アーティスト・キュレーション型フェスに行こう
ワーハピが終わり、京都音博が近づくに連れて思う
先日、縁あって今更ながら「WORLD HAPPINESS 2015」に参加した。そこで感じたのは、大人がゆったり楽しめるオシャレなフェスという形容はある意味正しいけれど、似た顔ぶれのライブバンドで開催されている各地のフェス以上に、実はラジカルなんじゃないの?ということ。
ざっと振り返ってみただけでも、筋肉少女帯とスチャダラパーとCharisma.comとキュレーターである高橋幸宏が小山田圭吾、砂原良徳、TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ、LEO今井によるスーパーユニット、METAFIVEらがひとつのフェスティバルに出演するなんてことは、他ではほぼありえない。しかも例えば筋肉少女帯の「日本印度化計画」に20代のカップルから、アラフィフのコアな音楽リスナーまで拳を突き上げ、爆笑したり、METAFIVEの世界に打って出る可能性に満ちた音楽性に心酔するという、あらゆる方向に振り切った光景が展開。
今年で8年目の開催なのに何言ってんの?今更気づいたの?と言われればその通りなのだが、ジャンルや世代を横断したブッキングってすっごい楽しい!そんなシンプルな感想を持ったわけです、はい。
それもこれもワーハピには高橋幸宏という目利きが存在するからなわけで、これから開催されるアーティスト・キュレーション型のフェスにも目を向けてみたい。9月の大型連休中に開催される「京都音楽博覧会2015 in 梅小路公園」は、ご存知、くるりがキュレーターを務めるフェスというより、その名の通音楽の博覧会的魅力を湛えた、京都市駅からほど近い梅小路公園での開催。都市型フェスという意味でもワーハピと近いニュアンスがある。
しかも音博の場合、周辺住民への配慮から音量制限があるため、アーティストはアコースティックセットなど、普段バンド形態でライブを行う面々は新しい構成で臨んでくれるのだ。
そして、本稿のテーマである出演者のジャンル横断ぶりは今年も他に類を見ない。8月29日に行われたメンバー記者会見(京都水族館から生配信された)で、新たに木村カエラの参加も発表されたが、すでに、トリを務めるくるりはもちろん、高野寛、indigo la End、真島昌利(ザ・クロマニヨンズ)と真城めぐみ、中森泰弘(いずれもヒックスヴィル)の3人が結成した、ましまろ。
と、いわゆる日本のロック/ポップ・フィールドのアーティストに加え、今年は、近年、ジャズボーカリストとしてのルーツも作品で示し、もちろんチャーミングなキャラクターにも期待十分な八代亜紀、はたまたボンベイ・バイシクル・クラブらとUKツアーも行ったことのある、25歳のマルチ・インストゥルメンタリスト、Cosmo Sheldrake(イケメン!)、現在ブラジルで最も注目を集めるシンガーソングライターにしてマルチ奏者のAntonio Loureiroという音博ならではのアーティストの出演が、ここ以外にはないケミストリーの予感を高めてくれる。当然のことながら世界は広く、未知の音楽だらけだ…。
個人的にJames Blake以来の(音楽的な文脈というより、新鮮なサウンドという意味で)トリハダものの才能を感じるAntonio Loureiroの生演奏への期待値はマックス。まずこちらを。
Livre Antonio Loureiro (single)
そして出演アーティスト紹介もぜひチェックを。
● 「京都音楽博覧会」公式サイトによる出演アーティスト紹介
http://kyotoonpaku.net/2015/lineup/
加えて、今年は隣接する京都水族館にて公開打ち上げと銘打った公演「京都音楽博覧会presents Quruli aQuarium」も開催される。
日時:2015年9月20日(日)
会場:京都 梅小路公園 芝生広場
出演者:くるり、木村カエラ、高野寛、indigo la End、Cosmo Sheidrake、八代亜紀、Antonio Loureiro、ましまろ