次代の大阪フィルを担う若きマエストロ角田鋼亮、‘指揮者’就任披露コンサートは間もなく開催!
大阪フィルの9人目‘指揮者’に就任した若きマエストロ角田鋼亮 (C)武藤章
今年(2016年)の4月に大阪フィルハーモニー交響楽団の‘指揮者’に就任した角田鋼亮(つのだこうすけ)。
企業からの依頼公演や学校公演の指揮を経て、ファン待望のお披露目コンサート「ソワレ・シンフォニー」Vol.8 が、10月21日にザ・シンフォニーホールで行われる。
もともと大阪フィルの‘指揮者’は、創立者であり2001年12月まで音楽総監督を務めた朝比奈隆が扱わない作品を指揮する補完的な立場として置かれたポジションだった。これまでに若き日の外山雄三や秋山和慶、手塚幸紀、朝比奈千足など8人が‘指揮者’に就任しており、角田鋼亮は86年から3年間務めた大友直人以来27年ぶり9人目の就任となる。
現在の首席指揮者 井上道義に次ぐポジションとして指揮者複数体制の下、大阪フィルが行う演奏活動をより広く指揮していく。
大阪フィルと角田鋼亮の出会いは2013年にさかのぼる。
当時、首席指揮者就任が決まっていた井上道義が強く希望し開催されたのが、コンサート・オペラという形式で上演するバルトークの「青ひげ公の城」。角田は副指揮者要請を井上より受けたのだが、初めて楽員と向き合ったのがナント本番前日のリハーサル。急なことだったが、周囲の心配をよそに楽員の評判は上々。その後、数度の共演を重ね、両者の良好な関係は‘指揮者’就任という形へ結実していくこととなった。
角田鋼亮の‘指揮者’就任披露コンサートは「ソワレ・シンフォニー」Vol.8 (C)武藤章
‘指揮者’就任に際し角田鋼亮は語る。
「歴史と伝統のある大阪フィルの指揮者に就任出来てとても光栄です。ヨーロッパの荘厳な建築のように、下から積み重ねるようなサウンドが大阪フィルの魅力。大阪フィルが得意とするドイツ音楽に加え、英国、北欧の音楽や、私の大好きなオペラ作品にも取り組んでいきたいですね。作品の良さを引き出す指揮を常に心がけています。そのためには、しっかり楽譜を読み込み、オーケストラの皆さんとコミュニケーションを諮ることが大切。やり甲斐を感じます。」
お披露目コンサートの舞台となるのは、今回が8回目の開催となる「ソワレ・シンフォニー」。
開演時間を通常より30分遅くし、入場料金は全席3500円とリーズナブルな設定。誰もが喜ぶ名曲プログラムが堪能出来て、通常のコンサートと変わらない終演時間。など細部にまで工夫を凝らし、大阪フィルにとって平日昼間のコンサート「マチネ・シンフォニー」と対をなす大切なコンサート。仕事帰りのビジネスマンにも、ゆったり食事をしてから音楽を楽しみたいというクラシックファンにも評判のシリーズだ。
「ソワレ・シンフォニー」Vol.8のソリストは、大阪フィルとも初共演の小林愛実 (C)武藤章
今回のプログラムも、人気の高いショパンのピアノ協奏曲第1番とベートーヴェンの交響曲第5番「運命」という期待に違わない魅力的なもの。ソリストに昨年のショパン国際コンクールのファイナリスト小林愛実を迎えることも話題のひとつだ。小林愛実と大阪フィルは今回が初共演。今後、ますますの活躍が期待される気鋭のピアニスト小林愛実の大阪フィルデビューが、次代の大阪フィルを担う角田鋼亮の‘指揮者’お披露目コンサートというのも何か特別なものを感じる。
二人の音楽家にとっての記念すべきコンサートは、皆さまにとっても特別なコンサートになることだろう。
しっかり目と耳に焼き付けたい。