ロバート・フランク写真展、新聞紙に印刷した作品を会期終了と共に破棄
ロバート・フランク『Tunnel』(映像キャプチャ)、カラーと白黒、4分、2005年 ©Robert Frank
『Robert Frank: Books and Films, 1947-2016 in Tokyo』展が、11月11日から東京・上野の東京藝術大学大学美術館 陳列館で開催される。
1924年にスイス・チューリッヒで生まれ、1947年にアメリカに移住した写真家ロバート・フランク。1958年に初版が刊行された『The Americans』などの代表作で知られるほか、映像作家としても多くの作品を発表している。
同展では、繊細な扱いが求められ、貸し出しに高い保険料がかけられることからフランクの作品展示の機会が限られているという現状を背景に、フランク自身とドイツの出版社Steidl社の創業者ゲルハルト・シュタイデルが企画。学校や美術館など公共性の高い場所を会場として世界50都市を巡回している。展示作品は廉価な新聞紙に印刷され、会期終了と共にパフォーマンスによって破棄される。
巡回展の10都市目にあたる東京会場では、作品や写真集に加え、フランクとシュタイデルが1冊の写真集を生み出す過程を、手紙や素材のサンプルといった資料と共に紹介。また、再生新聞用紙に印刷されたカタログを500円で販売する。なお同展の展示構成やイベントの立案、広報、什器の制作などは東京藝術大学の学生が主体となって行なっている。
会期中にはシュタイデルによるワークショップやレクチャー、写真家の鈴木理策とグラフィックデザイナーの松下計によるシンポジウムを開催。さらにフランクを追ったローラ・イスラエル監督の新作ドキュメンタリー映画『Don't Blink』が2017年4月の日本公開に先駆けて上映される。また最終日には、会期終了と共に作品を破棄するというコンセプトのもと、展覧会の集大成となるライブパフォーマンスが行なわれる。各イベントの詳細は『Robert Frank: Books and Films, 1947-2016 in Tokyo』展のオフィシャルサイトで確認しよう。