斎藤工)を探し続けている。幼い頃に両親を失くした三兄弟の絆は固く、尊龍は弟たちに「拳は、大事なもんを守るために使え」と言い聞かせていた。両親を亡くしてからずっと、支え合って生きてきた。両親の命日、参拝に訪れる雅貴と広斗。消えた尊龍が現れることを期待していたが、そこに現れたのは尊龍の行方の手がかりを知る人物だった・・・。尊龍は雅貴と広斗をおいて、なぜ突如姿を消したのか?ある目的を果たそうと目論む人々と、尊龍との関係が紐解かれるとき、雨宮兄弟の過去に隠された秘密が明かとなる。

(c)2016「HiGH&LOW」製作委員会

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