三代目市川右團次を襲名する右近と二代目市川右近を襲名する武田タケルくんが、歌舞伎史上初の“丸の内お練り”
三代目市川右團次を襲名する市川右近(右)と二代目市川右近を襲名する武田タケル(左)
2017年、新橋演舞場の幕開けを飾る『壽 新春大歌舞伎』で、三代目市川右團次を襲名する市川右近(53)と、二代目市川右近を名乗って初舞台を踏む武田タケル(6)が12月13日、東京・丸の内お練りをした。丸の内でお練りをするのは歌舞伎界でも史上初だといい、約6000人(松竹発表)が見守った。
三代目市川右團次を襲名する市川右近(中央右)と二代目市川右近を襲名する武田タケル
丸の内お練りの様子
三代目市川右團次を襲名する市川右近(中央右)と二代目市川右近を襲名する武田タケル(中央左)
2人を始めとする隊列約50人は、「高嶋屋!」「澤瀉屋!」などと掛け声をかけられたり、写真を撮られたりしながら、「丸の内MY PLAZA」から丸の内仲通りを約300メートルにわたって練り歩いた。東京駅前で報道陣の写真撮影に応じた後、東京駅前の商業ビル「KITTE」に移動して挨拶をした。
三代目市川右團次を襲名する市川右近
三代目市川右團次を襲名する市川右近は「披露のお練りに、かくも賑々しくお集まり頂きまして誠にありがとうございます。大阪に生まれ育ちました私が、師匠三代目市川猿之助、現市川猿翁でございますが、入門をさせて頂き、市川右近を名乗らせて頂いて、その後中学入学とともに上京いたしました。それがこの東京駅でございました。40年の時を超えまして、また再び、市川右團次の名跡と相成り、このスタートを東京駅で迎えられますこと、非常にご縁深く、またありがたく、自分の新たなスタートを切れるなと大変幸せに存じております。81年ぶりの市川右團次の名跡復活。代々の右團次の名に恥じぬよう、懸命に努力精進をして参る所存にございます」などと挨拶した。
囲み取材では、「これから歌舞伎を志す若者がいた時に、若者たちの道標のような人間になれればな、そういう役者になれればなと思っております」と抱負を述べた。丸の内お練りをしたことについては「私、個人的にお買い物好きでございまして、よく通るところだったので馴染みもあるんですが、お練りとなると違う感じで。大変華やかなストリートでやらせていただいて、非常に嬉しく思っています」
二代目市川右近を襲名する武田タケル
右近の息子で、二代目市川右近を襲名する武田タケルは「武田タケルでござりまする。この度、父の名跡、市川右近を二代目として襲名いたす運びと相成りましてござりまする。どうぞよろしく、お願い申し上げ奉りまする」と堂々と挨拶し、拍手を浴びた。クリスマスプレゼントは何が欲しいかという報道陣の取材には「i-Pad」と答え、現代っ子らしい一面ものぞかせていた。
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(取材・文・写真撮影:五月女菜穂)
■日程:2017年1月3日(火)~27日(金)
■会場:新橋演舞場 (東京都)
■出演:右近改め市川右團次、市川右近、中村梅玉、市川猿之助、市川海老蔵、市川中車 ほか
■演目:
<昼の部>
三代猿之助四十八撰の内 通し狂言 雙生隅田川(ふたごすみだがわ)
吉田少将館奥殿より 琵琶湖鯉つかみまで
<夜の部>
一、源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)
義賢最期
二、三代目市川右團次襲名披露 口上(こうじょう)
三、錣引(しころびき)
摂州摩耶山の場
四、猿翁十種の内 黒塚(くろづか)
■公式サイト:http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/play/505