賀来賢人インタビュー ミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』で念願の小栗旬との共演叶ったり!

インタビュー
2017.8.9
ミュージカル「ヤングフランケンシュタイン」でアイゴール役を務める賀来賢人

ミュージカル「ヤングフランケンシュタイン」でアイゴール役を務める賀来賢人


この夏、喜劇の天才メル・ブルックスによるブロードウェイ・ミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』が日本に初上陸する。本作は、1974年にメル・ブルックスが数々の「フランケンシュタイン」映画をパロディ化した映画「ヤング・フランケンシュタイン」を、2007年に自らの手でミュージカル化したものだ。日本版の演出・上演台本はヒットメーカー福田雄一が手掛け、主演はミュージカル初挑戦の小栗旬が務める。

NYの脳外科医フレデリック(小栗旬)はフランケンシュタイン家の末裔であることを隠していたが、遺産相続のためにトランシルバニアの屋敷へ行くことに。そこで祖父の実験記録を読むうちに実験をしたい欲求にかられ、モンスターを生み出してしまう。

本作で小栗旬演じるフレデリックの助手・アイゴール役を務め、もはや福田組の常連となりつつある賀来賢人に、作品や共演者への思いについて聞いてみた。

念願の小栗旬との共演

──今回の出演が決まった時の感想はいかがでしたか?

もともと原作は知らなかったんですが、福田さんから「小栗君が主演でミュージカルなんだけど」と言われて、二つ返事で「出ます」って答えてましたね。初舞台が福田さんの作品だったというのもあって、久々にある意味キツイ稽古をまた体験したいというのと、前からすごく共演したかった小栗さんが主演ということだったので、「是非!」という感じでした。

──映画をご覧になったそうですね。

映画自体、すごく面白かったです。このアイゴールって役がなかなかすごい役で想像ができてないんですが、福田さんがいつものように日本人に伝わるような感じで作っていくんだろうなと思っています。楽曲もとても素敵だったので、面白いミュージカルになるんじゃないかなと期待していますね。

──今回、小栗さん演じるフレデリックの助手アイゴール役ということで、2人の掛け合いが多そうですが、初共演となる小栗さんにはどんなイメージがありますか?

ずっと真ん中に立っている人。だから、近くで見てみたい。一般の方と同じです(笑)。そういう人と仕事を、しかも舞台をする機会はなかなかないし、色々盗めるところや発見は絶対あると思うので、なぜこの人は真ん中にいるのかっていう謎を解き明かしたいと思います。

福田組には何をしてもいい自由さがある

──ミュージカル『モンティ・パイソンのスパマロット』やテレビドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」など、福田組に参加する機会が増えていますが、福田組への参加以前と以後で自身の中で何か変化はありましたか?

自由度が高いですよね。福田さんの現場って、何やってもいいんだって思わせてくれる。それは節度のないものじゃなくて、ちゃんとルールがあって品のある自由さ。特に僕は福田さんへの絶対的な信頼感から、必ず面白くしてくれると思っていて、だからこそ何をしてもいいという自由さを与えてもらった気がしています。それが他の現場でも役者としての幅を広げてくれますね。役者って伸び伸びやっていいんだってことを教えてもらいました。

──「スーパーサラリーマン左江内氏」でコメディをやる役者という認知はされましたよね。

でも、舞台ではずっとコメディをやっていたので、これでやっと認知されるようになったかという感じです。福田さんにも言われたんですけど、同年代でここまでコメディをやっている人はいないので、一番を目指してやっていきたいと思っています。

──先ほど福田組のキツイ稽古をまた体験したいとのことでしたが、どうキツイ稽古なんですか?

例えばある一場をやったとして、1回目は福田さんは「ワッハッハー」って笑ってくれるんですけど、2回目に同じことをやるとキョトンとした顔をするんですよ。同じことをやってもダメというか、本人は同じことをやってもダメとは思ってないと言うんですけど、同じことをやると急に「暇だなぁ」みたいな仕草をし始めて、謎のメモを書き出すんです。僕はいつかそのメモを絶対取り上げたいと思っているんですけどね(笑)。同じことよりは違うことをどんどん試してほしい、とにかく色んな球が見たいという人なので、それがなかなか大変です。普通、稽古って同じことをして固めていく作業。福田さんの場合は、常に「次に何やろう」って宿題を課される感じが他の演出家さんにはないところですね。

──ドラマに引き続き、今回も福田組の常連でもあるムロツヨシさんと共演されますが、ムロさんはどんな役者だと思いますか?

ムロさんはやっぱりすごいですよ。ちゃんと自分のやりたいことを貫いて戦っている感じ。しかも、福田さんの作品に毎回出て、福田さんのハードルが上がっている中ですべてOKラインを出している。何回も福田さんの作品に出ると、福田さんが笑わなくなってくるんですよ。これは福田組のジンクスのようなもので、僕もその壁があったんですけど、ムロさんはそれを毎回簡単に越えて行くので、かっこいいなと思いましたね。やっていることはすごくくだらないんですけど、真面目にやっている姿はやっぱりかっこいいです。

──福田さんの台本や演出に期待するところを教えてください。

日本人に向けての笑いや時代に沿った笑いを入れてくるところと、長い会話劇が楽しみですね。基本的に福田さんはミュージカルをとにかく愛しているし、すごくリスペクトがあるから、安心して体を委ねられます。

年に1本は舞台に必ず出たい

──2012年の『RENT』以来、5年ぶりのミュージカルですね。

何回かミュージカルに出てはいるんですが、あまりミュージカルの勉強をきちんとやってこなかったので、これを機にちゃんとミュージカルの基礎を身に付けたいと思っています。『RENT』の時も歌のトレーニングはあまりしなかったので、今回はちょっとまた違うテクニックを勉強したいですね。キーは低そうなので安心はしていますけど(笑)。

──ミュージカルをやる上で心がけていることがあれば教えてください。

ただ歌っているだけじゃなくて、言葉をちゃんと伝えることを意識しています。そこを伝えられないと意味がないですよね。だからこそ、言葉を大事に丁寧に歌いたいです。

──舞台のお仕事は賀来さんにとってどんなものですか?

舞台は年に1本は絶対にやるって決めています。この間、阿部サダヲさんとも言ってたんですけど、舞台って発散の場所なんですよね。舞台をやらない年は体の調子がよくない感じがあって……。舞台を経験してからというもの、板の上でお客さんに向かって思いっきりぶつける感じがないと芝居をしている気がしなくなっちゃったんです。お客さんの反応が返ってくるのが、やっぱりすごく気持ちいいんですよ。

──今回は東京国際フォーラムホールCと、1500席近いキャパの会場で発散し甲斐がありそうです。

今までで一番の大舞台ですね。顔芸はなかなか伝わらないから、僕はシャープでスマートな芝居を心がけて、クスッと笑えるようなかっこいい笑いを出していきたいと思います。

取材・文・撮影:岩本恵美

公演情報
ミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』
 
■作詞・作曲:メル・ブルックス
■脚本:メル・ブルックス、トーマス・ミーハン
■演出・上演台本:福田雄一
■出演:小栗旬、瀧本美織、ムロツヨシ、賀来賢人、保坂知寿、吉田メタル、宮川浩、瀬奈じゅん 他
 
<東京公演>
2017年8月11日(金)~9月3日(日)
会場:東京国際フォーラム ホールC
 
<大阪公演>
2017年9月7日(木)~9月10日(日)
会場:オリックス劇場

■公式サイト:http://www.youngfranken2017.jp/

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