「私たちはまだまだこれから」 妄想キャリブレーションに訊く、メジャーデビュー後から現在――そして念願のアニメタイアップについて
妄想キャリブレーション
2016年6月にメジャーデビューを果たしたアイドルグループ・妄想キャリブレーションがシングル「激ヤバ∞ボッカーン!!」をリリースした。
4thメジャーシングルとなる今作は、メンバー念願のアニメタイアップ曲(TVアニメ『タイムボカン24』エンディングテーマ)となっている。そんな念願のタイアップが決まったときのちょっと危険(!?)なハプニングから、楽曲制作中のエピソード、そして伊織が初の作曲を手掛けたカップリングについてたっぷりと語ってもらった。
――去年、メジャーデビューを果たして以降、怒涛の勢いでインタビューを受けるなか、グループに関していろいろ聞かれるようになっていると思うんですが。
桜野 羽咲(以下、羽咲):ソニーさんに所属してからこういう風にお話させて頂くことが増えて。自分の言葉で話すことによって自分たちがやっていることに対する理解がより深まっているし、ファンの人たちにも自分たちの言葉で思いを伝えられる機会が増えたことがすごくうれしいです。
――やっぱりそうなんですね。大量のインタビューが自分たちのことを見直すきっかけになってるのかなと思っていました。改めて妄想キャリブレーションというグループに対して思うことはありますか?
胡桃沢 まひる(以下、まひる):いや~、肝が座ってるグループだと思いますね! この1年で、雑草魂と言いますか……つくしのように折れては起き上がる負けん気はすごく強くなったと思います。
星野 にぁ(以下、にぁ):特に去年はいろんなことにもみくちゃにされた1年だったので、1人ずつの強さも、グループでの強さも高まったと思います。
――もみくちゃにされたというのは?
羽咲:本当にたくさんのことに挑戦させてもらったんですけど、新しいことに挑戦するときって誰しも強い心が必要じゃないですか。そういう意味でかなり精神面が鍛えられたし、妄キャリとしての引き出しがたくさん増えたので、そういう面でも強くなったと思います。
水城 夢子 (以下、夢子):ダンスの基礎を学んだり、ボイトレを始めてみたり、楽曲にしても新しい方向性にチャレンジしたり、とにかく挑戦が多い一年でその分成長したと思います。
まひる:無駄なものなんて一切なくて、私たちにとって全部がプラスになるような挑戦が出来たので、私たちの負けん気や団結力を高めてくれました。
夢子:メンバーの誰かが折れそうな時は他の誰かが前向きに元気づけてくれたり、みんなで助け合ってきましたね。
――周りからの見られ方とのギャップなんてあったりしますか?
胡桃沢:周りからは「妄キャリ、今すごいね!」とか「タイアップもらって、自分たちで作詞したりしてすごいじゃん!」って言われたりするんですけど、私たちはそういう実感があまりなくて。「すごくないから、私たちはまだまだこれからだから」っていう気持ちがすごく強い。そういう面では周りとのギャップはあるのかなって。
――やっぱりメジャーに上がってくるだけでも注目度は増しますからね。
羽咲:まだ誰も私たちのことなんて見てないって思っちゃうんですけど、ミュージックビデオを上げたときにたくさんリプライをもらえたり、「いいね!」って言ってくださったり、ちゃんと数字に現れてるのを見ると「良かった、見てくれてる人はいた」って安心します。
妄想キャリブレーション・星野 にぁ
――なるほど。では、今回SPICE初登場ということで、基本的なこともお聞きしたいと思うんですけど、そもそも妄想キャリブレーションというのはどういうグループなんでしょう?
まひる:そもそも! ……コンセプトとしては“夢に向かって妄想する、恋しちゃいそうなアイドル”という……。
羽咲:これ、そろそろ変えようと思ってて。
――なんでまた?
雨宮 伊織(以下、伊織):恋しちゃいそうになるんですかね……?
まひる:まぁ、ネガティブな発言はやめよう! 妄キャリは“2017年ポジティブ宣言”をしてるんで!(笑) ほら、あとは(伊織に対して小声で)“秋葉原の体育会系”って……
伊織:(ささやくように)秋葉原の体育会系です……。
羽咲:あははは! 弱そう!
――体育会系の要素を毛ほども感じませんでしたけど(笑)。
伊織:でも、フットサルとかやってますよ。
――本当に運動をやってるんですね。
まひる:富士登山もして。みんなちゃんと駆け抜けました!
伊織:どっちかというとメンタルの方が体育会系かな。
にぁ:そうだね~。
まひる:スポ根みたいだよね。メンバーそれぞれ個性が強くて、中身を知れば知るほど「この子おもしろいな」っていうフシが出てくると思います。
妄想キャリブレーション・雨宮 伊織
――そんな個性派揃いのなかで、妄キャリのお母さん的な存在って誰になるんですか?
伊織:(食い気味に)羽咲ちゃん!
――即答! それはどういうところが?
伊織:包み込んでくれるから。
にぁ:すごく面倒見がいいです。あやしてくれる。
伊織:あと、子どもを抱くのが上手い。
羽咲:やめてよ!(笑)
にぁ:(羽咲は)普段、髪の毛は派手にしてるんですけど、ライブが終わった後はだいたいひとつ縛りにしてて服装も意外と落ち着いてるので、そのときの母みが深い!(一同笑)
――母みが深い(笑)。
にぁ:「子ども2人育てたでしょ?」みたいな。
夢子:落ち着いてますね。
――では、お父さんは?
伊織:(再び、食い気味に)まひちゃん!
――また早い!(笑)
夢子:この人は大黒柱で、家族をまとめるのが上手い。
にぁ:「困ったらまひる!」みたいな。
――「お父さんだったらなんとかしてくれる」みたいな。
夢子:もちろんです。このお父さんは一番家族を褒めてくれるし、一番叱ってきます。
――いいお父さんじゃないですか。
伊織:他に叱れる人がいないから。基本的にみんな事なかれ主義なので。
まひる:そう、「ちがうでしょ! 本当はもっと言いたいことあるんでしょ!」とか言って。
――お父さんとお母さんは分かりました。残りの3人はどういう立ち位置になるんですか?
羽咲:男3兄弟です。
にぁ:失礼じゃない!?
――女ではないと(笑)。
まひる:いや、にぁちゃんはペットで、ほか2人が兄弟でしょう。
夢子:子どもよりも頭がいいゴールデンリトリーバーみたいな(笑)。
妄想キャリブレーション・胡桃沢 まひる
――そのペット感っていうのは?
伊織:髪の毛かな。
羽咲:顔のペット感は本当にすごい。
夢子:小動物感。
まひる:キャラクター感。
にぁ:それはすごい言われますよね。
夢子:にぁちゃんのダンスとかスタイルはすごくキャラクター感があるというか、アニメっぽい。でも、中身を見たら完全に男。
まひる:それは、ここ2人(伊織と夢子)もヤバいです。
にぁ:暴れん坊です。
――どっちが長男ですか?
夢子:伊織かな?
にぁ:いや、双子って感じ。2人ともめちゃ似てるんですよ、本当に。
夢子:似てるかぁ?
にぁ:似てる似てる! ……似てるからね?(一同笑)
まひる:どんなところが?
にぁ:夢子って普段から人の会話をワンテンポ以上遅れて聞いてる感じなんですけど、こないだ伊織がそれと同じことをして、それで2人が揉め始めたんですよ。
夢子:「ちゃんと聞いといて!」って。よく言い合いしてるよね。
まひる:そう。言い合いごっことか始めるんですよ。「◯◯って言ったじゃん!」とか片方がいきなりキレ始めて、うちらが「どうした? どうした?」ってなったら……。
羽咲:ただの遊びだったっていう。だから最近は無視するようになりました(笑)。
――こんな家族を見ていて、大黒柱のお父さん的にはどうですか?
まひる:この2人(伊織と夢子)は後から入ったメンバーなんですけど、最初はどう対応したらいいか分からないぐらい新しい人種で、すごいびっくりしたんですよ。
にぁ:今まで生きてきたなかで関わったことのないタイプで。
伊織:いやいや、どこにでもいるよ?
まひる:いや、こんなヤバいのいないから!(一同笑)。そんな人たちだけど、集まって2年も一緒にいると本当に家族みたいに思えて、最初だったら「これ、本当にありえない」とか思ってたことも、「オッケー!」って思えるぐらいになって。
夢子:なにそれ(笑)。
伊織:最近、おてて洗ったあとに(にぁの)服で拭いても怒らなくなった。
夢子:あはは!
にぁ:それ、諦められてるだけだから(笑)。
――そこはちゃんとハンカチ使いましょう(笑)。
まひる:本当ですよねぇ!
伊織:とにかく……仲良くなりました、すごく。