EGOIST chellyインタビュー 「“楪いのり”はEGOISTの中心にいなければいけない」

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EGOIST Chelly

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アニメ『ギルティクラウン』から飛び出したEGOISTは、プロデューサーのryoとボーカルのchelly、そしてフロントを務める「楪いのり(ゆずりは・いのり)」による架空のアーティストである。今回は、CGで表現されるいのりに魂を吹き込むボーカル・chellyに話を聞いた。彼女にとってEGOISTとは、楪いのりとは。決して表に姿を見せない彼女の思いに耳を傾けてみよう

――EGOIST chellyさんです。よろしくお願いします。

よろしくお願いします!

――早速ですが、新曲「Welcome to the *fam」の話からお伺いします。

はい。

――ガラッと雰囲気が変わりラップなども入っている、今までとは少し違う印象の楽曲でしたが、初めて渡されたとき、歌った時の感想などあれば。

「そうきたか!」みたいな感じですね。以前からryoさんが今までやったことのない曲調でやりたいっておっしゃってて。今までやったことのないことってラップだねっていう話はあったんです、それが後々フラグで(笑)。

――伏線はあったんですね。

でまあ、満を持してラップだっていう感じですね。

――実際、レコーディングはどうでしたか?

本番のレコーディングに至るまで、結構な練習日があって、いつもならプリプロの日が一日、多くて二日で終わるんですけど、今回4回ぐらいあって。ラップだしメロディも歌詞も変更を重ね、大変でした。

――今回PlayStation™Musicのタイアップということで、ゲームのネタが沢山入っていますが、chellyさんは普段ゲームはやられるんですか?

ゲームやりますよ! 私RPGが好きなんです。なのでアクションとかはあんまりやらないんですよね。

――RPGだとどういう風なものをやられたりとか思い入れとかありますか。

『テイルズ・オブ』シリーズが好きです! あとは、有名なのはちょこちょこ、ドラクエとか。

――ファンクラブツアーでは実際ライブで歌われましたが、いかがでしたか? 踊りながら歌えるかわからないっていうMCが印象的だったんですけど。

そうなんです。レコーディングの時にマイクの前に立って、動かないで歌うだけでも大変なのに、これで動くわけだからとんでもないぞと。

――そうですよね。

振付師の方と、打ち合わせというか、どう歌いながら見せられるかっていうので、振りを削っていただいたり、増やしていただいたりして、そうしたら意外とできました(笑)。

Chellyが描き下ろした「Welcome to the *fam」ジャケットイラスト

Chellyが描き下ろした「Welcome to the *fam」ジャケットイラスト

――イラストの方にも才能を見せてらっしゃいますが、今回のジャケットイラストもredjuiceさんのデザインをご自身で描かれたんですよね?

そうなんです。アニメーションで衣装の設定画を手元にいただいて、それを元に構図を考えて、ガーって描きました。

――イラストは趣味でやっていらっしゃる感じ?

本当に趣味です。歌と一緒で、多趣味だったので、絵を描いてみたり、歌ってみたり、演奏してみたり、お芝居をやってみたり……。芸術分野ということでたくさんやっていましたね。

――アニメーションもお好きということですが、自分が関わっている作品も増えていると思います。思い入れのある作品なども増えてきたのでは?

どれにも思い入れがあるし、思い出があるんですけど、1アニメファンとして、すごく好きだったのが、『PSYCHO-PASS』です。お話がすごく興味深くて面白かったんですよね。毎週毎週リアルタイムで見ていていました。

――そういう意味では『ギルティクラウン』もノイタミナだし、『甲鉄城のカバネリ』もノイタミナ、結構ノイタミナ枠に縁がある印象があります。

ノイタミナのアニメは、どれも切り口が面白くて見てて面白いんですけど、作品をみて考察というか、考えるのが好きなんです。ノイタミナ枠はそういうアニメが多いので楽しいです。

――chellyさんを見てると、好きなものに関わってここまできてるという印象があります。歌が好きで、絵が好きで、アニメが好き。

ありがたいことに……。基本、好きなことをお仕事にさせてもらってて。

――逆に「これはしんどい」って思うことはありますか。「これさえなければ!」というもの(笑)。

年なので、深夜業務ですかね(笑)。

――そして、早いものでEGOISTとしてデビュー5周年となります。

そうですね。……早いなぁ。

――改めて、EGOISTって特異なアーティストだと思うんです。chellyとして表に出て歌うわけじゃなくて、EGOISTで楪いのりちゃんを一枚隔てて存在している、境界線のアーティストだと。5年間、このスタイルでやっていく中で迷いだとか、やってるからこそ見つかるものって何かあるのかなと思ったんですが。

なんでしょうね。最初は客観的にみて、映像とリンクしながら動いて歌うっていうのは、私にとっては新鮮で新しいものと思っていて。すごくかっこいいなと思ったんですけど、続けていくうちにもっとできる、もっと映像面でも演出面でもレベルアップできるし、歌に関して、パフォーマンスに関しても、考えながらできるなと思って、その余地を考えてやるのがすごい好きで楽しいんです。それはずっと変わってないですね。

――変な話なんですが、自分の顔を出して歌いたいとか、chellyとしてもっと活動したいっていう願望みたいなものってあったりしますか。

そうですね。私個人として出るのは、すごくいいなと思うようなこともあるんですけど、EGOISTとして、ボーカルとして外に出るのは違うなと思うんです。そこは徹底して行きたいと思います。

――『ギルティクラウン』という作品は完結してても、EGOISTはその先をいって独立してしまうっていうのは稀有なものだと思うんです。chellyさんから見て、EGOISTの何がこんなに受けていると思いますか。

なんでしょうね(笑)。ryoさんの作った素敵な曲と新しい技術のマッチングが受けているのかなって自分では思っています。

――chellyさんから見たryoさんは、どんなかたですか。

不思議な人ですね(笑)。いわゆる、典型的な天才タイプのかたです。

――楽曲の難易度はすごく高いレベルを要求されている気がしますけど、歌唱の難易度も上がってるんでしょうか。

年々どんどん上がっています。どこまでいくんだろうっていう感じ(笑)。

――求められているものが増えている?

そうですね。求めていただいて、自分の引き出しもどんどん開けられていくので、そこはすごく嬉しいです。

――どこまで聞いていいのかわからないですけど、ライブの裏側というのは大変じゃないですか?

大変ですよ(笑)。

――僕らは絶対に裏側は見れない。chellyさんの感じる大変さをちょっと知りたいなっていう思いがありまして。

苦労かあ……。前回までは紗幕で、今回からはLEDのモニター越しになったんです。個人的には、他のアーティストさんみたいに、お客さんの声を聞いて普通にライブをやって、楽しんでもらっているっていう感じがするんですけど、ふと、お客さんと私を隔てているものが気になるときはあって。その隔てているものが見えると、自分のつけているものが気になるんですよ。無いなら無いで、もうちょっと自由にできるのになって思ったりもするんですけど。

――そういう瞬間がなくもない。

うん、なくはない。

――それありきのEGOISTというところもあるんですよね。どんなにライブを重ねても、ずっとお客さんとの間に壁を挟んでる。それをもどかしく感じることは。

もどかしいというか、寂しい印象を持つんですよ。

――もっと直接お客さんの顔を見たい、とか。

お客さんの顔は大体見えるんです。でも3Dモデルのいのりちゃんは表情がつかないじゃないですか。普通の表現ができない。私はこんなに笑ってるのに、っていうのはあるかもしれないです。

――でも、この間のライブからびっくりするぐらい、いのりちゃんが進化していて。将来的に表情とかも出来そうじゃないですか?

できるかもしれないですね。お客さんも私の表情が見えないかなっていう不安もあったりするので。

――不思議なもので、言葉尻だったり、しゃべっている言葉で、いのりちゃんを通じてchellyさんが見えるというか、それがどんどん進化している気がしています。

ありがとうございます。前回まで演出してくださった方が、ライブで私のパーソナルな部分や、裏にいるんだよっていう存在感を出せるような演出をしてくださったんです。その名残で、今回もモニター越しに、私のことを感じて貰えるっていうのはあると思います。

――歌っていて「私、成長したな」とか、「あ、これができるようになった」という瞬間はありますか?

去年の秋頃に、『リローデッド』という3曲入りのシングルを出したんですけど、それをライブで歌うと、やっぱりライブでしか出てこない感情というか、お客さんの様子だったり声を直接そこで聴くと、気持ちが揺らぐじゃないですか。あのステージの上でしかできないパフォーマンスがあるっていうのは感じてます。「Ghost of a smile」とか、ライブで成長したなっていう曲ですし。

――最初に『ギルティクラウン』を見て、EGOISTの曲が初めて流れた時に、「すごいのが出て来たぞ」って衝撃だったんです。最初は澤野弘之さんの劇伴が話題になっていたところに、EGOISTが飛び込んできた。「こんなアニソンあるのか」って話題になって。

確かにアニソンぽくないかもしれません。

――アニメなどの主題歌をやるときに、作品を噛み砕いたり、意識したりすることは多いんですか。

原作を読ませてもらったり資料をもらったり、あとはイラストか、設定画みたいなものをもらったりして、自分なりに「この子は、こういう子なんだな」とか、「このストーリーをどう表現しようかな」というのは考えてやってます。作品に寄り添えるようにっていうことをいつも考えていていますね。

――EGOISTに関していうと、寄り添うというより、体現しているというような曲が多いなと思います。

最近は特にそうです。ryoさんのお考え的には、あまり寄り添わずに、みたいなところもあるかもしれないです。

――EGOISTで「こういうことやってみたい」っていうのはありますか。

準備が必要ですね(笑)。やってみたい場所は、ライブハウス以外のところ。ホールとかかな?

――ほとんどは環境的にライブハウス?

そうですね。あとは、公共施設(笑)。野外とかでもやれたらすごいけど。

――技術が追いつけばやれそうですね。

まず雨が降ったらやばいです(笑)。

――野外の夜で、「Departures~あなたに送るアイのうた~」とか聞きたいです!

やってみたいですね!

――ここからはchellyさんのパーソナルな部分を聞きたいと思うんですが、デビューが高校生でしたよね。

そうです。

――オーディションに応募してプロになりたいと思ったきっかけはありますか? 例えばこの曲を聞いたから、とか、このアーティストに憧れた、などあれば。

音楽が好きで、楽器を弾いたり、詞を書いたり趣味で歌ってました。でも、明確に“私歌手になるぞ”ってオーディションに応募したんじゃなく、気軽に「まあ、ちょっと人生経験してみよう」みたいな(笑)。

――フランクな感じなんですね。

絶対に落ちると思ってたので、「経験として勉強しにいこう」みたいな。

――それはデモを送ったんでしょうか?

家にマイクやインターフェースがあったので、ちょいちょいと録音したデモを。

――ちなみにそれは指定曲?

最初は自分の好きな曲を歌って、書類などと一緒に送るかたちでした。

――曲名を聞いてもいいですか。

これはほかで言ったことないです(笑)。ボカロPさんの曲でした。当時はボカロ全盛期で、keenoさんの「glow」というバラード曲がすごく流行っていたんです。それを歌いました。初出し情報ですねこれ(笑)。意外と言う機会もなかったので。

――最初が「glow」。

それで受かって、次に進むことになった時の曲が、椎名林檎さんの「ギブス」と東京事変さんの「群青日和」。あとは自分の選んだ自由曲でした。

――椎名林檎さんと東京事変は指定曲だった。

指定曲でした。求めているものが多分そうだったんでしょう。ソニーさんのスタジオに行って歌ったんですが、ド緊張しちゃって記憶がないんです(笑)。

――ちょっと試してみようと思ってたのに、ソニーきて歌ってくれって緊張しますよね。選ばれて最初に録音したのは「Departures」だったんでしょうか。

多分「Euterpe」だったと思います。カップリングになってるんですが、アニメ第1話の冒頭に、「Euterpe」が流れたのが最初だったと思いますね。

――テレビを見て自分の声が流れてきた時はどうでした?

いやー! 感動しましたね。

――元々アニメがお好きなんですもんね。

そうなんです。元々好きなので、これは事件だ!と(笑)。

――憧れていたアーティストさんなどは当時いらっしゃったんですか?

広範囲に色々と聞くんです。その時期に流行っているものも含めて、好きなアーティストさんの曲だったりとか、新しい曲が出たりすると、覚えてカラオケに行ってみたりとか。

――今でもカラオケには行かれますか。

行きます、行きます! 人の曲を歌いたいなって思ったときに。宇多田ヒカルさんがすごく好きで、親も宇多田さんが好きで、車のカーステレオからずっと流れていたんで、それを聞いて覚えたり。

――chellyさんが歌う宇多田ヒカルって、ちょっとぞくっとしますね。

あはは!

――さて、別の話題になるんですが、EGOISTというと“楪いのり”という存在と“chelly”は切っては切れない関係性だと思いますが、chellyさんから見た いのりちゃんってどんなキャラクターですか。 

EGOISTの中心人物ですね。それはいつ、いかなる時も変わらないというか。なんか中心にいなければならない人かなって思いますね。

――いわゆる荒木監督が作ってきた『ギルティクラウン』の作品内では、楪いのりという存在のストーリーはある意味完結してる。でも、その枠を飛び越えて活動していく中で、どう向き合っているのかが気になったんです。

『PSYCHO-PASS』で「名前のない怪物」を歌わせていただいた時に、「おや」って思ったんです。なんか飛び越えちゃったな、と。その時にどういうスタンスでいればいいのか悩んだ時もあって。

でも楪いのりっていうのは、多分EGOISTがこれからどこに行こうと、初心であるべき存在、スタート地点なんです。大事にしなくちゃいけないと思うので、ずっと心の中にいる人っていう感じです。EGOISTを名乗ってやるときは、楪いのりは欠かせない。

――いのりちゃんとchellyさんは同化している部分も多いと思うんですけど、彼女が本当に実在したとして、対談するみたいな話になったら何を聞いてみたいですか?

会話弾まないだろうなぁ……(笑)。私もそんなに喋るタイプじゃないし、彼女も多分寡黙な子なので、対談するというよりかは一緒に歌いたいな。

――ユーザーは2人を同一視しているところと、乖離して見ているところがあると思うんです。EGOISTが提供してくれるものはすごく多いのに、キャッチするのはユーザー側次第、という印象があってEGOISTに対してこう思ってほしいということはありますか。

あんまり強いるのもな、っていうのもあるんですよね。その舞台に立つ私を、楪いのりとしてみる人もいれば、chellyとしてみる人もいれば、両方を器用に見ている人もいる。なので、聴く人みる人に委ねたいです。

――例えばソロとしてchellyをやりますっていうことだったら出てくるんですかね、そういう主張は。

かもしれないですね。ただ、『ギルティクラウン』という作品が土台にあって、楪いのりがいて、EGOISTっていうのをファンの皆さんがわかってくださっているので。『PSYCHO-PASS』から入った、伊藤計劃さんから入った、という人でも『ギルティクラウン』を遡って見てくださる方が結構多いので、土台を皆さんがわかってくださっている。だからあとは、お任せですよというか。好きなように解釈してくださいという感じです。

――あえてユーザーに言葉で伝えたいことがあれば。

うーん、そうですね……。本当に、いつもありがとうございます。感謝しかなくて……。 EGOISTはコンセプトがしっかりしているようで、しっかりしていないんです。蛇行することも多々(笑)。そんな中でも、ついてきてくださる方がいらっしゃるので、本当にいつもありがとうございます。

――EGOISTの曲は知っているけれど、ライブは知らない人にメッセージを送るとすれば?

ちょっと特殊ですけど、怖がらずに一歩踏み出してくだされば、きっと見たことのない景色が待ってると思います。私も、毎度毎度新しいことに挑戦していけたらなと思っているので、遊びに来てください、かな(笑)。

――最後に、年の瀬ということで2017年の抱負や目標を。

アルバムが出せたらいいな。まだ出したのが一枚しかないので。

――セカンドアルバムは、期待されていると思います。

本当! だいぶ期待されていると思いますので、来年こそはそれをまず目標にしたいです。アルバムを引っさげてライブができれば!


インタビュー・文=加東岳史

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